The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

Stone in the Air

2011年12月15日 | ASB活動日誌
中国や韓国のミッションだと、見た事や経験したことのない事に出会う確率も上がるので、ブログもそのテンションに合わせてタイムリーに上げることが多いが、今回、私ひで氏が送り込まれたのは米国。やはりかつて住んでいたこともある国、そして今回10年以上振りの米国本土上陸とあって、感慨も一入であった。
ということで1週間の滞在を終えて帰国して、ちょこちょこ感じたことをアップしようと少し遅れてのブログです。

今回は目的地に着くまでにすでにドラマがあった。

まず、関空からシアトル。これは9時間のフライト。
映画好きの私ひで氏にとっては映画3本見ればもう3分の2を飛ぶことになるのだから楽勝だ。

何も問題がなければ、の話だ。

ここでようやく告白しよう。なぜならこの事を言わないとこの旅程のエキサイトメントが全く伝わらないからだ。

私ひで氏、この旅の出発2週間前に恐怖の病気を罹患してしまった。

尿管結石。

ああもう書くだけで恐ろしい、衝撃の病。
腎臓が背中にある事をまさに肌で実感し、わずか数ミリの石がどれだけの破壊力を持つかを痛感させられる想像を超えた痛み。
痛みが体の中すぎて、さすろうが押さえようが、どんな体勢をとろうが全く治まらない痛み。
大の男がのたうち回り頼むから救急車を呼んでくれと懇願するほどの痛み。

「病院開くまで待ったら~?」朝6時頃、コーヒーを啜りながら冷ややかな視線を当初送っていたマネージャMikaの視線は死ぬまで忘れないだろう。
そんなMikaもあまりの尋常ならざる様子にその後すぐに救急車を呼んだ。

出てしまえば嘘の様に痛みがなくなることでも有名なこの尿管結石だが、私ひで氏のストーンはしぶとかった。
二日三日とランダムな痛みが続き、ようやく痛みが治まっても全く出た気配がない。

そしてとうとう出発の前日を迎えた。
病院で直前の検査をしてもらったが、医師曰く「出たかもしれないし、まだかもしれない。出たと思って行くしかないっか。」
とカジュアルな判定を下した。

明日10時間近く飛行機に乗るという人にとってこれほどの恐怖はない。
地上に居てもどっちみち医師からもらった痛み止めを飲んで耐えるしかない痛みだから、上空でなろうが同じ、と考えることもできる。
しかし問題はあの小さなエコノミークラスの座席でもし痛みが始まった時に何時間もじっと耐えられるかということだ。

経験者100人に聞けば必ず同じ答えが帰ってくるだろう。答えは絶対にノーだ。

地上なら体を揺すったり走り回ったりできる。しかし飛行機でもしあの「ポーン」という音と共にシートベルト着用のサインが出ようものなら、もう席を立つ事はできない。これが地獄以外のなんであろうか。

しかし私ひで氏に与えられた任務はアメリカはアイオワ州での1週間の滞在。
出たか出てないかわからない石への恐怖のためにキャンセルすれば、アランスミシー氏からの「サプライズ」が遅かれ早かれ届くのは必至だ。

もう、行くしかない。そう腹を決めた。

大量の痛み止めを忍ばせ、いよいよ当日、飛行機に乗り込む。
時折感じる背中ないしは下腹部の違和感に過敏に反応する。飛行機が飛び立つ瞬間、私は通常8割方寝てしまうのだが、
今回ははっきりと覚醒。「気圧の関係とかで急に痛みだしたらどうしよう。。。ああ。。。飛んだ。もう後戻りはなしだ。」

あとはとにかくフライトが早く終わる事をひたすら祈り続け、
気をそらせるための最大限の努力をした。映画も3本見た。音楽を聴く。本を読む。寝る。

そして9時間、幸い全く痛みは襲ってこず、無事シアトルに到着したのである。

旅程としてはこの後 シアトルからミネアポリス、そしてミネアポリスからアイオワ州デモインへと国内線を2本乗り継ぐという予定だ。
一番の大物が終わったものの、とにかく早く終わらせたい。

そして本日2本目の飛行機に順調に乗り込んで、離陸を待つ事30分。

「お客様に申し上げます。当機は、離陸に向け準備をしておりましたが、整備中に発見した不具合を解消する事が出来ないため、フライトをキャンセルします。全員飛行機からお降り下さい。」という主旨のアナウンス。

絶句した。

ここが狂えば、確実にその次の乗り継ぎも無理だ。
しかしどうしようもない。飛行機を降り、カウンターに行き手配をする。

しかし職員は言った。

「トライしましたが、お客様が今からとれるベストのルートは、ここからダラス、そしてダラスからデモイン。これしかないです」

それしかないのなら仕方がない。
では、そのダラス行きは何時の飛行機なのか?と聞くと、

「午前0時です。今から11時間後のフライトです」


人生には時折、何故?というトラブルが重なる時がある。
そう、これはまだ序章だったのである。











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