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宇宙の果て ver.2

2012年06月05日 | 科学
 宇宙の果ては、どのようになっているのだろうか? その大きさは? その向こうには何があるのか? 最新の科学知識を基に、簡単な図を書きました。

< この図は宇宙が誕生し膨張している様子を描いています >

前回の説明では不十分なので、すべて書き直しました。

左図の横軸が時間経過で、縦軸は宇宙の大きさです。

宇宙はビックバンで誕生し、急速に膨張を行い、40万年後に素粒子と共に光りが生じた。これを宇宙の晴れ上がりと呼びます。

やがて星や銀河が作られ、我々の太陽系は約46億年前に出来はじめた。

右図の灰色の小円が我々の宇宙、つまり見ることの出来る範囲です。

我々の宇宙の進化は、左図では灰色のチューブで示されます。

ここで重要なことは、宇宙の晴れ上がり時にいくらかの大きさを持った宇宙が、137億年後に膨張した。しかしそれは全体宇宙のほんの一部であることです。



 < この図は我々の宇宙を拡大したものです >

 図の縦軸と横軸は最初の図と同じです。時間の経過に従って見ていきます。

晴れ上がりから遅れて星が誕生し、それを赤い点で示します。その後青い点の地球が誕生しました。

我々宇宙の外側にも未知の宇宙が広がっています。

ここで地球に到達する光りを考えます。

白の矢印は近くにあった恒星から出た光が、既に地球に到達してしまったことを示しています。

星から出た黄の矢印はちょうど今、地球に光りが届いたことを示します。

もう一つの矢印は、晴れ上がり時に宇宙空間から発せられた光で、これも届きます。両者共に距離と時間がうまく合ったのです。

赤の矢印は距離が遠い為に地球に届きません。

この外側の宇宙(全体宇宙)はまったく私達と絶縁した世界なのです。光りが届かないということは重力波も来ないということです。

つまり外側の宇宙の一部が、今、何らかの理由で消滅したしても、その影響は光りや重力で伝わりますので、今の私達には無関係です。

当然観測も出来ません。但し数百億年先は保障出来ません。


ここで厄介な現象に頭を悩まさなければなりません。それは我々の宇宙の大きさです。

我々が見ることの出来る最も古い光景は、137億年前の晴れ上がり直後の世界です。

それは夜空の遙か遠くからやって来る映像にしか過ぎません。

その光景を生みだした空間は、それよりさらに遠く離れてしまっているのです。

その距離は地球から470億光年です。

この奇妙な現象は、遠ざかる星や光りの速度は光速なのですが、宇宙空間自身が約3倍で膨張している為に起こっているのです。

 
 やっと全体像が見えて来ました。

それでは全体宇宙の大きさはどれぐらいなのでしょうか?

理論によって異なるのですが、一つの回答は、「全体宇宙の大きさを太陽系(海王星の軌道)に例えれば、我々の宇宙は直径0.1mmの泡に過ぎない。」と言うものです。そうなると全体宇宙の果ての速度はそれを遙かに超えている可能性もあります。

 私達の宇宙はまことに塵のようなもので、人類も含めて偶然の産物に過ぎないように思えて来ます。


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