元マンガオタク。

大人になって、再度マンガにはまり気味。

若干ネタバレ■脳内ポイズンベリー

2016-06-05 00:00:42 | 脳内ポイズンベリー
脳内ポイズンベリー(全5巻)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

いちこ(30)は、合コンで早乙女(23)と知り合い、付き合うことになったりカン違いがあったり元カノ乱入したり、別れたり乗り換えたりヨリを戻したりする。

このマンガは、いちこの頭の中で繰り広げられる脳内会議録。

会議メンバー…議長・吉田、ネガティブ池田、ポジティブ石橋、感情のハトコ、記憶係・岸。そして黒い女。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

作者いわく「脳内会議こそがアイデンティティ」。

何か行動したり発言したり決断したりするときに、あーでもないこーでもない、こーかもしれないイヤあーかもしれない、と色々思考したり、それでも理屈じゃなく感情でガーッと動いてしまったり、一貫性があったりなかったり…そんな頭の中を実況中継しているマンガです。
普通なら主人公のモノローグで語られるところを、全て会議メンバーの発言にしてあるところが斬新。でも実際の思考って正にこんな感じな気がする。

早乙女とヨリを戻してからの、早乙女の地雷を踏まないためのルール作りとか、ハトコ(感情)の盛り上がらなさとか、身に覚えがありすぎてリアリティ満載で、石橋の消失が涙が出そうなくらい辛かった!
そしてお別れの時の「早乙女のことが好きだった。でも、早乙女といる自分は好きじゃない」
これもリアリティというか…いちこがやりきった以上に、私が自分の感情を整理できてスッキリ。

映画化していることは読後に知ったのだけど、確かにこれの映像化は面白そう!ネットで見た評判では吉田役の西島秀俊が秀逸だったと。アニメ化でもよさそう、というか動くのが合いそうなマンガ。

最後の最後、仕事で脳内会議を執筆というくだりはありがちで余計だったかなという気はしましたが。越智さんとのやり取りにはやはり必要だったのか…
いかにも少女マンガしたキラキラな絵柄ではないところが、このマンガの世界観にマッチしていると思います。絵が違うと駄作だったかもしれない。


早乙女(彫刻アーティスト)から贈られた自作オブジェ・おさかなとチューリップ。この組み合わせの意味は「どっちかは息が出来てない」
早乙女といちこ、どっちかが息が出来ていなかった状態から最後はどっちも息が出来なくなってしまっていた。終了記念の思い出ロールでハトコがサカナを泳がせてやり、それでどっちも息が出来るようになったんだ。
この小道具は、すごかった。