Kira-Kira
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Cynthia Kadohata | |||
Atheneum |
ストーリー
Katieはアイオワ州に生まれた日系人。4歳年上の姉のLynnが最初に教えてくれた言葉は日本語のkira-kira。優しくて頭のいい姉とは大の仲良し。家は貧しかったが、将来両親に家を7つ買ってあげるというのが姉妹の夢だった。
やがてジョージア州に移り住み父親は養鶏場の仕事へ、母親は鶏肉加工の工場で働くことになった。小さなアパートでの暮らし。弟が生まれ、両親は毎日長時間働いたけれど、それでも暮らしは貧しかった。そのうち姉のLynnは体調不良から横になることが多くなった。
感想
時代は1950年~60年代。両親の過酷な労働状況や貧困、日系人に対する差別や偏見、当時の日系人の苦労がうかがえます。細かな日常のエピソードが盛り込まれていて、家族との絆や周囲の人たちとの繋がりが印象的。
でも一番光っていて印象に残るのはKtieの個性。真面目に偏見に耐えて差別と闘っています、という感じじゃないところがいい。確かに最後はしんみりとしてしまいますが、子供らしいあっけらかんとした所があって、不思議と重くない。Joe-John Abondondalaramaという不思議な名前の未来の王子様との妄想とか、弟が大けがをしたのに助けてくれたイケメンの若い白人男性に気を取られているところとか、女の子らしくて、なんだか笑いを誘います。
終盤、父親の怒りにまかせた行動の後始末の際、間違った行動を間違いと認め、親としてのプライドを捨てて大切なことを伝える父親の姿にハッとさせられるとともに、とても感心しました。
聞き読みで読んだのですが、早い朗読でもないのに置いてきぼりをくらうことが度々・・・。結局、最後の2章くらいは音なしで丁寧に読むことにしました。ニューベリー賞を受賞した作品は数えるほどしか読んでませんが、読みやすかったという印象のものはなくて・・・。それでも作品は比較的読みやすい部類かもしれません。