元マンガオタク。

大人になって、再度マンガにはまり気味。

ネタバレ■彼方から 第5部ラスト〜エピローグ

2016-06-23 00:00:16 | 彼方から
彼方から 第5部ラスト〜エピローグ


■第5部ラスト〜エピローグ

闇が消え、世界が変わり始め、光の方向へとそれぞれが動き始めた。
ノリコとイザークは、闇の力により排除されていた各国の政治家が要職に戻る手助けをしている。

「光の世界」は全ての根底にあり、「光の世界」を通じてノリコの元いた世界とも繋がっていた。ノリコは今の世界に留まる決断をしたが、この世界に来てから書き続けていた日記を家族の元に送ってもらい、それを作家である父が小説にして世に出した。その後も定期的にイザークに日記を送ってもらい、家族に無事を伝えている。

「イザークもあたしも他の皆もここで起こったいろんな出来事も、二つの世界で同時に存在することになるのよ。すごいじゃない?」



ポイズンベリーで「この話を小説に」ってオチに違和感が残りましたが、「彼方から」はそもそも異世界ファンタジーのせいか、ありがち感はあるものの拒否反応はありませんでした。

ノリコとイザークの二人が、光の『目覚め』と『天上鬼』としてもてはやされるのでなく、今はひそかに動いているけどいずれこの世界の一部として生活していくだろうという流れも、ひかわ先生の描く女の子達に共通する「ごく普通」な感じで良かったです。一躍有名!とか、ちょっと白々しいもんね。
ひかわ先生のこの優しい世界観が、とても好きです。

でも光の扉を開けたイザークが更に超人化してるっぽいのがウケました。それと宮殿ファッションのイザークがステキだった…

ネタバレ■彼方から 第5部

2016-06-22 00:00:18 | 彼方から
彼方から

■「緑光る小道」

ドロスと旅を続ける二人は農村に住み込みで雇ってもらう。
ドロスやイザークに何気なく言った自分の一言で彼らが救われていることを知り、ノリコは自分が大きな大きな世界の中の一部で、その世界とつながりあっていることを悟る。

「あたしの小さな力は、ドロスさんやイザークの中で何倍にもしてもらって、生かされていた」


■第5部

3人は村でジェイダ左大公の妻・娘・警備隊長に出会う。彼らもまた逃亡生活を送っていた。
ここひと月で「魔の種」を持つ人間が増えて闇の力が世界に浸潤してきているのを感じる一行。
3人に同行することになったノリコとイザークは、天上鬼を「破壊の化物とは限らない」と言うクレアジータ臣官長に会い、別れ際にドニヤ国にいるのではと聞いてジェイダ左大公を追いドニヤ国エンナマルナへ向かう。
エンナマルナでガーヤ、ゼーナ、アゴル、ジーナハース、バラゴ、そして潜伏していたジェイダ左大公、バーナダム達と再会した。彼らが、二人は『天上鬼』と『目覚め』であると気づきながら、闇ではなく光の世界に向いて進んでいると理解してくれていることを知り、深く感謝するノリコとイザーク。
軍に背いたエンナマルナが攻撃を受ける直前、蜃気楼と小爆発で兵を逃走させたイザークがエンナマルナに戻った直後、ノリコはラチェフにさらわれる。チモを使って戻るが一人シンクロで衰弱するノリコ。ノリコとイザークは被害を出さないためエンナマルナを出ようとするが、事情を知った光の地エンナマルナの族長が助けを申し出る。

「ノリコはエンナマルナが守りましょう」
「天上鬼と目覚め。ずっと二人だけで心細かったでしょうね」

ノリコをエンナマルナに託し、闇の「元凶」の力を得たケイモスとの戦いを終えたイザークと、感謝を発端に光の世界の門を開いたノリコの思念が合流。二人の光がエンナマルナを守り、「元凶」を破壊し、そして二人はラチェフの魂を救う。
闇に怯えることがなくなり、光の方向へと、世界は大きく変わり始める。



エンナマルナがノリコとイザークの味方になってくれて、そこからノリコが一気に光の世界へ行ってからは、そこら中に光をまき散らしながら果てはラチェフまで救い、「光の世界」を感じる話のたたみ方でした。ひかわ先生はこの「光」を語りたかったんだなと。ラストを知った上で読み返すと、「光の世界」の伏線がノリコにも周りの言葉にもたくさん張ってあり、首尾一貫しているお話でした。

元の世界へ帰りたいのなら…という言葉に怒ったノリコにイザークがおろおろするのとか、イザークの対ノリコ反応が変わらなくて、「光の世界」に通じたから突然悟った人になったりしてなくて、良かったー。イザークが可愛い。

エンナマルナの族長にかけられた言葉が優しくて、入り込みすぎた私は当然涙するよね(笑)その前段でジェイダ左大公の奥さんが『天上鬼』と『目覚め』だと暴露した時も涙したよね(苦笑)
そんな人に、私もなりたい。相田みつをか。

ネタバレ■彼方から 第4部

2016-06-21 00:00:38 | 彼方から
彼方から



「ノリコがいなくなったら、おれはどうなるんだろう」


■「祭の日」

二人で旅を始めたノリコとイザークは立ち寄った町の「花祭り」の手伝いをすることになる。これによりラチェフに二人の存在を気づかれてしまった。


■第4部

不穏を感じた二人は町を出るが、姿を現したケイモスにイザークは再び対峙。その隙にノリコはラチェフに捕らえられ、イザークから遠く離れた地へ空間移動させられる。ノリコが思念で捉えたイザークは命さえ危ない姿。何とかしてイザークの元へ行こうとするノリコの姿に、ラチェフの下で空間移動できる小動物チモを飼育していたドロスが力を貸す。
朝湯気の木の精霊イルクと白霧の森の住人達の魂から力を借りて、ドロスとノリコはチモの空間移動でイザークのところまで飛んだ。
ノリコが現れた瞬間瀕死のイザークに光の羽根が生え、ケイモスから逃れてイルク達の力でその場を離れた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

両想いになった二人の幸せっぷりが見られる「祭の日」
イザークが初めて声をあげて笑ったりと表情が豊かで、そして相変わらずノリコを大事に大事にしているのが、何かもうほんと。

ここにきてヤバい男ラチェフが、ノリコとイザークに直接接触。タザシーナはまぁともかく、この人はヤバ怖い。
そして、ケイモスを倒すために『天上鬼』の力を出したイザークに見えたのは、暗闇の更に奥にある小さな光。これが『天上鬼』の運命を変える希望だと、二人の旅は続くのです。

遠い地からイザークの血まみれの姿を見たノリコの取り乱しよう、イザークの所へ向かう強い表情…。イザークが見たら、号泣必至。

ネタバレ■彼方から 第3部

2016-06-20 00:00:10 | 彼方から
彼方から

■第3部

ガーヤの姉ゼーナを頼ってグゼナ国へ入った一行。
ノリコの気持ちを嬉しく思う反面、『天上鬼』となった自分がノリコを手にかける不安からイザークは思いあぐね、その態度がノリコを傷つけていることに悩んでいた。
その矢先、捕らえられたノリコを助けに行くため仲間たちの前で『天上鬼』の姿に変貌したイザーク。理性を失い破壊の衝動に突き動かされる『天上鬼』にノリコが駆け寄り、イザークは我に返った。
一連の出来事で、自由都市リェンカの支配者ラチェフの占者タザシーナが『天上鬼』と『目覚め』に気付き、ノリコはそれを知らされる。『目覚め』によりイザークが『天上鬼』となるのを避けるためイザークから離れようとするが…

「そばにいてくれ、ノリコ。おれと一緒にいてくれ」

イザークは自分の想いを告白。『天上鬼』と『目覚め』の運命を変えるため、ノリコとイザークは二人だけで旅立った。



想いが繋がった二人。それまで誰とも深く関わろうとしなかった彼が、ノリコに一緒にいてほしいと伝えたのはすごく重い。第3部は『天上鬼』と『目覚め』にとっての転機だけど、少女マンガ的には禁断の恋・成就!という神パートでした…
イザークの告白はぜひ本編で確認してください!一言だけど、イザークの口から出たと思うと悶絶なので!


補足…
ガーヤとゼーナの一行は、その後ジェイダ左大公のように世の中のおかしな流れの中排除されていった大臣達を探し、彼らを繋げるため旅に出ます。
そして、バラゴは25歳だという衝撃の事実が、第3部の柱で明かされました。まさかの20代…!

ネタバレ■彼方から 第2部

2016-06-19 00:00:49 | 彼方から
彼方から

■第2部

数ヶ月でカタコト程度まで言葉を覚えたノリコ。イザークから、樹海のことを口外せず、身寄りのない娘として生きてゆけと言われ、彼の旧知のガーヤに預けられる。しかし内乱に巻き込まれ、ノリコの身を守るためにイザークは再びノリコの元へ。ノリコは耳にした話から、自分が『目覚め』なのではとかすかな疑念を持つ。

ガーヤは内乱により冤罪で追われているジェイダ左大公を隣国グゼナへ亡命させるため、化物が出るという白霧の森を通る決断をする。
白霧の森で闇の力に襲われ、ノリコは朝湯気の木の精霊イルクと出会った。白霧の森を抜けた一行は隣国グゼナに辿り着く。
その直後、闇が再びノリコとイザークをさらう。ノリコを助けたイザークは力が暴走し、『天上鬼』の姿になってしまう。ノリコから離れようとするが、ノリコは『天上鬼』のイザークに口付けをする。

「一緒にいて。あたしはイザークが好き。どんな姿でもいい。何者でもいい…」



序盤の山場。
天上鬼の姿をノリコに見せたくないイザークの気持ちが、自分の親からも怪物と言われ殺されかけた過去があるだけに痛々しい…。
でも全て受け入れたノリコ。

全編に通じるノリコのスタンス。

「あたしのままでできること、それは何だ」
「今の自分ができることに集中するんだ」

それは言葉を覚えることであったり逃げることであったり感謝することであったり、特別じゃないことばかりだけど、そんなノリコがイザークや周りの人たちを『目覚め』させていっているんじゃないかと思う。

登場人物が盛りだくさんになってきて、第1部同様あらすじからはかなり割愛しました。なので、こちらでご紹介。
ちなみに樹海があり、二人が出会ったのは「ザーゴ国」

第1〜2部の人

【自由都市リェンカ】

・ラチェフ…リェンカの支配者。『天上鬼』と『目覚め』を手に入れようとしている。

・ゴーリヤ…ラチェフの占者。じいさん。

・ケイモス…リェンカの傭兵。イザークに敗北し、リベンジのためラチェフの手配で闇の力を得る。

・ジーナハース…盲目の占者の少女。占い結果が一致したため『目覚め』=ノリコであると確信している。

・アゴル…ジーナハースの父親で、リェンカの傭兵。『天上鬼』と『目覚め』の行方を追うようラチェフから命じられている。成り行きでノリコと同行しているが、ラチェフの命で探しているのがイザークとノリコだと気付いている。

【ザーゴ国】

・ガーヤ…イザークの古い知り合いで、元・灰鳥族の戦士。隣のグゼナ国に姉がいる。

・ジェイダ左大公…クーデターの濡れ衣で追われている。警護役バーナダム、息子2人と逃走中。

・バーナダム…ジェイダ左大公の警護役。若く血気盛んだが優しい。ノリコに恋心を抱いている。

・バラゴ…しょーもない王子ナーダの元にいたが離れ、イザーク達と行動を共にする。

【白霧の森】

イルク…朝湯気の木の精霊イルクツーレ。闇に囚われた白霧の森の住人の魂を救うため、ノリコの助けを借りて森に張られた闇の結界を解く。