けつかゑひ こひはなきつや てふよいよ ふてやつきなは ひこひゑかつけ
月下酔ひ 鯉花(恋話)喫や蝶宵よ 筆や尽きなば緋鯉笑が告げ
月下酔ひ 鯉花(恋話)喫や蝶宵よ 筆や尽きなば緋鯉笑が告げ
おぼえがき:
「喫」は堪能する、とか満喫するとかの意味合いで当てました。酒に酔い花月蝶に鯉(恋)を堪能し筆も尽きた=素晴らしさを表す言葉も無い。それを聞いていた池の緋鯉が笑ってなにやら告げた。「緋鯉」も池の鯉に掛けた傍に居る恋人の意味合いが重なって。胸一杯で句も首も出てこない。その様子に彼女が微笑でなにやら告げた、という緋色の口の紅から漏れた微笑みまでこれでもかと、風情な歌になりました。
これは、歌集に入れる歌が足りない事が分かり今年5月のある日大慌てで締め切りに追われ徹夜で作ったうちの一つです。一晩で10個くらい出来、やればできるじゃないかとひとまずの体裁がととのった事に安堵したのですが、人間は締め切りや終わりや寿命があるからなにかするし動くのだなと改めて実感したのでした。笑
5月はコロナまっさかりでこのような歌を出す空気ではないなと思いいつか観ていただきたいなと思っていたのですがいつのまにか秋になってました。またこのタイミングを外すともう生活に追われて歌どころの世界ではなくなっている可能性もあるので。こんな言葉遊び歌を楽しめる世界がずっと続く事を祈りながら置きます。