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ギターと音楽に関する雑感

CROWTHER AUDIO HOT CAKE

2018-01-30 | 楽器

CROWTHER AUDIO HOT CAKE

3台。時の事情で増えてしまったのですが、それほどにHOTCAKEが好きです。

 

※2023年8月15日更新

続編「ホットケーキは生産終了したのか?

 

スイッチが「NORMAL/MID LIFT」だった頃の1999年に購入したOLD CIRCUITバージョンが、私にとっての初代。

HOT CAKEに興味を持ったキッカケは、リットーさんが出した「楽器館」というムックにあったオーバードライブ/ディストーション系のコンパクトエフェクターの紹介(95年12月号の再掲載)で、葛城さんが試奏したレビューが気になったのと、レイヴォーンの「テスティファイ1曲マスター」っていう教則ビデオで、確証ないんですけど、ichiroさんの足元にチラッと映ったのがどうもHOTCAKEに見えたことでした。

 

ここで葛城さんの95年当時のレビューを紹介します。

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結構低音が"ブブブブ"言うね。これはトーンがないんだけど、音色切り替えのスイッチ(ノーマルorミッド・リフト)が付いてて、それのノーマルのままでも、わりと低域がブーミーな特徴がある。でも高域はDODのオーバードライブとかと似たニュアンスで、意外と音程感はキッチリ出てくれるね。余計な倍音でギラギラしないから、比較的ブーミーな音色が好きな人向き? 6弦を弾いたときに"ブルンブルン"ってやりたい人にはいいだろうね。1弦の方に行った時のプレイのニュアンスはわりと細かく出るような気がする。

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ファズっぽいニュアンスのある歪みが好きだったので、それからずっと気になっていました。それとここでも書いてますが、B'zのSurviveツアーでメインで使われたブースターとしても気になる存在でした。

使ってみると、確かに低域にファズのニュアンスがある。似たようなものとして挙げられるBLACK CATのOD-1は、HOT CAKEに比べるとよりファズに近いかな。これも良かったんですけど、結果的にOD-1は売却してしまいました。

HOTCAKEは、DRIVEを上げると中音域にどんどん集約されてムンムンで暑苦しい音になりますが、上げすぎなければブライト感が残って、とても絶妙なクランチが作れます。

ギター側のボリュームを下げると、完全なクリーントーンが作れるのが素晴らしい。オーバードライブペダルの中には、ギター側のボリュームを下げても、弱くピッキングしても、高音域にシャリシャリした歪み感が残るものもありますが、こいつは、軽くなでるように弾けば歪まず、ガーンと弾けばきっちり歪みます。

この点に関してはBOSSのBD-2に近い。BD-2との違いは、ミドルのハリというか、音の密度がね、HOTCAKEの方が濃ゆい。

ミドルがあるのでHOTCAKEのことを「太い」と形容する人もいますが、当たっているようでなんか違うような。個人的にも太さが加わることに異論はないものの、例えばガバナーのように低域がボーンと太くなるのとは違います。なので、BASSを押し出して太くしたいという人は拍子抜けするかもしれません。

この音質を利用して、HOTCAKEをブースターとして使用するのもイイ。ハイがきつくならずスムーズに抜ける音になると思います。

いまメインで使っているテレキャスの場合、フロントで歪まないようにし、リアでクランチーに歪むセッティングにしています。バンドアンサンブルの中で、クリーントーンのバッキングで少し存在感を出したいときは、HOTCAKEをオンにするわけです。

ストラトの場合、フロントでボリューム全開にしている時にわずかに歪む程度。で、ある程度歪ませたい時に前段に置いたチューブスクリーマーでブーストします。最初からそこそこ歪ませたいと思うときもあるし、ギターとピックアップの出力によってつまみをいじったり、セッティングはその都度変わりますけどね。

チューブスクリーマーは数機種ありますが、どれを使ってもHOTCAKEとの相性は抜群。メインではST-01を使ってますが、TS9(私の所有物はトニー・ブルーノのモディファイもの)がイイかな~という気もします。HOTCAKEとチューブスクリーマーだけっていう時は、TS9DXで音のバリエーションを持たせるのも面白いと思います。ボードに入れている様子はこちらをご覧ください。

で、このTS系によるブーストですが、いわゆる「ドライブ最小」「レベル最大」にはせず、ちょっとだけドライブを上げた音を、これまたちょっとだけレベルを上げて送り出すというイメージです。こうすると、HOTCAKEのドライブを上げたときのようなムンムンな音にはならず、両方の歪みが加わって、理想的な音になります。主観ですが。

で、こんなブログを見つけました。

http://ippeichan.hatenablog.jp/entry/2017/06/04/201826

これはいい音!

良い面とイマイチの面を含めて、この方はHOTCAKEの特性を完璧に理解されているように思います。ここまで書かれているのは他には見たことがないです。僕が普段出している音よりも深い歪みですが、これも私にとって理想の音の一つです。

で、上のブログでも触れられていますが、HOTCAKEの特徴として、コードを弾いて音を伸ばした時「ジリジリ」という、高域の割れる音が入るんですけど、これを是とするかどうか、好みの分かれるところだと思います。

私は…大好きなんです。

昔、いわゆるラジカセのようなオーディオ機器にギターをプラグインして音量を上げたときのビリビリした音、ボーボーに割れる音、あの感じがわずかに再現されている!って思うんです。

 

さて、この辺から非常に表現しにくい領域に入ります。

誤解されるかもしれないし、言ってる意味が分からないと思われるかもしれませんが、あえて表現すると、HOTCAKEには、自分が理想とする数種の音が詰まっているんです。

一見普通のオーバードライブだし、でも低音弦ではファズっぽいし、テレのリアかレスポールを使えばツェッペリンの初期っぽく感じるし、ストラトとチューブスクリーマーで組み合わせればレイ・ヴォーンっぽくもなる。それと、上で紹介したブログのとおり、他のペダルとの組み合わせとセッティングによっては、松本さんのようにも聴こえる。

例えば、私は別記事でフルテンダーがレイ・ヴォーンっぽいって書いたのに、ホットケーキもそうなんかい? 矛盾してねーか? ともとられかねませんが、でも、レイ・ヴォーンって、時期や、曲によって音を変えてますから。

フェンダーアンプ自体を歪ませて(これがFULLTENDERの印象)TS10でブーストする時もあるし、ダンブルを使っていた時もある。更に、TS808を歪ませてTS9でブーストする時もどうやらあったらしい。確かにそんな感じの中音域の太さを感じるときもある。で、時にはファズフェイスだって踏むのだ。

こうした色んな音の、いわば最大公約数って感じなんです、HOTCAKEが。色んな音のイメージを内在しているようなニュアンス。ただ、これはあくまでも僕が好きな数種の音っていう意味なので、好みが違えば「なに言ってんのお前?」で終わるので、難しいところです。

ちなみに、私はクリーンにセットしたMarshallで鳴らしています。現在はDSL20Cを所有。元々は自宅のValvestateで音作りをしていたせいか、スタジオやライブハウスにある真空管のスタックでもコンボでも、Marshallが馴染みます。JCやフェンダーでは作った時の音の印象が変わってしまったり、コンプ感に違いを感じるので、気持ちが落ち着きません。Valvestateはパワーアンプ部に真空管を使ってませんが、それでも「あぁ、Marshallだな」って後から気づかされました。MGシリーズのことは良く分かりませんけど…。

 

最後に、3台の違いを。

上の写真が私にとっての初代。1999年購入。電源は電池のみ。なぜか穴が開いているのにフタがされている状態で、内部回路にも外部電源供給のプラグはないという仕様。増設できるようにしていたのでしょうか? スイッチはMID LIFTにしてます。NORMALはくぐもってしまい、個人的には使い道がありません。

ボードに固定せずに持ち運びしていたので、塗装のハゲがあちこちにあります。

 

上が3KNOB。トーンをつまみで微調整出来ることと、レベルが大きくなっているので使いやすいかもしれません。音質も若干違っていて、OLD CIRCUITに比べて若干ブーミーさが薄れています。あくまでも私のは。いや、あるんだけど薄くなってる。でも、音像自体が軽くなっているわけではなく、結構しっかりとしたコシと重心があるので、これはこれで汎用性は高まっていると思います。それと、表記はNORMAL/MID LIFTからPRESENCEに変わっています。

3KNOBを買った理由は、ボードを組む都合で外部電源供給のできるものが欲しくなったということと、可変トーンがどないなもんだ?と試したくなったためです。PRESENCEつまみの位置は、だいたい2時~3時程度で、少し上げ目にしています。

それと、どうやら3KNOBには、内部のスイッチで音色を変えられるものもあるらしいですが、私の持っているものはそうした仕様になる前だったせいか、そもそもそういう仕様だったのかは分かりませんが、音色切り替えのスイッチはありません。上の写真が内部で、切り替えできる機種はスイッチが上部にあるようなのですが、見ての通り私のにはありません。

ケースや説明書にも音質変化の記載は無し。今売ってるのは「3KNOBS」と、末尾にSが付いているようなので、そこがリニューアルの境目でしょうか?

 

で、3台目のOLD CIRCUITは、レベルが少しだけ大きくなっているようですが、音質は初代とほとんど変わらず。低音が若干スッキリしているかな? でもブラインドテストしたら分からないでしょう。買った理由は、ガリがひどくなった3KNOBを修理に出した時にさみしくなっての衝動買い。なにせルックスがカッコ良くなってたので。ケースの形状とノブの高さが変わり、全体の色が白くなったんです。はた目からすると微妙な差でしょうが、個人的には大きい差! 3台目を買うとき、店員さん同士が「カッコいいよね~」と言ってましたが、まさにその通り。

今まで、いくつものペダルを買い、そして売るということを繰り返していましたが、HOTCAKEは一生ものです。

で、3台も持っていて、中古も良く見るようにしているのに、

この、いまだにHUMAN GEARのページに載り続けている個体、というかこの時期(?)の、角ばったケースのタイプを見たことがないんです。これは謎。中古で出たらコレクションとして買ってしまいそうです…。

コメント
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