2017年2月18日 夢を持てば、希望が生まれる

　　昨夜は、私が顧問をやっている上海の日系向けクリニックの日本人の方と会食。現在中国で医師の

　資格試験合格に向けて、仕事に勉強に頑張っています。ただ残念ながら、既に2年連続で試験に失敗

　しています。


　　年齢は私と全く同じ。中国に来て早や8年の彼は、日頃の仕事ぶりを見ても何か覇気が感じられません。

　そこで昨夜は初めて、そんな彼を鼓舞しようと食事に誘ったのでした。


　　聞けば、過去には家族内でも辛い思いをした時期があったようでした。そして今まだ独身で、医師

　試験にも合格出来ていないことが、今の彼の雰囲気を作っていることは容易に想像が出来ました。

　結婚もしたくない訳ではないらしいですが、この中国ではお金も無ければ結婚相手も探せませんからと、

　完全に諦めムードです、、、。


　　「今、夢や目標は？」そんな問いかけに、彼はこう答えました。

　「今が不安定すぎて、そんなことは考えられないんです。まず少しでも安定してから、そういうことを

　考えてみようかと思っていますと。」

　正にそんな言葉通り、普段の様子を見ていても、試験合格以外はただただその時のことだけを考えて、

　希望も持たずに過ごしているように見えます。


　　そこで、そんな彼にはこんな言葉を伝えました。

　「夢を持てば、希望が生まれる。そして希望は生きる力を生み出す。夢を叶えるためには、目標を立てる

　必要がある。

　　夢は、人が聞いたら笑ってしまうくらいの大きなことがいい。自分でも恥ずかしくなるくらい

　のあり得ないことでもいい。目標は、10年20年先の遠い目標と、今日とか一か月後とかの近い目標と、

　その中間にもいくつか持つといい。

　　近い目標はハードルの低いものを、遠くなればなるほどそのハードルを高く上げていく。高いハードル

　だけでは自信を失っていってしまうので、近くの低いハードルの目標を次々とクリアーさせていき、小さな

　達成感を積み重ねていくことが大切。気づけば5年後10年後には、自分でも驚くくらい人生が変わって

　いるはずである。

　　そして日々、近くにある目標と、遠い遠い目標とを、何度も何度も読み上げる。近くだけを見ていると、

　度々訪れる困難を失敗と勘違いしてしまう。しかし、遠くも常に見ていると、それは失敗ではなく遠くの

　目標を達成させるための経験であるということに気付ける。

　　そして途中で何度道を外れても、遠い夢や目標が灯台のように自分を導いてくれる。遠くのゴールが

　無い人には、逸れた道はどこまでも逸れて行ってしまう。

　　夢は実現しないこともある。でも、いつも夢に向かって目標を立て、それをクリアーし続けて行っている、

　その道程が実は幸せなんだといつか気付く。それが我が人生悔いなしだと思う。同じ年齢を生きてきた

　者同士として、この言葉を贈るよ。」


　　彼は帰る頃には、本当に勇気をもらったと言って、喜んで帰っていってくれました。私は今、つくづく

　思います。夢を実現させた者だけが幸せなのではないんだと。その夢に向かって希望を持って進んでいる、

　その道程が実は幸せなんだと。