Scarving 1979 : Always Look on the Bright Side of Life

1979年生な視点でちょっと明るく世の中を見てみようかと思います。

映画生感想『キューティーハニー』

2004年05月30日 03時14分52秒 | 映画
1分間スピーチにある通り、
友達と映画を2作連続で観たのですが、
まず1本目は『キューティーハニー』なわけです。

鑑賞前、心躍るくらい楽しみにしていた映画なのですが、
感想を一言で言えば、「アニメの実写化」という言葉が、
これほど正しく使える映画は他にない気がしました。

というのも、大抵の作品ではアニメを実写化する際、
アニメの設定やキャラを生かしつつも、
実写用に映画内容をしっかり組み立て直すものだと思います。

しかし、この『キューティーハニー』さんについては、
アニメそのものな物語、カット割、キャラを、
堂々と、でもなぜかどこか手を抜いて表現しています。

なので物語よりもキャラ描写の方が重要っぽい感じなんですけど、
キャラに厚みや生活感がなく、誰の演技も軽い半笑いなノリで、
実写でひたすらアニメっぽい心の入らない演技をさせて、
でも妙に下地の設定っぽいところにこだわっています。

カット割はアップだらけで、
実写映画では撮らないような撮り方が多かったでしたし。

これぞアニメとテレビで育った、
日本の無気力世代がつくったおフザケ映画、
という感じです。

もうひとつ言えば、
商業作品で内輪ウケの同人作品つくっても許されるんだ、
という感じでもあります。

たとえ、どんなに酷評されても、
「おフザケなんだからいいじゃん」の一言で、
しれっと逃げ切りそうです。

真剣でないことを笑う、
この辺のしたたかさが無気力世代の象徴な気がします。

でも私は、商業作品であるという理由もありますが、
バカ映画は熱意が伝わるくらい真剣に制作してこそと思うので、
実はこの無気力雰囲気に、そんなにノれなかったりします。

笑いの感性は、やはり人それぞれ違っていて、
ハニーさんと私とは微妙にズレまくってしまっているだけなので、
ピッタリ合う人は合うと思うんですけどね。

私の笑いはもちっと違うとこにありました。残念です。

ただ、ハリウッド映画は、お金をかけて真剣な演技で、
こうしたノリ重視のバカ映画をつくってしまいますけど、
お金をかけられない邦画がバカ映画撮る場合、
真剣にならない半笑いな演技とでおフザケに逃げるしかないのか、
と、まざまざと思わされました。

私的には堂々と胸を張って戦って欲しいのですが、
邦画は亜流を攻めないと予算の関係上、
どうしても勝てないですから、辛いですよね。。。

さて、肝心の物語自身は、
大きく転がることもなく、明るく軽くコロコロ転がり続けて、
たまに意味なくサトエリさんのイメージビデオ化しつつ、
最後のクライマックスだけ途中の伏線を使ったりして綺麗に締める、
という感じです。

なので途中、お話が流れていくとき、
観ててツライ部分がある人もいると思います。

けれど、おふざけから生まれた、とても日本のアニメっぽい、
及川光博演じるブラック・クローの登場シーンや、
堅物婦警さんの一連の成長、軟化のくだりは良いです。
後者はハニー自身よりもしっかりドラマしてます。

ハニーは、アンドロイドという設定上か、
世間と浮き過ぎてて感情移入できませんからね。

その分、サトエリさんの、おしゃれでおしゃまな、
お着替えがたくさんありますけど。

堅物婦警さんのお話のようなわかりやすいノリな部分が増えると、
きっと観客動員数も増えるでしょう。

そいうえば、なぜにアクションシーンのとき、
どちらかをアップして、ちゃかちゃかカットを変えて、
戦う者同士の全身が映った引き画を見せないのでしょうか。

あれでは一体どんな戦いをしているか、
なにも伝わりません。

アクションを引いて撮る、もしくは主観で撮るというのは、
テレビの2時間ドラマでさえも出来ている、
当たり前なことな気がするのですが。。。

CASSHERN』でもそうだったんですけど、
邦画ではこういうアクションが流行ってるんでしょうかね。

どうやら主人公が剣を振りかざしたっぽいね、
と思って観ていたら、知らぬ間に敵が死んでいる、という。

私的には引き画でしっかり相手と主人公の全身を映して、
わかりやすく派手な殺陣をして欲しいわけですが。。。

動き描くのがメンドウなアニメ絵じゃなく実写なわけですし。

というか、せっかくなのでハニメーションを、
もっと有効活用してほしかったです。惜しいです。

発想的には面白いですからね、
予算の都合上、動きまくるCGちゃんとつくれないのを、
止め絵の連続にして補おうという。

アイデア次第ではいくらでも面白い画も撮れそうですし。

素敵でカッコイイ、そんなハニメーションが増えると、
きっと観客動員数も増えるでしょう。

なんにしてもサトエリさんが下着だけで商店街を走っている姿を、
笑えたり、かわいく思えたりする人なら、
明るく面白く楽しめる作品だと思います。はい。

じゃっ!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Rummy)
2004-06-05 00:58:17
初めまして。TBさせていただきました。すごく細かな感想がいいですね。「下妻物語」原作者の嶽本野ばら氏の作品が好きなので見たいです。キューティーハニーはセーラームーンの一話を実写にした、みたいな感じを受けました。
返信する
はじめまして (aliz)
2004-06-06 02:06:16
トラックバックとコメント、ありがとうございあmす。



嶽本野ばら氏の作品は読んだことはありませんが、

映画自体は、素直に面白かったですよ。



ちなみに去年くらいから、

実写版セーラームーンがホントに放送しているようです。

http://www.hicbc.com/tv/sailormoon/
返信する
Unknown (Unknown)
2004-12-24 07:39:12
>真剣でないことを笑う、

この辺のしたたかさが無気力世代の象徴な気がします。



この部分にとても共感できました。
返信する
ありがとうございます (aliz)
2004-12-24 15:02:25
コメントありがとうございます。



無気力世代は手抜きが面白いってとこありますし、

最近のお笑いも少しこの傾向がある気がします。



友達同士でならいいんですけど、

それを商業作品にして出されると、私は。。。
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