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■ 小湧谷温泉 「箱根みたか荘」 〔 Pick Up温泉 〕



小湧谷温泉 「箱根みたか荘」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297-5
電 話 :0460-82-1116
時 間 :時間要問合せ・要予約 ※ 現在、日帰り入浴不可との情報あり
料 金 :250円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

東京から近く温泉もある箱根は、ふるくから保養所や別荘の適地として注目を浴びました。
なかでも強羅や姥子下の温泉荘は第一級のステイタスを誇り、大企業や公共団体、有力自治体が威信をかけて(?)、好区画の確保に走りました。
自治体の保養施設はながらく一般開放されていませんでしたが、近年開放されるものが増え、三鷹市の保養施設「箱根みたか荘」もそのひとつです。
ちなみに強羅にある文京区(文の郷)や新宿区(箱根つつじ荘)も現在一般開放され日帰り入浴できます。

立地がいいです。
小湧谷上部の別荘地「みどりの村」内にあり、強羅とは須沢を介して隔たっているので小湧谷温泉に入ると思われます。
箱根有数の泉源地帯、早雲地獄からの距離は名湯の誉れ高い「最乗寺箱根別院」とほぼ同じで、このお湯がいかに絶妙の立地にあるかがわかります。

場所はユネッサン前から早雲山に向かう県道でパンシオン箱根をすぎた左手の道を別荘地「みどりの村」に入ったところ。
別荘地の中でもうもうと湯けむりをあげる自家源泉の櫓はなかなかの壮観。
箱根でももっとも元気のいい(笑)、泉源では?
櫓のよこには源泉カランがあり、宿泊者はテイクアウトできるようです。
(異常に熱いので要注意)


【写真 上(左)】 そびえ立つ温泉櫓
【写真 下(右)】 男湯の浴場

瀟洒なつくりの建物で、公共保養所らしく館内もよくメンテされています。
階段をおりた階下に男女別の浴室。
窓が広いあかるい浴室に、石造10人弱の入りごこちのいい浴槽ひとつとシンプル。
窓のそとはよく手入れされた庭園です。
カラン7、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
土曜13時でわれわれのグループ(温泉みしゅらんのオフでやませみさんの先導で攻略)で独占。


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口

赤茶に色づいた三波石風の石の湯口からゲキ熱湯を絞り投入で、槽内注排湯はなく、たぶん全量を浴槽はしの上面排湯口から流し出すかけ流し。
湯口そばはかなり熱め、離れるとややぬるめとなっているので、好みの湯温で入浴できます。

やや翠がかった透明のお湯にはうす茶の浮遊物。明瞭な塩味に重曹味と芒硝味が加わったまろやかな味。
湯口・湯面とも石を焦がしたような一種独特な温泉臭があります。
とろみが強く、ツルすべもあるので強羅の掘削泉よりはごつごつした感じはよわいものの、本質はつよいお湯なので長湯はきびしいものがあります。


【写真 上(左)】 変色した湯口まわり
【写真 下(右)】 湯色

化石海水型のようなこれみよがしの濃度感はないですが、じわじわと攻めてくる感じのお湯で、浴後の温まり感がハンパじゃないです。
成分総計=5005mg/kgは箱根ではちょっと記憶にない濃度で、箱根屈指の濃い食塩泉という位置づけができるかもしれません。

この力づよいお湯に250円(休憩料200円+入湯税50円)という、箱根とは思えない低価格で入れるこの施設は貴重。
ただし、事前TEL予約が必要なようです。

Na-塩化物泉 88.4℃、pH=7.90、成分総計=5005mg/kg、Na^+=1540.0mg/kg 、K^+=127、Ca^2+=129、Cl^-=2700、SO_4^2-=44.2、HCO_3^-=33.7、メタけい酸=282、メタほう酸=120 <H14.7.30分析> (源泉名:宮城野第74号泉)

やませみさんの「温泉の化学」によると、「神山の北西部から強羅、小湧谷、底倉にかけての地下に3本の流れがある」とのことですが、ここもその流れの1本だと思われます。
これらの流れは他の成因の温泉流や地下水をまじえて次第に温度と濃度を減じていきますが、ここは上部にあるので、「早雲山噴気地帯直下の地下数100mの深さから(湧出)」*するという高温・高濃度の塩化物泉(第III帯 塩化物泉)がピュアに湧いているのだと思います。
*) 「箱根二十湯」平野富雄氏著(かなしん出版)より

一郷一会100名湯

〔 2010/8/18UP (2008/06/15レポに加筆・画像追加 (2006/09入湯)) 〕


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