虹の彼方に ~ over the rainbow ~

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映画 『 それでもボクはやってない 』

2008-10-07 01:17:17 | Jo Odagiri / Ryo Kase


ご訪問してくださり、ありがとうございます
 
    
周防正行監督作品の映画 『 それでもボクはやってない 』

( ↑ 上の画像は、この映画の DVD の特別版ジャケットです )

を、DVDレンタルして、家で、見ました。

主人公は、金子 徹平、という、仕事を探して、面接に向かう、

「ごく普通」の26歳の青年で、俳優の加瀬 亮さんが、演じています。


徹平が、会社の面接に向かう、朝のラッシュアワーの時間帯に、

その日、たまたま、遅刻してしまい、時間がないため、

超満員の電車に、車掌に押し込まれて、乗らざるをえなかった、

彼は、車内で、偶然、彼の前にいた、女子学生に、痴漢の犯人と

思われて、駅員に「話は、こちらで聞きますから」と、言われる

がまま、連れて行かれ…。駅員は、目撃者の女性が、名乗り出てきた、

のを、追い返し、警察へ通報した…。


この映画を、見終わって、感じたことは、

「これは、老若男女、誰にでも起こりうることだ」ということ。

事件の内容に、関わらず、起訴する側と、される側の、人間がいて、

裁判になり、そこで、「人が、人を裁く」という行為が、行われて

いるのです。


それまで、一市民として、普通に暮らしていた人が、

ある日、突然にして、加害者にされてしまったり、

あるいは、被害者となってしまう、という、

「どちらの立場にもなる可能性」が、誰にでも、あるのではないでしょうか。


『 こ れ が、 裁 判 。』

という、見出しが、書かれた、この映画のポスターを、見ました。


「裁判」のシーンが出てくる映画を、いくつか、見たことが、

あります。最近だと、西川美和監督作品の映画 『 ゆれる 』

(オダギリジョーさん主演、香川照之さん共演)、

昔では、ブライアン・デ・パルマ監督の'87年のアメリカ映画

『 アンタッチャブル 』(ケビン・コスナー主演、ショーン・コネリー、

アンディ・ガルシア、ロバート・デ・ニーロ共演)、

ジョナサン・カプラン監督の'88年のアメリカ映画 『 告発の行方 』

(ジョディ・フォスター主演、ケリー・マクギリス共演)

などです。


しかし、この映画は、「ごく普通」の一青年が、主人公で、

裁判にいたるまで、と、裁判でのやり取りが、

とても、リアルに描かれていて、違和感がなく、

「これが、もし、自分の身に起きたら、どうしよう…」

と、身近に考えることができました。


主人公の徹平の、その目や、表情から、震えが起こるほどの怒り、

が伝わってきて、その凄まじさに、身が凍っていくようで、

身動きがとれずにいました…。


「証言台」に立つ人々が、同じことについて、証言するにしても、

その「言葉の言い方」によって、翻弄されてしまい、事実を伝えることが、

だんだん、曖昧になっていく様を、見ていて、すごく考えさせられました。

人間の記憶とは、曖昧なものである、ということを…。


明らかな物証がない場合、裁判は、人間の記憶に、頼らざるを得ない

のです。どちらが、事実を述べているか、嘘をついているのか…。


この映画 『それでもボクはやってない』を見て、あらためて思ったのは、

「裁判」という、実は、とても、身近なテーマを扱っているけれど、

そのことについて、ほとんどの一般市民(自分も含めた)が、

何も知らないであろうことに、気が付き、驚いたのと、同時に、

怖さを、感じました…。




映画 『 それでもボクはやってない 』公式ホームページです。




主人公の、金子徹平という青年役の、加瀬 亮さんの、

「ごく普通」の青年が、その物事に対して、普通に感じるであろう

ことを、違和感なく、しぜん体で、演じていて、

どこにでもいそうな青年、でありながらも、必死で訴えている、

その目の力強さに、とてつもない表現力を、垣間見たのです!

必死で、相手を、そして、自分を、“信じる気持ち”を、

失わずにいて、その、すべてに、正直である姿勢に、

痛々しいまでの、感覚を、覚えました。


主任弁護人 荒川(元裁判官で、今は小さな法律事務所を開く)役の、

役所広司さんの、説得力のある、その存在感と、真摯な姿勢に、

“ひとすじの希望”を、感じました。


新人弁護士 須藤役の、瀬戸朝香さんの、しだいに、この裁判の

「焦点」に気が付いていき、果敢に取り組んでいく、勇気ある姿勢に、

その力強い「宣言」に、“正義”を見ました。


当番弁護士役の田中哲司さん、裁判官役の小日向文世さん、

検察官役の尾美としのりさん、刑事 山田役の大森南朋さん、

留置場の男役の本田博太郎さん、冤罪事件の当事者 佐田役の

光石 研さん、徹平の母役のもたいまさこさん、という、

その個性の光る、俳優さんたちが、この映画の、それぞれの“脇”を、

しっかりと固めていて、すごくリアルで、その迫力に、圧倒されました。


「人が、人を裁く」という、ひとりの人間の一生を、変えてしまう、

重大な行為を行っている、「裁判」について、もっと、皆が

関心を持ち、身近なこととして、考えていかなければならない

と思います。




2009年5月21日より、市民が、刑事裁判に参加する、

「裁判員制度」が、はじまります。


日本弁護士連合会の、「裁判員制度」について




読んでくださり、ありがとうです

それでは、また。。。


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