春節特集2 孔泉発言を見てみる

油断するとすぐ更新を怠ってしまいます。まだ春節始まってないよ、と自分に言い訳してると、あっという間に29日。というわけで第2弾。

コメント欄で「何かというと孔泉が担当している気がするが、たぶん錯覚」と書いたのですが、錯覚なのが錯覚だったのか、大事件に孔泉あり。今回はその一部を見てみるだけなんですが、楽しそうなのをチョイスしたつもりです。

◆日本右翼団体"日本青年社"構成員の魚釣島上陸(2003/8/25)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zzjg/yzs/gjlb/1281/1296/1297/t25327.htm

この日本右翼団体の釣魚島上陸は、中国領土の主権を著しく侵害する行為である。中国外交部及び駐日大使館が、既に日本側に厳正な抗議を行っている。

釣魚島及び周辺島嶼は、古来より中国の固有の領土である。中国側はこれに対して歴史的、法的に反論しがたい根拠を持っている。日本側の釣魚島に対するいかなる一方的な行動は無効かつ違法であり、釣魚島が中国固有の領土であるという基本的な事実は全く変えられない。

我々は日本側が有効な措置を取り、影響を取り除き、今後、同様の事件が再発しないよう厳粛に求める。

◆中国民間"保釣"メンバーの魚釣島上陸(2004/3/24)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t80526.htm

3月24日明け方、中国人7人が舟で釣魚島海域に向かい、島へ上陸した。午後、日本海上保安庁に拘留されている。釣魚島、及び周辺の島嶼は古来より中国固有の領土であるり、日中双方の釣魚島問題に関しては、中国政府は一貫して交渉による解決を主張してきたことを指摘したい。我々は日本に冷静に対応し、彼らの安全を脅かすような事をしないよう求める。

でもその法的根拠とやらを明かすことは決してない。「自明の理だ」「言わなくても分かっているはずだ」とか言って。交渉しているというのも聞いたことが無い。これが孔泉の口から出てくるとやな感じ倍増。中国の一方的な行動はもちろんスルー。

◆珠海の集団買春(2003/9/28)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zzjg/yzs/gjlb/1281/1296/1297/t26381.htm

非常に悪質な違法事件である。関係部門が事件に対して調査中であり、また法によって厳しく処理する。中国に来る外国人は中国の法律を守らなければならない。我々は日本政府が自国国民に対する教育を強化するよう望む。

日本に来る中国人は4万円そこそこのカネで一家を惨殺しないような、絶対にカネでもめない富裕層だけに限定すべきだ。貧乏人がバイトして単位を落とし、ダブって学費を稼ぐために更にバイトにのめりこみ、とうとう学校に来なくなるという悪循環は避けねばならない。

日本人と中国人の命の値段は、はっきり言って違う。中国人が一生かけても払えないのだ。日本人が自分の年収の30倍の人間の賠償をしろと言われているのに等しい。それは無理だ。

売春をガタガタ言うのなら、珠海はとっくに更地にされ、売春婦は全員銃殺されていなければならないが、珠海に向かうと依然として売春婦が津波のように押し寄せてくるのは何故か、5秒以内に答えて欲しい。回答期限を区切るのは当然。返済期限の無い借金など返す気にはなりません。記者に無理なら外相、頼む。

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一貫してるのはともかくとして、位牌は直ったのか。

◆2002年度小泉首相の靖国神社参拝(2002/4/21)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1056/t3787.htm

中国は日本の指導者による、いかなる形式のいかなる時も、A級戦犯の位牌を奉ってある靖国神社への参拝に断固反対である。我々は日本の指導者の今回の行動に対して強烈な不満を表す。日本側のやり方は、日本自身のイメージを傷つけ、歴史問題におけるアジア各国人民の信頼を得る事がさらに難しくなるだけだ。

◆2002年度小泉首相の靖国神社参拝2(2002/4/23)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1032/t3557.htm

小泉首相の靖国神社参拝は誤った行為であり、中国人民の感情を傷つけ、中日関係の政治的基礎を損なった。アジアや世界各国人民の信用を得るに全く益せず、両国関係に影響をもたらしている。

◆2002年度小泉首相靖国神社参拝3(2002/4/30)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1032/t3559.htm

中国側は中日関係を重視している。「歴史を鑑に未来へ向かう」の精神に基づき、両国の各分野における友好協力関係を強化したいと考えている。しかし、日本の指導者の軍国主義者の侵略の歴史に対して正確な態度で臨み、実際の行動で問題上の立場表明と約束を示さなければならない。中国を含めた多くのアジア人民は日本軍国主義の被害者であり、日本はあの歴史を正視し反省し、中国人民、アジア人民、国際社会の信を得なければならない。

(参拝が年内訪中予定に影響するかについて)小泉首相の訪中については、私の知るところでは、中日双方の外交部門は今のところ討議を行っていない。

◆2003年度小泉首相の靖国神社参拝1(2003/1/14)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zzjg/yzs/gjlb/1281/1302/t5939.htm

揚文昌・外交部副部長は阿南惟茂大使を呼び出し、小泉首相の本日の靖国神社参拝に対し、厳正な抗議を行った。

◆2003年度小泉首相の靖国神社参拝2(2003/1/14)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1032/t3496.htm

日本の指導者によるA級戦犯の奉られている靖国神社への参拝は、中国政府は断固反対である。小泉首相は誤った行為で中日関係の政治的基礎を損ない、中国を含む広大なアジア被害国人民の感情を傷つけた。小泉首相の坑道は日本政府が歴史問題で行った一連の態度表明と約束に背いた。中国政府と人民はこれに対し、強烈な不満と憤慨を表明する。

中国側はすでに外交ルートを通じて日本側に厳正な抗議を行っている。我々は日本の指導者が歴史問題を適切に処理し、実際の行動で誤りを正し、マイナスの影響を取り除くよう求める。(事前通告について)我々は受けていない。

◆小泉「靖国参拝は中日関係発展の障害にならない」発言について(2003/6/20)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zzjg/yzs/xwlb/t24504.htm

中国側の靖国神社に対する立場は明確で一貫している。歴史に正確に対処すれば、中日関係の健康的で安定した発展は保証される。今年は『中日平和友好条約』締結25周年である。双方が両国関係の友好を促進する事をするべきであり、相反してはならない。

◆日本の国務大臣数名が靖国神社を参拝した件(2003/8/15)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zzjg/yzs/xwlb/t24852.htm

日本軍国主義が発動したあの侵略戦争は、中国とその他アジア国家に空前の災難をもたらした。日本人民もその被害を受けた。あの歴史を正確に認識し、歴史を鑑に未来へ向かえば、中日善隣友好関係の健康で安定した発展に有利になり、日本と隣国の関係に利する。最終的には日本自身の利益にも符合するのだ。

どうせ変わり映えしないし、面倒だから後は略。「感情を傷つける」なんて合理的理由は無いと言っているに等しい。一応ダイジェストで出すと、

◆王毅大使が参拝に抗議「中国とアジア人民の反対を顧みず(以下略)」(2004/1/1)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/wjb/zygy/wangyi/zyhd/t57352.htm
◆自民党「参拝継続」について「日本の指導者がA級s(以下略)」
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t58715.htm
◆福岡地裁の違憲判決について「過去の歴史を正確に処理する事は(以下略)」(2004/6/7)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t82827.htm
◆王毅大使日本記者クラブで語る「日本の侵略戦争に対する反省は(以下略)」(2004/10/18)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/zxxx/t165796.htm
◆呉儀モンゴル逃亡「日中関係に不利な発言の継続は残念」(2005/5/24)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t196909.htm
◆2005年度超党派議連による靖国参拝「国際社会の期待にこたえていない」(2005/8/15)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1056/t207234.htm
◆町村外相「靖国観異なるが良好な関係を」「軍国主義賛美する教科書無い」について「もし正視しないなら(中略)日本にとっても良いことは無い」(2005/8/18)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t207722.htm

ちなみに靖国神社で外交部でググると100以上の談話が引っかかります。

お互い譲る気は無いから結局困るのは中国なのですが、日中関係における問題・障害とされている靖国参拝に反対した民主党の党首が中国脅威論を演説して、会談をドタキャンされたのは記憶に新しいところ。靖国など全く核心の問題ではない証拠です。台湾とか魚釣島とか人権とか、真に「敏感な」話題は他にいくらでもある。はいはいワロスワロスとでも言っておけばいい。

友好的かどうか、正しいかどうかをジャッジするのはいつも中国という構造は異常。まあ指導者同士の往来が無くても、大使がいなくても特に生活で困ってはいないので別にこのままでも良いと思う。結局次官クラスで交渉やってるし。

ユニクロやトヨタのエラい人は困るんだろうが、経済団体が国を動かすようになったら終わり。小泉の何が良いって、支持母体が無いこと。麻生も安倍も。麻生なんか財閥。

大体五点の主張なんて中国の欲望むき出しの提案をもっと報道しろ、なんて言ってる時点で終わってる。

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あれ、これって孔泉特集でしたよね。違った?酔いが本格的に回ってまいりました。

◆中国は国内法、国際慣例と人道的見地から、日本駐瀋陽領事館に侵入した5名の事件を適切に処理する(2002/5/22)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1056/t3767.htm

◆南京大虐殺の証拠は山のようにあり、すでに国際社会の結論が出ている(2003/7/13)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1056/t23509.htm

◆安保理は役員会ではない(2004/9/22)
http://news.xinhuanet.com/photo/2004-09/22/content_2006371.htm

3つ目、凄いツーショットだ。ちなみにその模様はここ

そして、取れたてのヤツを最後に。

◆HRWの報告について(2006/1/19)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t231867.htm

私はその報告を読んでいない。なぜならHRWは中国政府、中国人民、中国の現状に対し一貫して偏見を持っており、それは極端な偏見である。私はこの組織が毎年行う報告の中にあるのは、いつもでっち上げばかりをかき集めており、完全に政治目的である。この場を借りて、中国憲法と関連法に国家は人権を尊重し保障すると明記されている。民主法治、人権保護におい手中国政府は努力を行ってきたし、今後も努力を継続していく(以下自慢が続くので略)

てめえ、読めよ。エスパーかお前は。李肇星といい、外交部はESP能力を持った人間しか入れないとか。

孔泉じゃないのも混じってますし、途中から酔っ払ってきて何だかよく分からんのですが、資料ということで。人民日報にありそうで無駄な気がしますけど、酔っ払いのやる事ですから深く追求しないで下さい。
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王毅閣下の憂うつ

どうしよう。パンダさんのコメントをヒントに、孔泉のファッションチェックでもやろうかしら。いや、他人のファッションをどうこう出切るほどセンス良くないので、どなたかにお任せします。ピーコに話を持って行っていただいても。

2回目はちょっとお休みしまして、王毅の話はいかがでしょうか。当ブログは必要以上に王毅にストーキングを続けるブログですから。

 王毅中国大使不在「長い」 谷内次官、帰任後に会談へ
http://www.sankei.co.jp/news/060116/sei099.htm

 外務省の谷内正太郎事務次官は16日の記者会見で、中国の王毅駐日大使が先月上旬から1カ月以上帰国していることについて「休暇だと思うが、われわれの常識からは若干長い気はする」と述べ、異例の長さだとの認識を示した。

 谷内氏は同大使と帰国直前に会談したことを紹介しながら「(中国政府)上層部の方々と話をして、今後の日中関係をどうするか検討してこられると思う」と指摘。その上で、大使が日本に戻った後にあらためて会談する意向を表明した。

なかなか帰ってこない王毅のことは気になっていました。

参考エントリー
当ブログ:駐日大使は北京で工作活動中か(2004年12月24日)

約1ヶ月前に王毅が極秘に帰国したときには、「今後の対日政策を話し合うためだ」と、まことしやかに言われていましたが、それらしき動きを見せたのは1回で、その後の動向は全くと言っていいほど出てきません。また大使館は依然として帰国を明かしていません。

 東京華僑総会が新年会開催 駐日公使出席
http://gb.chinabroadcast.cn/8606/2006/01/07/1745@851609.htm

王毅の名前が前回のエントリー以後に出てきたのはこれだけ。それも、王毅不在のため、公使が代理で出席したというもので、実際には王毅の活動ではありません。

となると、以前からささやかれていた健康不安説が真実味を帯びてきます。公の舞台に出てこられないのは、やはり健康に問題を抱えているからではないのか、という憶測が飛んでも仕方が無いのです。大使就任前に手術を経験していたと報じる香港紙もありました。

しかし、それを補強するような情報も無いので、現状では何とも言えないのです。外務省でも真相を掴みかねているようですし、まして私は部外者だし。

では何なのか。関係あるのか無いのか、外交部の人事情報が流れてきました。

 呂国増、李金章が副部長に昇進
http://news.sina.com.cn/c/2006-01-18/17248019519s.shtml

部長助理だった二人が昇格し、これで副部長は七人になりました。副部長は何人までという明確な規定はないでしょうが、予定があるなら復帰しやすい環境を作るでしょう。大使の任免は国家主席が別に行いますから無いとはいえないのですが、王毅の専門であるアジア地域は武大偉が担当していますので、アジア局一筋の王毅は行き場所が無いのです。

 「報道規制」発言の中国・アジア局長が次官補に昇格
http://www.asahi.com/international/update/0114/002.html

沈国放が昨年暮れに飛ばされており、また今回の人事でたったの1人になった部長助理にはアジア局長の崔天凱とアメリカ大洋州局長の何亜非が昇格し3人に、また今回華僑パーティで王毅の代理を務めた程永華公使がマレーシア大使に転出、アジア局副局長の孔鉉佑がその後任に就くようです。

まさか王毅が空席になっているアジア局長に就任、なんてのは二階級降格ですからまずありえませんですが、情報が出てこないとやはり心配になりますねえ。ほら、出来の悪い子ほど可愛いというか。

靖国神社参拝など「日中関係悪化」を改善できなかったと王毅を処分しても、これは誰が後任になっても今後も同じでしょうから、交替というのはあまり現実味がありません。王毅はたまたま悪い時期に来てしまっただけです。武大偉だって任期中に小泉首相に3回靖国に参拝されているんですし、更迭なら既にそうなっているでしょう。

後任もいない、政策転換も無い、現状と変わらないのに「日中関係改善」を押し付けられる王毅。そんなの無理だと分かっているから、「体調不良」だと言って逃げているのかもしれませんよ。
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春節特集1 報道局長孔泉誕生

世界3億6000万人の孔泉ファンクラブ会員の皆さん、お待たせしました。そろそろ中国外交部報道局長に就任して6年目を向かえる孔泉ですが、彼と一緒にこの5年間を振り返ってみます。

もちろん報道局長就任以前の、例えば子供時代のエピソードなんかは出てきません。そんなネタ持ってたら本にして出します。報道局長時代(まだ辞めてませんけど)の発言を中心に日中関係も一緒に回顧しようじゃないか、という趣旨であります。はい、たいした趣旨ではありません。

あ、タイトルの春節はあまり気にしないで下さい。

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私が彼の名前を最初に耳にしたのは2002年の9月でした。中国国内からGoogleへのアクセスが出来なくなったというニュースで、その言い訳をしていたのが孔泉という名の男でした。その時は彼の映像など見なかったのですが、名前だけはなぜかずっと残っていました。たぶん後で出てくると思います。

その後の活躍は皆さんご存知でしょう。何度もニュースで見かけるようになりましたが、インパクトが強すぎて重大なニュースはいつも彼が担当していた気がします。脳内で勝手に変換されてます。重症。

あの声、あの顔、一度で良いから生で拝みたいものです。新しく北京駐在となった記者のフリでもして、何食わぬ顔で最前列に陣取り、追い出されるまで学生時代の話でも聞きたいものです。

そんな妄想はさて置き、孔泉の報道局長就任は略歴によれば2001年となっています。

 朱邦造氏、チュニジア、パレスチナ大使に転出
http://news.sohu.com/93/80/news147298093.shtml

「職務上の必要により、大使に転出となった。私の古い友人である孔泉氏が後任となる」
「まだ外交部報道官は辞めない。このまま皆さんの質問を受ける」

朱邦造の大使転出と、西ヨーロッパ局副局長だった孔泉が後任となるという報道が当時出回っていたそうで、記者が尋ねると朱氏はこの様にあっさりと認めました。同時に、孔泉の名が世に出た瞬間でもあります。

記事によれば、孔泉は1955年に北京ではなく広東で生まれ、小学生の頃からフランス語を学び、ベルギー留学を終えた後は外交部に入り、ヨーロッパで長期にわたって業務をこなし、ベルギー、フランス大使館で外交官として勤務していたそうです。

もちろん外交部に入る人間ですから、一つくらい外国語を喋れても当たり前なんですけど。ロシア語の使い手は多いですし、王毅は一応流暢な日本語を操れる設定になっています。しかし、フランス語を話す孔泉。想像できません。というかフランスと孔泉が・・・

 朱邦造、孔泉新外交部報道局長がそれぞれ挨拶
http://news.tom.com/Archive/2001/12/11-52263.html

何とお披露目会。中国の「顔」が交替するんだから当たり前なんですが。変わらぬご支持を、とか言ってる孔泉タソ。

朱邦造は職位こそ維持しているものの11月13日以降、定例記者会見をやっていません。局長不在の間は章啓月おばちゃん(現ベルギー大使)、孫玉璽(アフガニスタン→インド大使)、そして既にパンパンに太っていたと思われる劉建超で切り盛りしていたようです。

後に本人が述べたとおりの理由で、孔泉の記者会見デビューは2002年になってからでした。

 外交部新任報道官・報道局長孔泉第1回目の記者会見
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/1056/t3824.htm(2002年1月29日)

皆さんこんにちは。友人に言わせれば私は新顔だそうです。自己紹介をします。

私は昨年11月に朱邦造氏の後任として外交部報道局長に就任しました。本来なら元旦に皆さんに会うつもりだったのですが、唐家セン外相のアフリカ訪問に随行していたので、適いませんでした。新年はすでに明けましたが、農暦の午年はまだですので、この場を借りてその意味をご説明したいと思います。

まず、午年、そして今後私の在職期間中は、同席される各位と良好な関係を作りたいと考えております。私は最大限の努力で同席の各位にタイムリーで、正確であり、また全面的に中国の外交政策や中国の重大の国際問題に対する態度や立場を理解してもらえるよう努力します。

まもなく午年です。皆さんの健康とご多幸を、ご家族の幸せをお祈りします。

お披露目会と言い今回と言い何と殊勝な・・・言ってる事は全部嘘なんですけどね。

この後、孔泉初めての記者会見が始まりました。ここから長い報道局長時代が始まるのですが、次回へ続きます。多分。次回はこの5年間を孔泉など外交部報道官の発言と共に振り返る予定であります。盛り上がるかな。
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李登輝再来日も中共に止める術なし

前回のエントリーでは、つい泣き言を漏らしてしまい申し訳ありませんでした。また暖かい励ましの言葉をいただき、ありがとうございました。

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李登輝が5月に日本へ来るそうで、いよいよ定期訪問状態になってきました。台湾メディアはこの訪日を報じた読売新聞の記事を引用しています。

 日本メディアが李登輝の5月訪日を報道 李に近い筋「信頼度高い」
http://tw.news.yahoo.com/060111/43/2r2hi.html

日本の読売新聞は、前総統李登輝が、5月10日に訪日を計画していると報じた。李に近い筋によると報道の信頼性は高く、日程は調整中だという。今回の訪日の目的は李登輝が夢に見た奥の細道(本州の中部から北部)への旅である。5月は機構も暖かく、心地よくなっている頃だ。

読売新聞は李登輝の訪日を2~3週間と報道している。その際東京、秋田、そして松尾芭蕉で有名な奥の細道を訪れる予定だという。李登輝の日本の友人は午前にこの件を知り、次々と台湾の関係者に日程などを尋ねてきた。

李登輝は昨年訪米を果たしており、台湾帰国後の記者会見場で再度日本を訪問したいと明かしている。李登輝に近い人物によると、李登輝は数回日本を訪れ、日程の調整には全く困難はなく、さらに小泉首相の衆院選圧勝で新内閣の複数のメンバーが李登輝と友情で結ばれており、今回の訪日は決して問題にならないとしている。

またこの人物は李登輝の今回の訪日計画は、李登輝自身が様々なパイプを使って根回しをし、日本の友人の協力も得たもので、読売新聞の報道は信頼性の高いものであり、日程を5月にしたのは、4月だと奥の細道のある地域の気候がまだ暖かくないだろうと懸念しての事だと明かしている。

奥の細道は日本の俳聖(中国の詩聖に当たる)である松尾芭蕉が、1689年に江戸(東京)から徒歩で日光、黒羽、松島、山寺、最上川と北に向かい、そこから日本海に沿って新潟、富山、石川、滋賀と西に向かい、最後に岐阜に到達した苦難の長旅。1694年に完成した『奥の細道』は、日本文学史上に残る紀行文学となった作品。

素晴らしい。松尾芭蕉の補足が詳しい。「信頼性がかなり高い」とお墨付きもいただきましたし、訪日の日程などはほぼ間違いないかと。しかし同じ記事の引用でも、書き手に含むところがあるとこうなります。

 日本メディアが李登輝の5月訪日を報道
http://news.sina.com.cn/c/2006-01-11/15457955393s.shtml

台湾メディアが日本メディアの報道を引用したところによると、李登輝が今年5月10日に日本を2~3週間訪れ、東京や秋田、日本の詩人松雄芭蕉が旅行したことで有名な奥の細道などを訪問したがっている事が分かった。報道によると、日本は既に台湾人観光客の短期ビザを免除しているが、李登輝のような人物の訪問は更に審査の必要があるとしている。

日本政府は2004年12月21日、李登輝に入国ビザを発行し、入国を許可した。当時中国外交部は強烈な不満を表明し、抗議を行った。李登輝は台湾の急進的な"台独"勢力の総代表であり、国際的に徹頭徹尾のトラブルメーカーである。日本政府が李登輝の訪日活動を許可するなら、"台独"勢力の黙認、支持となり、"台独"勢力へ誤ったメッセージを発信する事になり、中日関係に深刻な障害となると考えられる。

報道では、李登輝の今回の訪問は民間団体の訪日要請に応じたもので、訪問日程は調整中であり、もし実現すれば2004年暮れに京都、金沢、名古屋などを訪問して以来、約一年半ぶりの訪日となる。日本外務省は、李登輝の訪日計画についてまだ正式には聞いていないと発表している。

先ごろ中国外交部の報道官は「李登輝は島内の"台独"勢力の代表的な人物であり、日本政府が彼に日本での活動を認めれば、中日関係を損なうだろう」と厳しく指摘している。

当時王毅は「戦争メーカー」という名言を作ったもののその年の流行語大賞には相手にされず、外交部も報復措置を取るとまで脅しておきながら何も無く、中国は結局何も出来ないと証明してしまいました。記事ではそれには触れられていませんね。

ああ、発給した後に王毅や劉建超が取り消すよう求めたというのもありました。王毅が「(李氏は)台湾独立勢力の代表的な人物。公職から退いたとはいえ分裂活動を進める急先鋒(せんぽう)だ。考え直していただきたい」で、劉建超が「日本政府は誤った決定を正すべきだ」でした。日本政府はマスコミを指導すべしとした発言と同種で、「中国は自由を理解していませんよ」といういい宣伝になりましたね。騒げば騒ぐほど、みんなが中国は異常な国だと気付く仕掛けになっております。

そういえば台湾人のビザ免除を決定した際、中国は不公平だとか言ってましたが、李登輝訪日に事実上障害がなくなることを恐れての発言だったのでしょうか。さてこれからどんな恫喝が出てくるのやら、楽しみです。

とりあえず12日の孔泉発言を置いておきます。

http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t230722.htm(外交部1月12日)

この問題においては、我々は何度も厳正な立場を表明してきた。我々は日本側が日中関係の大局から、日中共同声明など3つの政治的文書の原則に沿って、この問題を適切に処理する事を望む。

前回の訪日当時は3つの政治的文書などの原則に背くとか、報復措置を示唆したとか、激しかったんですけどねえ。しかし李登輝帰国後に行われた記者会見では、

http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t178684.htm(2005年1月6日)

一部日本のメディアがこの人間の事に非常に関心を持っているようだ。この問題は唐の有名な詩人杜甫のこの詩を思い起こさせる。

「爾曹身与名倶滅、不廃江河万古流」(好ましくない人物の名やその体は滅ぶが、大河の悠久の流れは途絶えない)

こういった急進的な"台独"勢力の総代表に対してだが、彼の一挙一動全てが正義感のある者の唾棄にあうだろう。

報復措置は無し!言葉責めだけ!ああ、愛知万博に格下の呉儀をよこしたのが仕返しなんでしたっけ。凄い報復だ。安心してお越しください。


追記(15:01):やっぱりまだ頭が動いてないんでしょうか。いや、頭が動いてないのはいつもか。昨日最後まで目を通さなかった、外交部記者会見の模様を読んでみると。

記者李登輝訪日に関してだが、あなたの発言の意図はどのような理由があっても、ビザを発給すべきではないという意味なのか。

孔泉:あなたの解釈は正しい。


記者:現在台湾市民は日本への観光ビザは免除となっている。もし日本政府が李登輝を普通の旅客として、いかなる政治活動もしないとして訪日に同意するとすれば、中国側の反応は。

孔泉:一人の人間の過去を見れば、その現在が分かる。現在を見ればその将来が分かる。李登輝はどのような人物なのか、日本側はよくご存知だ。我々は日本政府が中日間で交わした3つの政治的文書に基づき、台湾問題上で行った約束を守り、「一つの中国」政策を堅く守り、"台湾独立分子"に活動の場を与えないよう望む。

ビザ発給するなって言ってる。やっぱりただのアホだアホ。そもそも3つの政治的文章では、日本は中国の「台湾は中国の一部」という主張を理解、尊重すると言っているだけで、支持とか同意とかはしてないんですけど。悔しかったらペルーみたいに大使召還くらいしてみな。
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中共、それマジで言ってんの?

だって言論統制要請ですよ、これって。QQQQさんからコメントを戴きましたので、今話題沸騰中の孔泉発言を訳出してみました。

http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t230353.htm(外交部1月10日)

記者:中国の高官が日本との協議の席で、「日本のマスコミはいつも中国のマイナス面ばかり報道している。日本政府は管理すべきだ」と言ったそうだが、事実だろうか。もし事実なら、これは個人の考えなのか、それとも外交部の正式な見解なのか。これは日本への内政干渉に当たらないか。

孔泉:中国側高官の発言だが、あなたの引用は正確ではないと考える。我々は中国にいる日本のマスコミ、記者が中国で起こる全てを報道してもらいたいし、日本との友好関係を発展させる中国の積極的姿勢を報道している点を前向きに評価している。しかし、日本の一部メディアは対中報道で日中関係及び日中関係で生じた問題を報道する際、遺憾なものがあると言わざるを得ない。

中日双方の当局者は協議でこの問題に触れている。なぜこれらのメディアが中日関係にある摩擦や問題に熱心に騒ぎ立て、歴史問題など重大な原則において、何度も中国を含めたアジア人民の感情を傷つけるのかという点だ。逆に、2005年4月23日にジャカルタで小泉首相と会見した際に、胡錦濤主席が提起した中日関係発展に対する五点の提案など、中国政府についての報道が非常に少ないなど、深く考えさせられる点だ。

我々はメディアが両国人民の相互理解を高め、相互信頼を深めるという重要な役割を果たし、中日両国関係の友好という大局を重んじ、これらのメディアが両国国民の相互理解を深めるような報道をするよう期待している。

曲解報道しまくりのお前らが言うな的内容ですねえ。全てを報道した『新京報』は本気出したらすぐに潰されましたけど。

 日本に報道規制を要求 中国「対中批判多すぎ」  2006/01/09 20:51

 【北京9日共同】中国外務省の崔天凱アジア局長は9日、北京での日中政府間協議で「日本のマスコミは中国のマイナス面ばかり書いている。日本政府はもっとマスコミを指導すべきだ」と述べ、日本側に中国報道についての規制を強く求めた。

 メディアを政府の監督下に置き、報道の自由を厳しく規制している中国当局者の要求に対し、日本外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長らは「そんなことは無理」と説明したという。

 日本側によると、崔局長はまた、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題や日本国内での「中国脅威論」の高まりなども挙げ「(日中間にあるのは)日本が起こした問題ばかり。中国は常に守りに回っている」と批判した。

注目すべきは孔泉が個人の意見であると否定していない点。外交部、ひいては中共が日本政府もメディアを規制してしかるべき、規制できて当然と考えているからでしょう。でなきゃ個人的な発言であると訂正するはず。

コメントと重複しますが、「日中友好を促進する記事をもっと書け」という要請があったと明かすマスコミ関係者もおりましたし、メディアをただの宣伝機関だと本気で信じている中共人は存在します。

しかし、他国に向けてメディア統制するよう要請するとはあまりに軽率。「中国は言論統制国家です」と世界に向けて発信してしまっているのですが、そのメリットは無さそうですし。どういう意図があるのかさっぱり分かりません。

生ガキで大当たりをひいてしまい体調が最高に悪いので、今日はこの辺で勘弁してください。すいません。
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