陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

胃瘻の人

2010-10-29 06:16:12 | Weblog
去年までは自宅で
デイサービスには行きたくない、家が良いと言われていた。
ヘルパーは家族がノーだった。
家族介護が至れり尽くせり。他人の世話では痒いところに手が届かない。
入退院を繰り返し、帰って来られると私にお声がかかった。
1ヶ月も経たない内にまた入院。
最後は誤嚥性肺炎だった。
何度か出た胃瘻造設が本決まりとなり、
その後、医療的処置は終わったと告げられ、
今後の介護について家族内で意見が真っ二つに割れた。
病棟から家族の要請があったとケアマネの私が呼ばれた。
お帰りになってから事は私と相談で、決まらない事へ口出しはできない。

ついに医療療養型病院へ入所が決まった。
あれだけ好きだった家に帰れない。

ご家族がポツンと言われた。
「胃瘻にしたらもう歩けないの?」
出来たら最後まで看たかった人の言葉だ。
私の少ない経験では、しっかり歩いておられる方を知らない。
「さぁ?どうなんでしょう?」
と答えるのみ。
ご家族も、もう分からない状態になられた。
私の事などまったく記憶されてはいない。
栄養を胃に直に取り込んで、元気になってもらおうとした結果の今なのだ。

あの日から立つこともなく、
記憶もだんだん薄れ、家族すら判別出来なくなるのに時間はかからなかった。
毎日病院付き添いに通われたご家族にも疲労の色は濃かった。
移る病院は人里離れた所に位置する。
今度はたまに顔を見に行くとの話だった。
おそらく命尽きる日までお帰りはない。

食べられなくなったら、飲み込みが難しくなったら胃瘻の話が普通に出てくる。
現在国内で30万人(日本尊厳死協会パンフより)とも言われる。
家でごく自然に逝くという選択がなかなかむつかしい。

    草朽ちるように
    木朽ちるように
    土に還り
    風に浚われ
    痕跡もなきように
    
私の願望です。

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2 コメント

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延命治療 (我太郎)
2010-10-29 22:29:12
読んでて涙が出てきました
義母が椅子から落ちて骨折し、色々有って結局胃瘻ということになりました
里は高知ゆえ電話でやり取りしただけでした
おん歳95歳になり寝たきりで1年になりました
家に帰りたいと言われて、義妹が退院を申し出たら医療行為になるので、それはまかりならぬということだったようです
見舞いに帰ってえらいことになったと後悔しました
食べる楽しみも無く、行きたい所にも行けず、ベットで死を待つだけの日々に何の意味があるのかなと思います
他人さんだから言えることなのかな

>私の願望です

そうありたいです
家に (みかん)
2010-10-30 06:10:00
胃瘻の方も介護保険サービスを使って自宅に居られます。
ただ家族の方の介護力も必要になってきます。
大抵、その介護力もご高齢持病持ち…

いつか必ず死ぬ、より良い死という視点が
介護にも医療にも欠落している気がします。

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