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■ 箱根湯本温泉 「大和館」 〔 Pick Up温泉 〕



箱根湯本温泉 「大和館」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町湯本655
電 話 :0460-85-5746
時 間 :10:00~(要時間確認)
料 金 :600円
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (箱根温泉旅館協同組合)
紹介ページ (神奈川の温泉宿248軒 /(株)求人ジャーナルHP)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

2006/06入湯(2006/07/18レポ/2009/12/21UP)後、一度入っていますが、2012/11の一郷一会のオフで全浴槽制覇したので、これを加えてリニューアルUPです。

箱根湯本温泉のハイライト、湯場(温泉場)への道すじは、「箱根湯本温泉郷」のアーチをくぐり、湯本橋を渡ると左手に自然薯蕎麦で有名な「はつ花」、正面に重厚な構えをみせる老舗「萬寿福」(入湯済未レポ)。
このあたりは湯本でもいちばん絵になるところです。

 
【写真 上(左)】 湯場(温泉場)地区入口
【写真 下(右)】 熊野神社参道 (2012年)

「萬寿福」前を右に折れると、右手にかの有名な「萬翠楼福住」。
ここからさらに進んで路地を抜けると、これから塔之沢にさしかかる国道1号(東海道)に戻るのですが、この路地には渋~い老舗宿がいくつかあります。
土曜の夕方、時間が空いたので攻めてみました。

 
【写真 上(左)】 熊野神社参道 (2006年)
【写真 下(右)】 発祥の地の石碑

まずは福住はす向かいの「住吉旅館」にいきましたが、あっさりと断られ、「やっぱり湯本の旅館で土曜夕方はマズいか?、湯蔵か和泉しかないか?」となかばあきらめながら突入すると、快く応じてくれました。しかも貸し切りOK。
今回(2012.11)も紅葉まっさかりの土曜午前中でしたが、快く入湯受け入れしていただけました。(またも貸し切りOK)
ちなみに「住吉旅館」は現在休業中のようです。

ここは老舗「萬翠楼 福住」のうら手にある湯宿で、由緒正しい湯場共同泉(湯本第7号・9号・41号混合泉)をつかっています。
このうち、熊野神社の下で湧く湯本第9号は「惣湯」とよばれ、箱根最古の源泉として知られています。
明治中期までの湯本の泉源はほとんどこの「惣湯」に頼っており、関係者19戸のあいだで「共有温泉盟約」という惣湯利用についての取り決めが交わされていました。


【写真 上(左)】 路地に面してひっそりとあります
【写真 下(右)】 大浴室

いまは素泊まり専門で営業しているここは江戸時代から続く老舗で、さして特徴のない外観ながらどことなく老舗宿特有の味があります。
なお、宿の袖看板は「大和旅館」でしたが「大和館」で載っている資料が多いのでここでも「大和館」とします。

浴室は大(2.3人)、中(1人)、小(1人)の3つあり、状況により貸し切りも可とのこと。
この日は大を貸し切りにしてくれました。(入館したときは3つとも空いていて、出るときは小に入浴客がいました。)

【大浴室】(2006/06入湯時レポ)
おくの突き当たりで脱衣所もいちばんたっぷりとしています。
扉を開けると、さほど広くない浴室には甘い石膏系の温泉臭が立ちこめています。
白壁のシンプルな浴室に青タイル貼の浴槽が映えて、いい味を出しています。
湯口はなく、底の孔から注入(41℃を10L/min程度か?)、浴槽ふちからさわさわとかけ流し、身を沈めるとザコザコあふれ出し内床が洪水状態になります。
カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。


【写真 上(左)】 大浴場の浴槽
【写真 下(右)】 洪水状態の内床

絶妙なぬる湯は無色透明で、黒褐色の浮遊物がただよいます。
味不明で甘い石膏臭、とろみがあって、やわらかくやさしく包み込まれるようなすばらしい湯ざわり。
よく温まりますが、浴後は充実した爽快感とともに肌がしっとり落ちついて、石膏泉の味わいゆたか。
湯本はこのところけっこうまわりましたが、そのなかでも最上級のお湯かと思います。

 
【写真 上(左)】 中浴室
【写真 下(右)】 中浴室の浴槽

【中浴室】(2012/11入湯時レポ)
中間の浴室。脱衣所は広くなく、浴室の窓はちいさな高窓でやや暗め。
白いタイル貼の内床、白壁の浴室に石枠水色役物タイル仕立ての味のある浴槽は1人入れば一杯です。
奥のライオン湯口からのぬる湯少量投入と側面からの間欠熱湯注入で、槽内排湯なしのオーバーフローはかけ流しでしょう。

 
【写真 上(左)】 ライオンの湯口
【写真 下(右)】 石膏の析出

ライオン湯口のまわりには白い石膏の析出がでていました。
湯温は適温~ややぬるで変動。よわい芒硝石膏味に石膏臭。ライオン湯口のぬる湯は湯船のお湯よりとろみがつよくやわらかい感じがしました。
また、側面注入が止まっていたときは、湯温が下がりお湯がこころなしかやわらかくなるような感じがしました。

 
【写真 上(左)】 小浴室
【写真 下(右)】 小浴室の浴槽

【小浴室】(2012/11入湯時レポ)
いちばん帳場よりの浴室。小浴室といっても浴室は中浴室とさほどかわらない大きさです。
脱衣所は中よりもさらに狭いもの。浴室の窓はちいさいながら2面とられ、中浴室より明るい感じ。
浴室、浴槽の構成とも中浴室とさしてかわらないですが、こちらは投入湯口はなく、熱湯の側面注入のみ。
槽内排湯なくオーバーフローでこちらもかけ流しとみました。
ほぼ適温のお湯は味臭は中浴室に似ているものの、中浴室よりやや硬めの湯ざわりで、とろみもきもちよわく別源泉のようにも思えました。

【使用源泉について(推測)】
大浴室には2回入っていますが、最初に入ったとき(↑のレポ)はとろみがあって、やわらかくやさしく包み込まれるようなすばらしい湯ざわり。2回目は湯温が高くきもち硬質な感じの湯ざわりでした。
それと今回の浴感をふまえて、勝手に使用源泉を推測してみました。(ちがうかもしれません(笑))

「住吉旅館」での確認によると、湯場共同泉(湯本第7号・9号・41号混合泉)のうち、41号は単独配湯され、7号・9号は混合配湯されている可能性があります。
41号は54.5℃と高温なので、7号・9号混合泉(36.7℃)の加温用に量を加減してつかわれているのかも。
これでタイミングにより湯温と浴感が変わる説明がつきます。

ぬるめでやわらかくとろみもつよいのが7号・9号混合泉、高温でやわらかさ、とろみとも前者にきもち及ばないのが41号泉という前提とすると、
・大浴室は、41号単独と7号・9号混合の交互注入もしくは混合注入。
・中浴室は、ライオン湯口から7号・9号混合の投入で側面から41号の単独注入。
・小浴室は、41号の単独使用。(2012.11入湯時)
こんなところでどうでしょうか?

また加温用41号使用でやわらかさやとろみがよわまるとしたら、夏場のほうがお湯がやわらかくなる可能性も・・・。
ただ、悪モノっぽく書かれている(笑) 41号でも実力は相当なもので、7号・9号との差はさほどありません。(ちなみに住吉旅館のレポでは41号のほうがやわらかく、7号・9号の方が軽めで格調高く甲乙つけがたしと表現しています。それほど微妙な差です。ただ、個人的にはこのお湯はぬる湯でじっくり楽しみたいと思っています。)

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浴後、女将さんとすこし話をしました。(2006年)
お湯は熊野神社のよこから湧いていて、共同配湯なので他にも使っている旅館がある。
湯温は季節でかなり変動する。保健所などの指導をクリアするためにいろいろと手数がかかるが、消毒するとお湯がダメになってしまうので、なんとか非消毒のかけ流しをつづけている・・・。などなど。
たしかに、えらくデリケートなお湯なので、消毒したら1発でおじゃんではないかと・・・。

こんなすばらしいお湯に箱根、それも湯本で600円で入れるとはおどろき。台数は少ないながらPもあるので、温泉好きにはおすすめの一湯かと思います。

 
【写真 上(左)】 神湯源泉
【写真 下(右)】 「湯場共有温泉」(熊野神社境内)

浴後、涼みがてら熊野権現に詣でました。
参道脇には「神湯源泉」の扁額がかかった泉源施設らしきものがあり、傍らには「箱根温泉発祥之地」の石碑が建っていました。

なお、やませみさんの情報によるとこの神湯泉源地にあるのは9号(神湯)と41号(神湯新)。7号は平賀敬美術館の裏手にある横穴源泉のようです。

〔 源泉名:湯本第7.9.41号混合泉 〕 <H16.12.7分析>
アルカリ性単純温泉 36.0℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.332g/kg、Na^+=83.1mg/kg、Cl^-=84.1、SO_4^2-=71.0、HCO_3^-=21.1、メタけい酸=40.1、メタほう酸=2.75

<参考>(住吉旅館)
〔 源泉名:湯本41号混合泉 〕 <H16.4.2分析>
アルカリ性単純温泉 54.5℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=0.793g/kg、Na^+=231mg/kg、Ca^2+=28.6、Cl^-=288、SO_4^2-=151、HCO_3^-=33.0、メタけい酸=30.4、メタほう酸=12.0

〔 源泉名:湯本7.9号混合泉 〕 <H16.4.2分析>
アルカリ性単純温泉 36.7℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=0.456g/kg、Na^+=108mg/kg、Ca^2+=23.8、Cl^-=123、SO_4^2-=105、HCO_3^-=32.1、メタけい酸=49.1、メタほう酸=4.99

一郷一会100名湯

〔 2013/03/30改訂再UP (2012/11入湯 /2006/07/18レポ (2006/06入湯)) 〕


E139.6.9.570N35.13.42.080

【 BGM 】

ちとゴスペル系のやつを・・・。
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