Amadeus

クラシック音楽の紹介、評論

らららクラシック

2018-12-15 06:34:31 | 日記

自由奔放なドビュッシー

次々と型破りな音楽を生み出した作曲家ドビュッシー。そんなドビュッシーの女性関係も、彼の音楽と同じくらい自由奔放なものでした。
しかし、バルダック夫人とのW不倫という許されざる恋の中で見出した喜びが、ドビュッシーの創作意欲を掻き立て、名曲「喜びの島」を生み出したのです。

児玉さんが語る「喜びの島」

ドビュッシーらしい技巧が凝らされたこの作品。様々な色彩で彩られた数々のメロディには恋する喜びが描かれています。
児玉さんは、何度か登場する印象的なモチーフに注目し、登場するたびに変化するモチーフの伴奏に、喜びの大きさが表現されるといいます。静かにわき上がる喜び、爆発する喜びなど、次々に移り変わる感情がまざまざと浮かび上がります。

リストとショパン

20歳のリストと21歳のショパンが出会ったのは1830年代パリ。まさにピアノの歴史を変えた運命の出会いでした。リストは内面へ向かう詩的な叙情性を持つショパンの練習曲に衝撃を受けた一方、ショパンはパリの人々を虜にする華やかな超絶技巧を見せ場とするリストの作品に魅了されました。
異なる個性を持つ2人は互いに才能を認め合い、それぞれの音楽はさらなる高みへと導かれていったのです。

ショパンへのオマージュ:リストの「愛の夢」

後に友情は崩れ、決別してしまった二人。しかしショパンの早すぎる訃報を聞いたリストはショパンの音楽を改めて見つめ、その功績を弟子にも教えました。そして自分自身でもショパンを意識したような細やかで繊細な作品を作るようになったのです。
リストの曲の中でももっとも人気のある「愛の夢」に、清塚さんはショパンの影を見いだします。弾き手のニュアンスを最大限に重視する曲想、冒頭の愛にあふれたメロディ、そして技巧的なカデンツァ、リストが受けたショパンの影響があちこちに感じられる、と清塚さんは言います。

 

ドビュッシーは一生一緒にいたい作曲家です。
児玉桃(ピアニスト)

児玉桃(ピアニスト)

 

パリを拠点に国際的に活躍するピアニスト。
幅広いレパートリーと豊かな表現力を持ち、世界のトップオーケストラとの共演を重ねている。

これだけの才能を同じような年で同じ場所で持っていること自体が奇跡
清塚信也(ピアニスト)

清塚信也(ピアニスト)

 

クラシック・ピアニストの枠にとどまらず、作編曲家、さらには俳優としても活躍中。

 

「“前奏曲集第1巻”から“亜麻色の髪の乙女”」「喜びの島」ドビュッシー児玉 桃(ピアノ)
「“3つの夜想曲 愛の夢”から第3番」リスト清塚 信也(ピアノ)