Scarving 1979 : Always Look on the Bright Side of Life

1979年生な視点でちょっと明るく世の中を見てみようかと思います。

佐藤江梨子『気遣い喫茶』に気付くこと

2004年06月06日 21時25分42秒 | 雑談
キューティーハニー』以来、どういうわけか、
サトエリさん自身に興味が沸いているわけです。

いえいえサトエリさんへの興味自体なんてのはもっと前に遡り、
もう4年半くらい前になるでしょうか。

今の会社に入社する前の内定時代に、
会社の創立記念祝賀パーティーなるものに、
サトエリさんがゲスト司会者としてきていて、
その場にいた私は、間近で接した機会があったのです。

それ以来、なんとなく気になる存在で、
昨今の活躍ぶりなんてのは、目を細めて見ているわけです。

あの子がこんなに大きくなっちゃってねぇ、
という親戚気分な感じで。

サトエリさんの立場から考えれば知ったこっちゃない話で、
私もその通りだ思うわけですが。。。

そんな親戚気分なので、各所で評判な『気遣い喫茶』という著書を読んで、
サトエリさんの考え方、表現手法というものを知りたい気分でした。

言うなれば、友達のblog日記を読むような気持ちで。

なんとも前置きが長いですが、
私が自分意思で本を読むなんてのは恐ろしく稀なことなので、
自分なりに状況説明しておきたいのです。はい。

ということで、実家から横浜駅に向かう電車内での時間繋ぎに、
『気遣い喫茶』を読んでみました。


(amazonさんにリンクしてます。)


本の表紙からも伝わる通り、普通に字だけの読む本です。
いわゆるタレント本っぽくない気がします。

この本は、3部構成になっていて、
1部が抽象的な散文詩、
2部が具体的な恋の散文詩というかエッセイというか、
3部が身の回りで起きたお話の短編小説というかエッセイというか、
となっております。

文学知識がないので、
この辺の正しい分類は知りません。ごめんなさい。

さてさて、電車の座席に座るなり、読み始めたのですが、
今までの人生で読んだ本の数は両手で数えられるとか、
最初の3ページを読むとすぐに最後読んで読み終えるとか、
どんなに頑張っても文庫本1冊読むのに1ヶ月かかるとか、
嘘か本当か、本に対しては酷い逸話に絶えない私なわけです。

しかし、この作品については佐倉駅から錦糸町駅までの間、
全く飽きることなく、本の世界に集中して、
約1時間半くらいで読み切ることが出来ました。

この読みやすさは素晴らしいです。
なんのメンドウさもなく言葉が体に入ってきます。

本が苦手で集中力が持続できない私にとって、
これは最高の褒め言葉です。

読めない人が読めるという事実は、
この本にとって、きっと揺ぎ無い評価に繋がることでしょう。

逆に、そんな私なので文学の評価なんかしてはいけないのですが、
本を読んだ中で、思ったことを書きたい気分です。

昔からの手法で表現する場合、ホップ・ステップ・ジャンプと、
順番にお話は飛躍させるものだと思います。

この作品では、ホップ・ステップどころか助走もなく、
つま先で地面をトンとついて靴を直した後には、
もう飛躍しています。そして、すぐに戻ってきます。

自由奔放に、でも決して散乱することなく、
関連あるなしが、どこか遠くで繋がりながら、
引き出しの開け閉めをしています。

それが上手いか下手かは、
私は評価できるほど本を読んでないのでわかりませんが、
かなり独特で、あからさまに本人の文章だと思わされます。

現在20代な私達の世代が、尖った感性を持ったまま、
ものを表現する立場になったら、こうなるんだろうな、
という、お手本のような作品だと思います。

私達の世代は、ABの後Cが来るのを知っているので、
ACとしてしまってもいいですし、AEといってもいいかもしれません。
そのくらいの飛びに耐えられ得る、頭の構造が出来ていると思います。

文学の世界は知りませんが、映像の世界だと、
今までの世の中の流れから、30代中盤くらいになってようやく、
若手の台頭とか言って主流になる傾向があるような気がするので、
あと5年か10年したら、こういう表現が、
文だけでなく映像としても世に出回るのでしょうか。

それはそれで楽しみな気はします。

お話を戻しまして、サトエリさんが書いている内容は、
身近で起きた些細なことや日々思うことが中心です。

ひとつひとつの話題は、特に飛び抜けているわけではなく、
私達の周りでも普通に起こり得ることであり、
例えば、親に対する愛情は誰にも共通するものでしょうし、
男を見る視点なんていうのは、女性にとっては共感でき、
男にとっては、少しの驚きを感じられることでしょう。

そんな普通のことを、
普通ではない飛び抜けた言葉で表現していくからこそ、
なにか引っ掛かるものがあるのです。

音楽でいえば、ひねくれPOPのような、
主旋律は心地良くてノレるけど、
その裏にある旋律が、なんだかわからないけどスゴイな、という。

それが押しつけがましくも、ネタっぽくもなく、
普通に語りかけてくるので、嫌な気はしません。

友達の飾り気ない、本音のblog日記を読んでいる気分です。

全体を通して、サトエリさんという人は、
面白く読みやすい文章表現で想いを伝えられる、
とても文化系な人でありながら、
根は一般人で、単に職業が芸能人ってだけなんだな、
という印象を持ちました。

サトエリさんの感性に興味がある方、
友達のblog日記を読むような感覚でこの作品を読んでみると、
そこに少しの驚きがあるかと思います。

評判からすると、きっと文学知ってれば知ってるほど、
なにか思うとこがありそうな気がします。

私のような文学知らない方も、とても読みやすいので、
一度、読んでみてはいかがでしょうか。

じゃっ!

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