雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

原発の本 高木仁三郎さん著『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書、2000年

2012年03月03日 05時28分32秒 | 原発を考える1

原発の本 高木仁三郎さん著『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書、2000年

 高木仁三郎(じんざぶろう)さんは、知らない人は「もぐり」だというくらい「反原発」「脱原発」「原発ゼロ」(これらの言い方の「違い」、区別がつきますか?区別がわかっても意味ないですけど。ぼくは、すべて賛成です)の先駆者です。

 1961年に東大理学部化学科を核化学を専攻して卒業、日本原子力事業に入社しますが、1965年に退社、東大原子核研究所や東京都立大で研究者となります。

 高木さんは1973年に東京都立大を退職して、1975年に設立された「原子力情報資料室」の専従世話人となり「市民科学者」への道を歩み始めます。

 生涯をかけて原発問題に取り組み、2000年10月8日に大腸ガンで死去されました。

 この本『原発事故はなぜくりかえすのか』は、死去の二ヶ月後、12月20日に発行されました。

 「はじめに」で書かれているように、「1999年9月30日に茨城県東海村のJCO社のウラン加工施設の再転換工程において」おこった「臨界事故」「青い閃光」をきっかけに書かれました。

 たぶん、高木さんの最後の1冊だろうと思います。「遺言」?、そういう受け止めでも、間違いはないと感じる本です。

 「反原発」「脱原発」「原発ゼロ」など、原発反対のみなさんには必読の文献の一つだと思います。

 内容を明示するために、以下、本の目次を書き出します。 

  1、 議論なし、批判なし、思想なし
  2、 押しつけられた運命共同体
  3、 放射能を知らない原子力屋さん
  4、 個人のなかに見る「公」のなさ
  5、 自己検証のなさ
  6、 隠蔽から改竄へ
  7、 技術者像の変貌
  8、 技術の向かうべきところ

 目次に見えるように、高木さんは現状(絶望)と批判・未来(希望)とをワンセットとして叙述しています。

 2000年に出版された、この本の中で明確に「原子力村」という単語が使われています。

 「原子力村」という単語を使ったのは、高木さんが最初でしょうか?それとも先駆者がいたのでしょうか?

 いずれにしろ、原発ノーの立場の方には、これらの新書や文庫の高木仁三郎作品群は、必読ですね。

 収入に余裕のある方は、七つ森書館から発行された『高木仁三郎著作集』、全12巻、2004年発行、定価7万8千円、がおすすめです。ボクは年間収入200万円以下の「貧乏」階級ですので、購入できません。

 収入に余裕のない方は、住んでいる自治体の図書館で「読みたい」と請求してみてください。


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