虹の彼方に ~ over the rainbow ~

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『 楽屋 ~ 流れ去るものはやがてなつかしき ~ 』 TVで見た感想 前編の巻!

2009-10-20 11:18:32 | Yu Aoi


ご訪問してくださり、ありがとうございます


           


先日、 NHK 教育テレビの 「 芸術劇場 」 で、放送された、

『 楽屋 ~ 流れ去るものは やがてなつかしき ~ 』

という舞台作品を、見ました。


その感想を、書こうと思います


この作品の、スタッフ&キャストは …

劇作家   清水 邦夫 作

出演  小泉 今日子  蒼井 優

     村岡 希美   渡辺 えり  

演出  生瀬 勝久

美術  二村 周作

照明  小川 幾雄

音響  加藤 温

衣装デザイン  伊藤 佐智子

ヘアメイク  勇見 勝彦

演出助手  山崎 総司

舞台監督  瀧原 寿子

プロデューサー  北村 明子

提携  世田谷パブリックシアター

後援  世田谷区

企画 ・ 製作  シス ・ カンパニー


( 敬称略 )

以上の方々です。


【 ※ 以下、ネタばれありです! ご注意ください ※ 】




( はじめに、ロシア語による、ナレーションがあります )


「 ・・・日々のいのちの営みが ときに あなたを欺いたとて

  悲しみを 又 いきどおりを 抱かないで欲しい

  悲しい日々には 心をおだやかに 保てば

  きっと ふたたび よろこびの日が 訪れようから

  ・・・こころは いつも ゆくすえのなかに生きる

  いまあるものは すずろに 淋しい想いを 呼び

  ひとの世のなべてのものは 束の間に 流れ去る

  そして 流れ去るものは やがて なつかしいものへ・・・ 」


静かに、ささやかに、奏でられる、

美しい、ピアノの調べとともに、

この、ロシア語で、語られる言葉が、

まるで、啓示のように、心に、深く、沁み入ってきます。


登場人物  女優 A … 渡辺 えり さん

         女優 B … 小泉 今日子 さん

         女優 C … 村岡 希美 さん

         女優 D … 蒼井 優 さん


女優 A と B が、暗闇の中で、黙々と、化粧をしている姿が、

しだいに、浮かび上がってきます。


そこへ、女優 C が、舞台の衣裳を、身にまとい、

楽屋へ、入ってきます。


その楽屋には、女優 A と B と C の、3人がいるはずでしたが …


これから、ステージに立とうとしている、

「 かもめ 」 の、二ーナ役のベテラン女優 C の

舞台衣装の帽子を、女優 B が、踏んづけたところで、

C が、 B に、気付いていないことから、

女優 A と B が、 C には、見えていないことが、

わかりました。

つまり、女優 A と B は、この世に存在していない、

ということなのでしょう。

女優 A は、年配の女性で、古びた、茶色のガウンを着ていて、

額には、大きな、古い、傷跡があります。

女優 B は、中年の女性で、新しそうな、茶色のガウンを着ていて、

首には、包帯が、巻いてあって、血が滲んでいます。


女優 A と B は、 「 自分の永遠の役 」 について、

お互いに、懐かしむように、表現する姿が、

軽快なテンポで、笑いを誘います。

2人の間に、心のつながりが、できたかのように、思えましたが、

そのうち、お互いの過去に、触れると、

一気に、感情が、むき出しになって、ぶつかり合う様が、

すごく、リアルで、滑稽ですらあります。


その楽屋に、白い、ロングスカートのワンピースを着て、

長い黒髪の頭には、茶色のリボンがしてあり、

薄汚れた、白い枕を、大事そうに抱えながら、

年若い、女優 D が、そっと、入ってきます。


女優 B が、女優 D の近くに寄って、確かめるように、

眺めていると、 D は、 [ 固まりのあるもの ] のようです。

そして、 「 思いつめているよう・・・ 」 でした。

そう、女優 D には、女優 A と B が、見えていないのです。


女優 D が、枕を、大事に抱えながら、

舞台の中央に、立ち、観客に、投げかけるように、

語る言葉が、生き生きとした、感情が、みなぎっていて、

切ないほどに、胸を打たれます … 。


女優 D 「 私は 行くわ! ごきげんよう!!

       私が 大女優になったら 見にいらしてちょうだいね!

       約束してくださる?

       ( 誰もいない方へ、手をさしのべ、両手で握手している ) 」


     「 もう 夜が更けたわ  私 やっと立っている

       精も 根も 尽き果てて・・・ 何か 食べたいわ

       いえ! だめ!! 送ってこないでね 1人で行けるから

       トリゴーリに会っても 何も言わないでね

       私 あの人が好き! 前よりも もっと 愛しているくらい!

       コースチャ! 昔は 良かったわ・・・

       なんという 晴れやかな あたたかい 喜ばしい

       清らかな 生活だったんでしょ!

       やさしい すっきりした 花のような感情!

       覚えていらっしゃる?

       人も ライオンも 鷲も ライチョウも

       角を生やした鹿も ガチョウも 蜘蛛も

       水に住む 無言の魚も 海に住む ヒトデも

       人の目に 見えなかった 微生物も

       つまり・・・ いっさいの生きもの

       生きとし 生けるものは 

       悲しい めぐりを 終えて 消えうせた

       もう 何千年というもの 

       地球は ひとつとして 生きものを 乗せず

       あの あわれな 月だけが 

       むなしく 明かりを 灯している

       今は 牧場に 寝覚めの 鶴の 

       鳴く音 ( ね ) も 絶えた・・・

       菩提樹の林に コガネ虫の 訪れも ない・・・ 」


この言葉を、発する、女優 D の表情から、

生きる希望を、精いっぱい、抱いていながらも、

それは、虚構でしかないんだ、という現実も、

同時に、垣間見えてしまうようで、

それが、痛いほど、伝わってきて …

涙が、とめどもなく、溢れてきました。


場面は、変わりまして …


「 かもめ 」 の二ーナ役を、演じている、ベテラン主演女優 C 。

彼女のプロンプターだった、女優 D は、病気で入院していたのです。

大事に抱えていた枕を、女優 C に、さし出しながら、

女優 D  「 二ーナの役を 返してください 」

女優 C  「 あなたに まだ 二ーナの役が つくわけないでしょ! 」


女優 C と D の会話を、聞いてしまっていた、

女優 A と B が、話に、聞き耳を立てるあまり、

化粧が … 女優 A は、つながった眉毛になったり、

女優 B は、口紅が、鼻血になってしまっているのが、

おかしかったです ( 笑 )。

とても、コミカルで、愛すべきコンビですね。


「 ( 芝居の作者 ) チェーホフに 電話した 」 などと言う、

女優 D の言動が、おかしいことに、驚きの反応を示す、

女優 C 、 A と B の、リアクションが、おもしろいです ( 爆 )!


必死になって、女優 C が、

「 二ーナの役は 手放さない! 」 そして、

「 女優という 残酷な職業を 百も承知で 選んだの! 」

と D にぶちまけると、

女優 D  「 やっぱり 疲れてるんです 予約してあるんです

        病室! 」

と、 C の耳元で、ささやきますが … 。


女優 C 、 A と B のやりとり、細かい動きや表情が、

めちゃくちゃ、おもしろいです ( 笑 )。


女優 C と D との、やりとりの中で、アクシデントが、起こります。


女優 C の、独白の場面は、すごく、リアルに響いて、

息が、苦しくなるほど、胸を打たれました … 。


そこへ、女優 D が、再び、やって来て、

女優 C に、近づきますが、

C には、 D の姿が、見えていないようです。


衣装を、着替えて、女優 C が、楽屋から、出ていくところで、

ふり返りざまに、あたりを、ゆっくりと見まわしながら、


「 主よ 願わくば 

  すべての よるべなき さすらい人を 助けたまえ! 」


と、魂の底からの、叫びのように、力強く、

言った言葉が、心に、深く残りました 。 。 。




 




           


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読んでくださり、ありがとうございます

この続きは、また次回に。。。


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