愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

「財源」論のうそとペテンのテクニックを斬る!

2008年11月20日 01時34分55秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等
 政府・自公政権は、社会保障、福祉の問題に関してなにかにつけて「財源がない」という論法を繰り出してきます。しかし、本当は私達国民はこのような議論にまともに付き合う必要がありません。というのは、政府が繰り出す論法はごまかしに過ぎないからです。

 端的に言って、政府・自公政権が「財源」論というごまかしを持ち出してくるのは、国家の予算編成の問題で社会保障、社会福祉予算のあり方を国民的に議論させないためです。例えば、日本共産党やその他国民運動の団体が消費税の増税を反対し、社会保障、社会福祉の充実を訴えるとなかには、「財源があるの?」、「財源がないのでは?」といった具合の疑問が寄せられます。ここで共通しているのは、「財源」というところから議論が始まり、税制のあり方や税金の使われ方に議論が進んでいかないのです。これこそが、政府・自公政権の狙いです。もっと言うと、税制のあり方(税金の集め方)、国家予算のあり方(集めた税金をどのように使うか)という議論を国民が始めると一番困るのは、政府・自公政権です。「財源」論は、社会保障、社会福祉など国民生活の向上、生活を守る、という要求を抑え込むために仕掛けられた思想(イデオロギー)攻撃です。

 国家が行政活動をしていくためには金銭が必要です。当たり前の話ですが。必要な金銭はどのように集められるのでしょうか。これも、主として私達国民から徴収した税金であることに関して説明はいらないでしょう。国会では、その年にどの程度税収があるかを見込んで予算審議が行なわれます(状況によって変更を要するときには補正予算が組まれます)。ですから、税制のあり方(税金の集め方)、予算編成のあり方(税金の使い方)をどうするのかという議論から切り離して「財源はどこにあるか」ということを論じてみたところで、「財源」は見つかるわけありません。だからこそ、政府・自公政権はことさらに「財源」論を駆使して国民の要求に基づく運動などを押さえ込もう、諦めの思想を植えつけようとします。

 確かに自民党のホームページを見れば、「税金の無駄遣いを許さない」というパフォーマンスをしています。皆さんの声を集めますともっともらしいページまで作成しています(http://www.jimin.jp/jimin/info/zeikin-voice/index.html)。冷静に自民党の言い分を見ると、確かに国民の声を反映してあきらかに無駄と言えることを取り上げていますが、税金の無駄遣いというなら、軍事費(約5兆円)や日米安保条約上の義務さえない「思いやり予算」(約2083億円)、米軍再編費用(約3兆円)などの不要不急の無駄にはまったく頬かむりしています。それどころか、今後一層の拡充さえ求められる雇用促進住宅に大なたを振るうような記述さえ散見します。自民党のページには「例えば、雇用促進住宅の管理等を行なう雇用振興協会について委託費を大幅に削減すると同時に、一般法人等非公益法人への移行」ということが「税金の無駄遣い」としてあげられています(引用元:http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-019b.pdf)。ネットカフェ難民の問題など、大資本の横暴により労働単価を不当に安く買い叩かれて、住居にさえ住めない労働者がいる状況下では、労働者の、住宅という生活基盤の安定を図るためには雇用促進住宅など社会保障と福祉の観点を盛り込んだ住宅政策が必要なっている、これが現状ではないでしょうか。にもかかわらず、自民党は、国民による税金の無駄遣いへの批判をもてあそんで、国民生活の安定を図るために必要な費用までどさくさ紛れに削減しようともくろんでいます。実際に政府自公政権は雇用促進住宅を全部廃止しようとしています。もっとも、この点に関して政府は方針変更を、国民の世論と運動の前に余儀なくされています(予断を許す状況になく、今後の運動の取り組みがいっそう必要です)。

 自公政権が税金の無駄遣いへの批判を逆手にとって、国民の生活を守り、向上させるために必要な予算をカットし、社会保障や教育、福祉を新自由主義政策のもと、市場原理に放り投げようとしています。こういったことは、自民党の文書の中に、私のような素人が読んでも垣間見えます。小泉内閣以来「聖域なき構造改革」を歌っていますが、本質は新自由主義路線を推し進めるためには社会保障など国民生活を守るための予算などを切り捨てる際に聖域を設けてはいけないという意味に過ぎません。そして、軍事費や米軍再編費用、思いやり予算を「絶対不可侵の聖域」として位置づけている、これが自公政権の本質的実態です。

 さて、ここでは主として国家財政の支出の問題に焦点を当てて、政府・自公政権のうそとペテンのテクニックをつたないながら私は指摘しました。政府・自公政権の繰り出すうそとペテンのテクニックを見抜き、同時に徹底的に斬りつけていくためには、財政の支出の面だけでは不十分です。国家財政の収入すなわち税制のあり方を問うことが大切です。

 長くなりましたので税制のあり方の問題は、記事を改めたいと思います。

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