< 1. フセイン元イラク大統領 >
前回、国が如何に簡単に暴走するか見ました。
悲劇が繰り返さないように、人々はある工夫を憲法に盛り込むようになりました。
今回は、人類が創造した巧みな政治制度とその狙いを見ます。
< 2. 英国議会 >
権力の濫用を如何に防ぐか
人々がより大きな集団を作り、その運営を代表者に委託することは歴史の流れです。
しかしその権力者(集団)は往々にして、腐敗し濫用を始めエスカレートします。
そして遂に人々は立ち上がり、権力者(集団)を交替させます。
歴史はこの繰り返しでした。
そこでこの権力を常時抑制する方法が考えられた
議会が作った法で権力を縛る為に立法権(議会)と行政権(大統領や内閣)を別けた。
これによって権力の使用は法の範囲内に限定された。
さらに法に関して司法権(裁判所)を分離しました。
これは議会が裁判を担ってしまうと、党利党略に利用されやすく、また法理論の素人では公正中立な運用が困難になるからです。
一方、裁判所を監視抑制する工夫が、民間人参加の陪審制度だと言えます
< 3. 陪審制度:映画「怒れる12人」 >
この三権分立によって、権力者は気ままに、国民に徴税や戦争、逮捕処刑が出来なくなります。
例えば、米国の大統領は大きな力を持つが、法案提出権を持たず、派兵は議会の承認が必要です。
大統領の3期以上の再選は無効なども腐敗防止の例です。
< 4. 最高裁判所大法廷 >
それでは議会を抑制する方法はどうすれば良いのか
議会も会派や支持層に有利な法案を通し、腐敗や暴走を起こします。
例えば、米国が独立する切っ掛けは英国議会が決した身勝手な貿易保護法案への不満からでした。
米国は伝統的に議会を裁判所で抑制します。
その方法は議会の決定を裁判所が違憲審査することです。
もし議会の多数派が少数派の権利侵害を決した場合、救う方法はこれしかありません。
例えば、国会の多数派が選挙区割りや制度を自党に有利に決している場合、裁判所に訴えることがそれです(一票の格差で違憲状態の判決)。
議会の二院制は、異なる方法で選出された人々により抑制する意味があります。
選挙制度を工夫することにより、少数多党化を防ぎ二大政党化を促し、抑制と合意形成の最適化を目指しています。
腐敗を防止するために、議員の世襲を排除する選挙制度を設けています。
< 5. 18世紀始め、三権分立を唱えたモンテスキュー、フランス >
重要なこと
これら政治制度はまだ問題を含んでいるが、まだその歴史は200年程に過ぎません。
私は、この巧みな工夫は、人々の幸福に貢献する最も高尚な人類の創造物だと思います。
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