自称「一般的な会社員」

どこにでもいる、一般的な会社員の日常

3月10日

2017-03-10 | Weblog
前回までのあらすじ。今の家に不満が溜まり、引っ越すことを決めたアレックス夫妻。人生で一番高い買い物のプレッシャーと不動産屋の猛攻に耐えきれず、アレックスは冷静な判断ができない状態に。世はまさに大後悔時代!

不動産なんて買ったことありませんから、何をすればいいのかわかりません。ローンの仕組みだってよくわかってないし。いつまでに何をしなきゃいけないのかサッパリです。印鑑証明書って言われても、実印すら持ってないんですけど。売主が企業なので、締日だけが決まっている状態。1ヶ月で準備ってできるものなの?

不動産屋「全然大丈夫です!ローンの事前審査が2~3日で降りて、本審査が5日くらい。それから契約して決済ですから、余裕ですよ」
ア「でも実印もありませんよ?」
不「大丈夫です。とりあえずウチと付き合いのあるところは進めておきますので、他の銀行を使う場合はアレックスさんで手配してください」
ア「はぁ」
不「あ、決済だけこの近辺で出来るようにしてくださいね。全然焦らなくて大丈夫ですから」

そう言われても、高い買い物だし焦るよね。翌日、即行で会社の提携銀行とかメインバンクとかのローン専用窓口に電話をしてみたよ。

A「1か月後に決済とか、無理ですよ。1ヶ月半は必要です」
B「普通にやったら間に合いませんね」
C「うちは45日で案内しているんで」

どこもダメじゃねえか!どの銀行も、『ここでは判断できないから、直接支店か担当に問い合わせろ』とのこと。

審査が通らなかったら手付金没収無しでキャンセルになるらしいから、『いっそのこと審査落ちないかなー』が最近の口癖。

ア「おい、どの銀行も1ヶ月は無理って言ってるぞ」
不「そんなはずありませんよ!1ヶ月あればローンの審査は全部終わりますよ」
ア「A銀行もB銀行もC信託も無理だって言ってるぞ」
不「C信託はわかりませんが、A銀行もB銀行も、うちと付き合いのある担当者は大丈夫だと…」
ア「それっておかしくない?」
不「うーん、言い方はアレですけど、それは担当者がよくないと思います…」
ア「(あ、これはウチと提携している支店使えってことだな)お宅経由のD銀行は大丈夫なんだな?」
不「はい!アレックスさんがちゃんと動いてくだされば!」
ア「わかった、じゃあそっちは引き続きお願いします。その他はこれから直接担当とやり取りするわ」
不「念のため、こっちの支店の担当者にも話しておきますね!あ、印鑑証明も今週中にお願いします」
ア「は?実印ないよ?まだいいって言ったじゃん」
不「いや…そんな…今週末にD銀行に出さないと…」
ア「だから、印鑑ないよ。引き渡し延ばして」
不「それは出来ないので、なんとかして頂かないと…」
ア「平日だよ?無理に決まってるじゃん(実家に取りに行くだけだけど)」
不「あのぅ…最悪、安いハンコをいったん登録してもらって…」
ア「はぁ…わかった、考える」

何が焦らなくていいだよ。即行で動いたから良かったものの、全然ダメじゃないか!この不動産屋、大丈夫か。翌日、午前半休を取得してA銀行へ。担当が若いお姉さんで若干ビビる。惚れるとかじゃなく、期日短いのに大丈夫かという面で。愛想があって、親しみやすそうな人ですけどね。即行で仮審査を申し込んで、翌週に本審査、その翌週に契約で、ギリギリ決済は間に合いそう。

その翌日に、会社と提携しているB銀行が来社。こっちも若そうな女性だけど、愛想なし。対応もめっちゃ事務的で、話していてツラい。きっと、何十件とウチの会社から相談を受けてルーチンワークになっているんだろうなぁ。期間が短いということで、仮審査と本審査をほぼ並行して走らせることに。

C信託は、電話での対応。取り急ぎネットで仮審査の申し込みをしてほしいとのこと。決済日は45日後を入力して、備考欄に本来の決済日を入力して、申し込みを実施。

ふー、とりあえず仮審査の申し込みは一通り終わった。あとは結果を待つのみだなぁ。

不「D銀行の仮審査が終わりました!本審査の手続きが必要なのですが、印鑑証明はどうなりましたか?」
ア「印鑑は手に入れたから、あとは登録に行くだけ」
不「ありがとうございます!土曜日にアポ取っておいたので、申し訳ありませんがそれまでに…」
ア「はいはい」
不「あとですね、課税証明書というものが必要でして…」
ア「はぁ?まだ何か要るの?」
不「いくら税金収めましたよっていうもので」
ア「あー、あの6月くらいに来る細長い冊子状のヤツね」<既にA銀行で用意するように言われてる
不「そうですそうです!」
ア「どこにしまったか忘れた」
不「形は違いますが、市役所で取れますので印鑑登録と一緒に…」
ア「あれって1月1日時点に住んでた場所じゃないの?1月1日は帝都在住だよ」
不「いやいや、大丈夫ですので!」

はい、取れませんでした。印鑑登録はスムーズで、30分かからず終了。税務課に行って『かぜーしょーめーしょください』って言ったら、『ぼうやは年明け時点で帝都在住だから、帝都でもらってきてね』って言われました。ランボー、怒りのクレーム電話。

ア「取れませんでしたよ」
不「え!?ちょっと確認しますね……あのー、冊子みたいなものでも…」
ア「だから、どこにあるかわからない」
不「となるとですね、前のお住まいまで取りに行っていただくしか…」
ア「……会社と相談します」

この不動産屋、本当に大丈夫か。言うことが信頼できん。この時点で出社までまだ時間の余裕があったので、取りに行きましたけど。1年ぶりに浅草線に乗ったわ。会社に間に合うようにダッシュしたから、めっちゃ疲れたわ。

一通り仮審査が通りましたが、悩ましい。初期費用と利率がそれぞれ違うから、仕事しないで返済額計算に明け暮れる日々。利率がゲロ安でも初期費用が高いとか、初期費用がゲロ安でも利率が高いとか。エクセルの関数がうまく動かなくて発狂しました。HLOOKUPが変な値を返すんだよ!出来ればIF文連発はやりたくないんだよ!

13年目に支払額が逆転するんだよなぁ。10~15年住む予定だから、めっちゃ微妙…。繰り上げ返済が増えると逆転が後ろ倒しになり、繰り上げ返済が減ると前倒しになる。うーん…まぁ、どっちでもいいやってことで、なんとなく不動産屋に勧められた銀行はイヤなので、自分で調整した銀行にしました。で、実際にハンコを押してみたら、初期費用が安くなってました。ラッキー。

さて、あとは引き渡しを待つだけですが、その前にやるべきことがあります。そう、不動産屋へのクレームです。大きなミスはないけど、小さなミスが多くてこっちの手間ばっかりかかってしまう。そりゃないだろうと。

ア「というわけで、その辺はどう考えているわけ?」
不「申し訳ございません!」
ア「担当者が頑張ってくれているのはわかるけどさ、こっちも迷惑被っているんですよ」
不「誠に申し訳ございません」
ア「とりあえず、次のステップについてちゃんと整理して」
不「わかりました!」

で、出てきた資料に既に矛盾点。『支払いは全部口座引き落としなので、手数料などは全て口座に入れておいてください』って書いてあるのに、所々に『支払方法:現金』って書いてある。現ナマも要るの?どうなの?もう面倒なので、メールで送ってみた。『支払方法に現金とありますが、現金の準備は必要でしょうか。あと、あまりにもひどいので仲介手数料の減額をお願いします。10%引けとは言わないが、端数を切れ』翌日、電話がかかってきました。

不「わかりづらくて申し訳ございません!支払方法は現金ですが、その場で口座から出すのでハンコだけお願いします」
ア「わかった」
不「あと、仲介手数料の変更はできません」
ア「なんで?」
不「仲介手数料は、売主と買主の仲介にかかるお金なので、アレックスさんは既に契約が終わっていますので…」
ア「ふーん、つまり、契約書にハンコを押せば、もう終わりってこと?」
不「いや、そういうわけではないんですが…」
ア「こっちは、不動産なんて買うのは初めてなわけですよ、あなた方の言うことを信じて動くしかないんですよ」
不「はい、わかります」
ア「で、信じて動いたら違いましたって言われてさ、私は職場にも迷惑かけてさ、交通費も余分に出してさ、いろいろやっているわけ」
不「はい」
ア「それでその対応ですか?」
不「アレックスさんのお気持ちはよくわかりますが、既に決まったことなので」
ア「そりゃおかしいでしょ、実際に仲介手数料を変えた事例を知っているし」
不「こちらに重大な落ち度があれば、そういうケースもあり得ますが」
ア「こっちがいろいろ動いたから重大なケースにならなかったんじゃなくて?課税証明書とかさ」
不「それについては、こちらに委任して頂ければ対応も出来たのですが、アレックスさんがおっしゃらなかったので…」
ア「はぁ!?委任できるなんて言わなかったよね!?」
不「普通は案内していないので…委任されたらなんでも出来てしまうので嫌がるお客様も…」
ア「案内されなきゃお願いできるわけないでしょうが!」

その後もあーだこーだすったもんだと押し問答をすること40分。結論は出るはずもなく、私がケツカッチンです。

ア「とりあえず、そちらの言い分はわかった。減額が無理なら、なんか誠意を見せろ」
不「わかりました、考えます」
ア「何度も言うが、頑張ってくれているとは思う」
不「わかっています、私も理不尽な要求をされているとは思っていません」

で、数日後

ア「どうなった?」
不「やっぱり無理です」

もうあきらめた。さっさと契約を終わらせて、この業者と縁を切りたい。冬みかんが『不動産屋はしっかり選べ』って言っていたのがよくわかりました。大手のフランチャイズだから安心だと思ったのに…ケイン・コスギを嫌いになりそう…。