俺が中学三年生の頃、クラスの女子達の間でRIZEがやたら流行っていた。
RIZEというのは、言わずと知れたミクスチャーロックバンドで、当時は「Why I'm Me」という曲で脚光を浴びていた。
クラスの女子達は「Why I'm Me」の「大体毎回いつも同じメンバーと再会」というメインフレーズを楽しそうに歌い合っていた。
俺が中学生の頃と言えば、Dragon Ashの台頭で、ゴリゴリしたロックの上にラップが乗っかるミクスチャーとやらが流行っていて、Bボーイファッションに身を包んでギターをかき鳴らすバンドが巷に溢れていた。また、そういう音楽を聴くのが一つのファッションになっていた。
あれから十三年。
最近、RIZEの「EXPERIENCE」というアルバムを聴く機会があった。三年前の六月にリリースされたアルバムで、俳優の市原隼人とコラボレーションした楽曲が収録されていて話題になったらしい。
何年か前に四人になったはずの彼等はいつの間にかデビュー当時と同じようにスリーピースに戻っていて、月日の流れを感じさせた。
そのアルバムの内容がどうだったかと言うと、個人的に特筆すべき点は何も無い。全く引っ掛からなかった。ただ、ブームが過ぎてもその音楽の価値が消え失せてしまうわけではないのだな、と感じた。俺はRIZEなんて好きでも何でも無いけれど、ブームの終焉と共に解散してしまった数多のバンドと違って、続けていくことの逞しさを見ることが出来た。
なんて言ってね。
ちなみに、RIZEの初代ベーシストのTOKIEは後にベンジーとAjicoを組んだり中村達也とLOSALIOSで活動したりするからちょっと好き。