神はそれでも意地悪に僕らの魂をいつかは取り上げるのだろう

クズと思われても仕方がない赤裸々な日記。

cherub rock

2013年10月01日 00時36分01秒 | 日記
BUMP OF CHICKENの「Stage of the ground」を聴いていると、大学一年生の終わりに付き合った女の子のことを思い出す。
彼女と初めてデートした時に二人で歩きながら俺が口ずさんでいた曲だ。

彼女とは、確か半年くらい付き合っていたと思う。学食の入口で膝にローキックを食らわされたり、M市のとある服屋の前で殴られたり、あまり良い思い出は無いけれど、それでも、彼女と過ごした時間が全て無駄だったとは思えない。時には心を通いあわせたし、笑ったり、泣いたり、その辺の恋人同士と同じように付き合っていた。


彼女は俺と学年は同じだったけれど、俺よりひとつ年上だった。

彼女は高校生の頃、鬱病を患って長期間入院し、留年した経験があった。
一度だけ、その時のことを話してくれたことがある。
セックスの後、彼女は俺の隣で暗い天井を見つめながら、「早く抜け出したくて仕方なかった」と言った。「狭い病室の壁という壁が自殺防止用の柔らかいクッションで覆われてるの。馬鹿みたいでしょ」。
俺は何と言えばいいか分からなかった。黙っていると、彼女は俺にキスをして、「もうあそこには戻りたくない」と言った。
彼女は月に一度、病院でカウンセリングを受けていた。薬を飲んでいたし、時々、情緒不安定になることがあった。
俺は彼女を抱き締め、「大丈夫だよ」と言った。「俺が守るよ」と。
当時、俺は19歳だった。何の力も無く、自分のことで精一杯だった。誰かを守ることなど到底できるはずもなく、やがて俺の方から彼女に別れを告げた。
M市の駅前のベンチで彼女に別れようと言った時の彼女の目が忘れられない。
俺が何を言っているのか理解できないような目をしていた。

彼女と別れた後、彼女をたびたびキャンパスで見かけた。彼女はいつも一人だったし、俯いて歩いていた。すれ違っても目を合わせなかった。

別れてからしばらくして、俺は一度だけ彼女とセックスした。彼女は俺にキスをした後、「今、好きなひといるの?」と聞いた。俺は答えなかった。彼女は俺の胸に耳をぴったりと押し付け、ため息をついた。


彼女は今、どうしているのだろう。実家のI県に帰ったのだろうか。

俺は彼女を守ることができなかった。人が人を守ることは、とても難しい。彼女は自分を守ってくれる人と出会えただろうか。



なんて言ってね。

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