陽だまりのねごと

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平穏死のすすめ  石飛幸三

2010-08-27 04:23:41 | 
早寝をしたら早く目覚め過ぎ^^;
↓読みかけを読んでしまった…以下、忘れっぽいから忘記録。

「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか
石飛 幸三
講談社


副題が「口から食べられなくなったらどうしますか」
最近の病院で食べれなくなったら即、胃ろう(胃に直接栄養を入れる管が入る穴)。

  飲み込みが難しくなったら介護もむつかしい。
  食事介助が手っ取り早い、誤嚥性肺炎も起こさない。

良い事ずくしみたいな説明を受けるらしい。
本人はもう決断力も失せているから家族に説明と同意が医師から求められる。

  もう医療的治療もありません。
  食べれないは死です。

と、付け加えられ
これしかないのか?死の決断は…家族は苦悩の末にOKする。
そして、
寝たきりで管から栄養だけが注がれて命長らえる。
著者は外科医で命を助けて生きた立場から特別養護老人ホームの配置医になってこういう人々に遭遇。
はじめて見た光景のシーンの文章を一部抜粋する。

   かつて私が手術して命を助けた方々と同年輩の方々の変わり果てた姿でした。(中略)
   人間はこうまでして生きなければいけないのか。これまで幾多の試練に耐え、乗り越えてきた人生、
   その果てにまたこのような試練に耐えなければならないとは…

医師の目からの切り口で
この経管栄養が必ずしも良い事ずくめではない事、
むしろ、衰弱してゆく体に無理をさせていることを説いている。

人はいつか死ぬ。必ず死ぬ。
老衰で栄養も水分も欲しなくなる枯れてゆく姿が自然なことでないかと本書は言う。
死期の迫った高僧は水だけ置いた箱舟で流されて仏になるそうな。
三宅島では
 「最後は水だけ与える。そうすれば精神が落ち着き自然に戻る」
言い伝えがあるそう。
臨終に医師が望めない環境がそう言う知恵をはぐくんだのかもしれない。

夫は緩和ケア病棟で亡くなった。
体に付いていた管は最後はわずかな水分だけだった。
痛みを和らげるモルヒネもなかった。
数日前にわずか口にしたシャーベットから後は私が口を湿らせていた。
呼吸が次第に間隔が遠く長くなって止まってしまった。
最後の息は吸い込んだものだったのか吐き出したものだったのか?
次の息がいつまで待っても来ないから私がナースコールを押した。
思えば自然体のお別れだった。
あの時、夫の体に栄養が入らないことは
夫が欲していないことだからそうなんだと違和感もなかった。

夫と同年齢50代で亡くなった父場合、
脳腫瘍術後意識が戻らず、多量の胆汁を鼻から口から吐き出し、
心電図計がフラットになり、深夜の事、当番医が呼ばれた。
胸をはだけ幾度も電気ショックを与えられた後、臨終が告げたれた。

食べなくなった人に生命の危機だからと無理に管で栄養を採らせる事は是か非か?
無理に蘇生する必要がない場合の蘇生術は必要か否か?

安らかな看取りの中で誰しも最後を迎えたいと思う。
尊厳死とはよく聞くが、題名の「平穏死」に私は惹かれてこの本を手にした。

猫と人比べるのは如何なものかと思うが、
口内炎で食べなくなった猫に完全抜歯から注射の意味も分からないのに毎日点滴をした。
止めてれば死と分かって飼い主の私が猫に無理を強いた。
最後の夕、もう止めよう、かわいそうだと点滴に連れてゆかなった。
その夜、命が消えた。苦しそうだった。
私は腕に抱いて抱きしめて別れの時を「ごめん早く楽になって」と、待った。
あれから2年。最後のふぃんふぃんの感覚がまだ腕から消えない。

本の感想というより回想になったみたい。あぁ~ちゃらんぽらん。二度寝します

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
理想的な死に方かも・・ (マーマレード)
2010-08-27 13:10:23
平穏死
私は初めて耳にする言葉ですけれど
これこそ理想的な死に方・・と
大納得です!

ムリヤリ生かされているのは
あまりにも悲し過ぎます。

みかんさんのご主人様との最期の瞬間
ドラマチックで心打たれます。

お仕事柄、最近は特にご多忙の様子ですが
ご自愛くださいねっ。
返信する
叔母 (俊介)
2010-08-27 15:01:31
叔母を(母の妹)を7年間看ました。
最後はやはり誤嚥から胃ろうを勧められ
子が無い叔母のこと私が決断を・・・
病名はパーキンソン病でした。
>人間はこうまでして生きなければいけないのか
ほんとうにそう思います。
叔母は胃ろう後半年で他界しました。
私の判断は果たして正しかったのか今でも自分に問うております。
返信する
延命は疑問 (まさやん)
2010-08-28 03:19:45
考えさせられます。体中にチューブを纏って
まで生きたくはないと思っています。食欲の
なくなった母は高カロリーの栄養剤を胃の中に
流し込まれ高血糖になり死にました。それが
直接の死因ではないかも知れませんが過剰
医療行為ではなかったのかと今でも思って
います。延命は疑問です。
返信する
やはり多い胃ろう (みかん)
2010-08-28 07:18:38
俊介さんの叔母様、まさやんさんのお母さんもそうなんですね。
私は尊厳死協会の会員証を携帯しているんですが、その意志が尊重されない事もあるとか…
施療にあたる医師本人は、自分自身はそうまでして生きたいのか?
最近、本当に簡単に胃ろうにされるんですよ。
介護が楽、栄養が簡単に採れる。
胃に穴でなくても
エンシュアを病院から貰って飲まされて
命を繋いでいる人…
ひと昔前ならお亡くなりになっていたかと思います。
医学の進歩、栄養食品の進歩…これは人間の幸せをもたらしているんでしょうか?
他人事でなく自分のこの先を心配している今日この頃です。

マーマレードさん
夫は早かったけれど、人らしい見送りができました。送った方の私…ひとりでどうなるんでしょ???
返信する
あった!あった! (伽羅)
2010-09-06 22:57:35
みかんさん家で見てからというもの・・・この本が気になって仕方ない。
読みたい・・・読みたいのと呪文のように唱え本屋さんへと
行きました。

まだ半分ほど読み進んだところですが
考えさせられること・・・
目の前で見てきた現実・・・
思うこといろいろあります。

悪性黒色腫と診断され、見つかった時点ですでにリンパ節への
転移があった母。
余命一年か・・・それより早いかもしれない。
がんセンターの主治医から説明を受けたけれどその言葉を
裏切るように4年間・・・

最期は緩和ケア病棟で・・・苦痛を取り除くための
薬の副作用で2週間ほど言葉も交わすことなく眠り続けて
そのまま・・・
鎮痛剤の使用を選択したのは母の苦痛を除くためだったのか
母らしさを失っていく母を見たくなかったからなのか
本当のところはどうだったのだろう?

食べることが大好きだった母。
窒息するかもしれない事を覚悟の上で、最後に食べさせた
栗のお餅。
「美味しい」と笑顔だった。
幸か不幸か・・・看護師として余計な知恵も経験もあり
緩和ケア病棟に入ってからは、最低限必要な輸液量にしてもらい
「ベッドの上で溺れる」ことは避けられた。

娘と2人・・・出来る限りのことはしたと思いたい。
でも、本当はどうなんだろう?
今も自問自答。

話が逸れました・・・
「娘にどうして欲しいか、元気な間に残しておかなければ」
娘が迷わないように・・・悩まないように・・・
書き残しておかなければならないことをこの本は
教えてくれたように思います。
返信する
あぁ~ (みかん)
2010-09-07 04:19:58
伽羅さん

お母さまで経験済みなんですね。
「栗のお餅」喜ばれたでしょうね。
どうせたくさんは食べられない。
体がもう受け付けない。
でも食べてみたい気持ちに応じてあげたいですよね。

父と同じ病室に子供さんが居られました。
病気は同じ脳腫瘍。
プリンを毎日お母さんが買い替えてはビニール袋に入れて持たされていました。
食べたい食べられない…なんとも辛い光景でした。

自宅死を望まれる人が増えています。
ケアマネは病院と本人と在宅医療の間で右往左往しています。
その人らしい死に現時点で医療がついてきていません。
そういう意味でも伽羅さんのお仕事、在宅診療は貴重です。

つらいお話のコメント、ありがとうございました。
返信する
ドキュメンタリー動画 (クレアト)
2012-07-06 19:02:30
こちらで、石飛先生の平穏死に関するドキュメンタリーがご覧いただけます。本日リリースされました。

http://www.youtube.com/watch?v=UPoULjrjzMA

http://creato-future.com/
返信する
Unknown (みかん)
2012-07-06 19:56:00
お知らせありがとうございます。
『ほっとけ俺の人生だ』
そう言いたくて言えない人の気持ちを考えたいですね。
返信する

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