鉄腕アチョ

先天性心疾患の長男(2003年4月7日生)の闘病と成長日記

手術当日

2006年11月16日 21時55分02秒 | 心臓病
10月24日・火曜日AM8時。
いよいよアチョの手術が行われる時間になりました。気管切開の手術も含めると、これが3度目の手術です。

私・カミさんと、立ち会うために前日から静岡に泊りがけで来ている私の両親が見守る中、アチョが移動式ベッドで手術室の中に搬送されていきました。

その後手術室のすぐ脇の部屋に案内され、主・執刀医のS先生からご説明をいただきました。

麻酔の先生がアチョを眠らせるまでは手術が始められないので、その時間に家族に説明をするということでしょう。

診断は、
「完全大血管転移症Ⅱ型(心室中隔欠損を含む)」
「大動脈縮窄症(前回手術後に出た症状)」
「肺動脈banding(前回手術)」
「気管軟化症」
「左肺動脈閉塞」
の5つ。

根治手術をするには大動脈・肺動脈を入れ替えるスイッチ手術が必要ですが、アチョは「左肺動脈の閉塞」によって「右の肺高血圧」がかなり進行しているので、スイッチしてしまうと肺の血流が詰まって逆にすぐ危険な状態になってしまうため、根治手術ができない状態。これは、埼玉のかかりつけの病院でも散々聞かされてきた内容です。

S先生がおっしゃるには今回の手術は目的が「肺高血圧のコントロール」であるとおっしゃいました。
具体的には心臓そのものの手術ではなく、「肺動脈形成術」を行う予定とのことでした。

今回の手術の問題として、なぜ肺動脈が閉塞したのか原因がはっきりわからないことが挙げられます。レントゲンやエコー検査などでは左肺動脈が存在するかどうかもわからず、なので手術の計画が事前に立てられず、開胸してから判断するという非常に危険かつ難しい手術になりますと聞かされておりました。

ですが、S先生は前日の所見でどうやら当たりをつけられたようで、予測として「一回目手術で施されたバンディング(肺動脈を締め付けて血圧を下げる目的で実施されていました)が位置がズレて、左肺動脈の根元をふさいでしまったのではないか」ということでした。
位置ズレだとするとさらに右肺高血圧の抑制効果も無くなってしまっていると考えられ、よってバンディングの掛け直しを行う、それもかなりキツく締めて、血流自体を少なくすることにより血圧も下げてしまう、ということです。

さらに、左肺動脈に4~5mmのシャント(人工血管)をつなげてバイパスをつくり、バンディングで減った血流を補助させる。

以上のことをおこなって、「左肺動脈の成長」「右の肺高血圧の軽減」ができれば、「次」へ進める可能性が開ける。すなわち、根治手術ができるようになるかもしれない、ということでした。

・・・大体このような内容のお話をし、S先生は手術室に入っていきました。

つづく。

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