福島県大沼郡昭和村<からむし織の里>さんに行ってきました。
からむしは縄文時代(今から16,500年前から3,000年前くらい)の晩期に中国大陸から朝鮮半島を経て日本へ伝播したものと考えられているそうです。
昭和村の2014年4月の人口1,414人・世帯687世帯・高齢化率50%以上、面積209.34㎢。
えーと、東京都の桧原村が人口2,441人・世帯1,195世帯・高齢化率40%以上、面積105.42k㎡。
高齢って65歳以上のことみたい。
木綿が手軽に手に入るようになるまで、自家栽培のアサ(麻)・野生のからむし(苧麻)・蕁麻(イラクサ=アイコ)・マダ(シナ)等の繊維が衣料の材料として用いられていたそうです(麻は「糸をとる草」全般を示すこともあるそうです)。
からむしは、細く長い繊維が強靭であることや光沢に富むなどの理由から、高級な麻織物である上布などの材料として古くから重視されていたそうです。
昭和村では600年以上もからむしを栽培し、このからむしから精製された高品質の青苧(あおそ=からむしの茎の皮の部分を水につけ苧引き(おびき=芯と皮を手で剥ぎ分け皮から1枚ずつ繊維を取り出すこと)して繊維だけにしたもの)を、越後上布・小千谷縮布用に販売してきたそうです。
越後上布・小千谷縮は、1955年に国の重要無形文化財(文部科学大臣が指定した無形の文化財=「わざ」のこと)に指定され、また2009年にはユネスコの文化遺産にも登録されたそうです。
昭和村は奥会津にあります。
周囲を囲む1,000mを超える山々から流れ出る豊富な水に恵まれ、からむしの乾燥を防いで皮を剥ぎやすくし繊維を引き締めるための冷水が夏でも確保でき、高品質の青苧(あおそ)を生産することができるそうです。
世界では今から10,000年前頃には布が織られていたというのですから、すごい。
宿泊は村営温泉施設<しらかば荘>さん。
昭和村が2013年に村政86周年記念として行った昭和にかえろうキャンペーンで、知人が宿泊料3,000円割引に当たり誘ってくれました。
源泉の湯温が高過ぎて(61.5度)、この設備を通過させて冷やしているそうです。
温泉はナトリウム-塩化物温泉。
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・慢性皮膚病などに効くそうです。
隣地で、立替工事をしていました。
2014年7月から新村営温泉施設<しらかば荘>稼動の予定だそうです。
夕食。美味しかったです。
朝食も美味しかったし、温泉も温まりました。
からむし織の里。
織姫交流館。
マタタビ細工の実演がありました。
マタタビ細工・ヒロロ細工(奥会津の山野に自生するヒロロ別名ミヤマカンスゲという野草を乾燥させ縄をない、かごやバックなどの工芸品をつくる編み組み細工)の体験ができます。
長く深い雪に閉ざされる冬、囲炉裏の火を囲みながら、雨や雪から体を守る蓑・野草やきのこなど山の恵みを入れる背負いかごなどを編んできたそうです。
高機(たかはた)でのからむし織体験もできます。
地機(じばた)は、織り手が床に近い高さに座り経糸を織り手の腰に取り付け、張り具合を調節しながら織るものだそうです。
一反の布を織るのに長い時間と労力を要するそうです。
日本では紀元5世紀頃から使用されてきたそうです。
地機(じばた)に対し、枠に経糸を取り付けて織り手が腰をかけて織るものを高機(たかはた)というそうで、幕末頃に開発され飛躍的に能率が上がったたそうです。
それでもなお地機(じばた)が好まれるのは、織物の風合いに織る人の個性が表現できるためだとか。
ちなみに、越後上布・小千谷縮の重要無形文化財指定要件に<いざり機(いざりばた)=地機(じばた)で織ること>が含まれているそうです。
からむし工芸博物館の地機(じばた)。
ランチは<ファーマーズカフェ大芦家>さん。
ご店主は村役場を退職されてこのカフェをオープンされたそうです。
失礼ながらこんな鄙の地で都会的なカフェに会えるとは思っていませんでした。
からむしの苧引き(おびき)を簡単に体験させてもらいました。
本来は一昼夜ほど水に浸して芯と皮を手で剥ぎ分け皮から1枚ずつ繊維を取り出す作業のことだそうですが、ここではちょっと水に浸したからむしをポキッと折って剥ぎ分けるところだけ体験させてもらいました。
このポキッという音が心地よかった!
やわらかくて素手で扱っても手を傷めないのがわかりました。
小千谷縮の小千谷では、からむしの若葉を摘んで粉末にしたものを練りこんだ「青苧(あおそ)蕎麦」を生産しているそうです。
鉄分・カリウムはほうれん草の約3.5倍、ビタミンAはにんじんの1.6倍と非常に高い栄養価が有るそうです。
<からむし織の里>
福島県大沼郡昭和村大字佐倉上ノ原
0241-58-1655
09:30-17:00
12月~3月は月火休
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