ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

大野重男 「ハーモニィセンターの原点」 第10話

2013-11-14 20:44:58 | ぼくらのありのまま記

第10話 「菊池さんの功績」

馬を扱えない素人の大野さんを
助けてくれたのは現在もスタッフとして
活躍している菊池さんでした。

前回までのはなし、大野さんのプロフィールはこちらから。

大野
あの菊池だってね。

たら 
ええ、菊池さん。



大野 
僕は、ヨーロッパでポニーをみて
もう日本にも牧場をつくると決めていましたから、
ポニーがいそうなところを
まわって歩いていたんですよ。


たら 
いそうなところをまわって歩く。面白いなー。

大野
ポニーがいると聞いた動物園や子どもの国をまわって、
色々な人を紹介してもらいながら、歩いていましたね。
菊池はドリームランドというところにいて。




たら 
ええ。

大野 
で、菊池を紹介してもらったときに
「僕は、ど素人だけれどもポニークラブ作ろうと思ってるから」
なんて話しをしたら、向こうは大変さを知っているから
「そんなのできっこないよ」と言われて。
でも、僕はもう、その時ポニーを注文しておいたんですよ。
で、予定より早くついちゃったんですよ、ポニーが。
馬房もなんにもない状態で。僕はその頃は町田の団地に住んでいたんですけど。


たら 
さすがにベランダじゃあ飼えないですものね。
どうにかするしかない。

大野 
運んでくる方は
びっくりさせてやれっていうんで、
黙ってたみたいなんだよね、
で、夜10時くらいに
「あと、1時間でポニー届けるから」
なんて電話がきてね。
あの時はねー、僕は本当に困ったんだけども。

たら 
向こうも困ってますよね笑
まさか団地で、場所がないとは。

大野 
で、ちょっと待ってください、
場所をつくりますからと。電話を切って。
そのとき町田に引っ越して間もなかったんだけど、
町田でポニークラブをやろうとは思っていたから、
近所の馬関係のところは歩いていたんですよ。


たら 
ええ。

大野 
で、浅沼乗馬センターってところに
しょっちゅう遊びに行っていて。
見るだけで勉強になりますから。
仲良くもなってて。
頼れるのはその人しかいないと思って。
夜の10時過ぎですから。

たら 
どうにかしないと。時間もないし。
うわーすごいなー。

大野 
あれはね、7頭か8頭くらいきたんだよね。

たら 
そんなに来たんですか??

大野 
来たんだよね、で、電話をかけたんだよ。
そしたら風邪引いて寝てたんだよね。


たら 
いい迷惑ですよ、それは。笑。

大野 
風邪引きながらも
大野さん、なにー?なんて。
「実は前に話したポニーの話しなんだけどね。
あと1時間でつくってところまで着ていて 
今、どうしていいか途方にくれてるんだ」
なんて話しをしたら、あんまり難しいことは言わないで。
「わかった。大野さん大変だね。動かないでそこにいなさい。」と

たら 
風邪ひいてるのに笑

大野 
友だちにおさむさんという牛飼っている人がいるから
一ヶ月くらい場所を貸してもらえるように頼んであげるから。
大野さんはそこにいなさい。といってくれて。
風邪引いてるのにだよ。風邪治っちゃったんだよ笑


たら 
風邪引いてる場合じゃあないですか。


大野 
そうそう笑
あとから聞いたらあの時は
大変だったよと言われたけど。

たら 
でも、やっぱり風邪引いてますもんね。笑
時間もないし。

大野 
牛舎半分使ってもいいって話しつけてくれて。
でも翌日からどうしていいかわからない。
飼い方知らないんですから。でね、菊池に電話したんですよ。


たら 
ドリームランドの。
   
大野 
そう、菊池もね、そこまでやるとは思ってなかったんだけど、
翌日から毎日来てくれてね。結局ドリームランドも辞めて手伝ってくれたんだよね。

たら 
本腰いれて。
やってくれたんですね。

大野 
最初は信じてないですよ。素人が馬を飼うなんて。
でも飼いだしちゃって。「助けてやれるのは自分しかいない」
って彼は思ったんでしょう。で、牧場を僕の団地のすぐ脇に作ったんだよ。


たら 
団地の脇にですか!?

大野 
そこはね、僕が近所に空き地があって
大家さんに「場所を貸してほしい、でていけって言われたらすぐでていくから、
最低5年間くらい貸してほしい」とお願いしにいって。
主旨も説明して。そうしたら「わかった」と。5~6回行ったかなー。その家に。

たら 
口説いたんですね。

大野 
300坪かな?
税金分だけはらってくれればいいよと。
「難しいことは言わないから出て行けと言われれば出て行きます」
とそれは約束して。5年間やればなんとかなると思ったんだけど、
5年たってもなんともならなくて、次行く場所も決まってないし、
馬も行く場所もないし。

たら 
そうなんですか。

大野 
思ったより人も集まらなかったんだよね、最初は。
ちょっとずつは増えていったんだけど。


たら 
順調なスタートではなかった。

大野 
で、建物も壊しはじめて。馬も売らなきゃいけないのか、
とかなんとか言ってたら「三井の森」から電話がかかって来たんだよね。

たら 
ああ、今の蓼科ポニー牧場がある場所ですね。

大野 
今、蓼科でこういう別荘計画やっているんだけれども、
ゴルフ場とテニスコートは大人向けにあるんだけど、
子ども向けの施設がなから。あなたがたが町田でやっているようなことを
蓼科でやってほしいっていう話しが来たんだよね。


たら 
へぇーー。

大野 
で、地代はどうするのか、そんなに払えないよ?
とか言ったらね別荘地だから、牧場の地代くらいは
収入になる計算だから大丈夫だと。でも町田だってあんまり人が集まらないのに。
都落ちの気分ですよ、長野の蓼科に。


たら 
都落ち。はははは。

大野 
まぁ、とりあえずは馬の居場所も確保できたから。
でも、都落ちはいい間違いだったんだけどね。
たちまち大人気になったんだよね笑。立地もよかったんだろうね。


たら 
別荘地で、自然も多い。八ヶ岳も近いし。

大野 
建てるお金も1500万くらい借りて。
年金福祉事業団っていうところから。
6年くらいで返せたのかな。いやー、嬉しかったね!!

たら 
人が集まってくれて、お金になって。それは嬉しいですよね。

大野 
赤字では僕たち食べていけないですからね。
ポニークラブでね、月3000円の会費でさー
1000人2000人とか集まるならいいけど、
何十人っていう単位だからね(笑)


たら 
お金を稼ぐって意味でも、
キャンプっていう形がよかったんでしょうね。
 
大野 
そういう形に自然となっていったんだよね。


今日はここまで。
読んでくれてありがとうございます。
感想はこちらから。
今井竜介。
arinomamaki@gmail.com

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