< 1. タイの首相が失職 >
前回、三権分立の役割を見ましたが、現在、ほころびが出ています。
早晩、政治制度の改変が必要です。
問題点を指摘します。
< 2. 委員会風景 >
現状の問題点
数日前、タイの首相が失職しましたが、それは首相の人事介入が違憲との判決が出たからです。
これは裁判所が良く機能している現れであるのですが、ある問題を暗示しています。
一つは、違憲審査を担う最高裁判所長官や判事の任命権は通常、行政(内閣、大統領)が握っていることです。
このことは政府寄りの判決や判断保留が増え、国民の期待を裏切る可能性が高くなります。
当然ながら一党による長期政権が続くと法思想も偏りやすく、その傾向は強まります。
よほど国民が高い法意識を持って裁判を監視しないと違憲審査の効果は失せてしまいます(最高裁判所裁判官国民審査が一手段)。
< 3. ホワイトハウス >
もう一つは、社会が複雑多岐にわたり、行政の権限(内閣と官僚)が大幅に巨大化し専門化していることです。
民間から選ばれた議員達が事細かく行政を監視抑制することは益々困難になっています。
日本の法案やその答弁案はほとんど官僚が作成しています。
米国も、大統領が交代すると上級スタッフが2千人ほど交替しますが、その多くは、支援団体に連なる専門家(研究所、銀行、企業など)です。
米国の議会を動かしているロビイストの多くは元議員で企業や団体とのパイプ役を果たしています。
つまり、現状の行政府や立法府は、日に日に国民の代表から乖離し、腐敗や濫用の温床になりやすい。
< 4. 核持ち込みの密約 >
さらに新たな問題が生じている
それは先ほどの専門化とも関連するのですが、知識や情報が特定の人々に滞留してしまうことです。
三権分立であっても、行政(トップと官僚)や他国との間で情報が隠蔽され、国民は真実を知らされず、正しい判断が出来なくなります。
現実に隠蔽や虚偽、誘導の事例は事欠きません。
これは日本だけのことではありませんが、昨今、日本の悪化は急速です。
< 5. 国家による監視と情報秘匿 >
まとめ
この二つの悪化に対して、世界は有効な対策や思想を提示出来ていないようです。
前者は、おそらく歴史的に繰り返されて来た現象と本質的に一緒だと思います。
後者は、現象こそ似ているが、その対処は今までに無い新しい発想が必要だと思います。
連載ブログ「社会と情報」で追っていくつもりです。
次回より、戦争防止について見ます。
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