ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

大野重男 「ハーモニィセンターの原点」 第11話

2013-11-15 17:29:28 | ぼくらのありのまま記
第11話 「子どもが切ない目で訴えてくる」

相馬ポニー牧場ではじまった牧場留学も
「子どもの喜ぶことをしよう」がその始まりにありました。
(1年間牧場で馬と共に生活をして、学校に行く子も、
不登校の子どもも共に生活するプログラム)

前回までの話し。大野さんのプロフィールはこちらから

たら 
そのあと相馬はいつくらいからできたんですか。

大野 
蓼科ができて数年後くらいかな、相馬はね、あれなんだよなー。
あれもねー、面白い話しだなー。小さい馬で始めたんですよ、最初の頃は。
で、来ている子もだんだん大きくなって来て。

   



たら
ああ、子どもの成長に合わせて、大きいポニーも必要だなと。
   
大野
そのころね、向ヶ丘遊園から誘いの話しがあってね
ポニーの事業をお願いされていたんだけど、

たら へぇー!!

大野 
で、場所も決まってたの。
馬もオーストラリアまで行って買って来たのね。
菊池が行って買ってきたんですから。


たら 
全然知らなかったです。そんな話し。




大野 
馬を積んだ船が日本に向かっているのに関わらずね、
向ヶ丘遊園の方針が変わっちゃって。「あの約束は白紙にもどす」って。

たら 
いきなり。

大野 
そのころちょうどあの、
相馬の近くの青年の家かなにかでキャンプやってたんだよね。
で、そういう話しをしたら町の所有になっている土地があるから
それを町から譲ってもらったらどう?って話しをきいて。その土地を買ったの。


たら 
これでまた、馬を手放さずにすんだ笑

大野 
だけど、そのときはもう、なんにもないから。厩舎もなんにもない。
水だってないから、坂をくだったとこまで馬を連れて行って飲ませて。
帰ってきたら次の馬。ってみんな飲むから帰れなかったり。
2月ですから。オーストラリアの夏からいきなり
冬の相馬にきて馬の風邪ひいたりね。7頭くらいかな。
1頭は死んじゃったんだよな。
で、あとの馬はなんとか体寄せあって寒さをしのいで、
そうしてるうちに厩舎ができて。僕が動物検疫所から馬運車で運んでね。


たら 
もうなにからなにまで、自分たちで やっていたんですね。

大野 
若かったからね、ガンガンできたよ。
今はもう息切れしちゃうね笑
今は、あそこをふるさとのように思ってくれる子ども達も
大勢いるから嬉しいよね、やっぱり。


たら 
いや、沢山いますよ。
自分だってそう思ってますしね。

大野 
聡子はあそこで生まれたんだよ。


たら 
そうなんですか。

大野 
10年間相馬に住んでたからね。




たら 
それは今、藤代に住んだように、
本腰いれないと駄目だと思って住んだんですか?

大野 
本格的にね、相馬に大勢の子どもが住んでくれるということになればね、
送り出す方も僕が住んでた方が安心するだろうなと思って。

たら 
それは牧場留学の時ですね。
「365日キャンプ」っていうのが
牧場留学のスタートだったんですよね?


大野
キャンプでね、3泊4日、5泊6日とかで
キャンプに来るじゃん、子ども達が。


たら
はい

大野
子どもたちがキャンプで「帰りたくないなー」
「ここにいたいなー」って切ない目で訴えてくるわけですよ。
「じゃあいてもいいよ!!」って冗談で言っても
リュック降ろしちゃったりして。


たら
はい

大野
じゃあね、ここに住めるような計画を立てよう!!って、
あれだけ切ないくらいの想いがあったから
それに応えられるようなことをやるのは我々の責任だからと思って。

たら
はい。

大野
で、地元の教育委員会とも話し合って。
そこから学校へも通えるようになって。

たら

はい。

大野
(ゆっくり間をおいて)いやー、楽しかったなー!!


たら 
その声が聞けるのがなにより嬉しいですよ。


(「今日はなにする」「私、馬具の手入れをしたい!!」
馬に乗らない牧場での楽しみ方も、子ども達は沢山知っているんだよねー)

大野 
もうね、真っ暗になるまでBB弾の打ち合いっこ
なんかしちゃってさー。


たら 
僕が、相馬に遊びに言っていたころにも
留学生のOBOGがよく遊びにきていて。

大野 
うんうん。


たら 
そういう縁というかふるさとみたいな
場所があるっていうのはいいなって思いますね。


今日はここまで。
読んでくれて、ありがとうございます。

感想はこちらまで。
今井たら竜介。
arinomamaki@gmail.com


これからの相馬ポニー牧場のこと。
これからのハーモニィのこと。
この後にたくさん、いろいろ伺ったのですが。
もう引退した立場なので。載せるのはやめました。
次回で最終回。このインタビューの振り返りを
してもらいました。



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