Akatsuki庵

日々と向き合って

『鳥獣戯画がやってきた』

2007年12月13日 00時12分56秒 | 美術館・博物館etc.
サントリー美術館 ※12/16まで

茶の湯と鳥獣人物戯画、そんなの関係ねぇ!
と云う事なかれ。

今秋、東京に茶の湯フリークに来て、東博(大特別展)→出光→サントリーのコースを巡った人は少なくないのではないかなー。
(と、各ブログを見てて思った)

サントリー美術館が茶道具を多く所蔵し、かつ館内に玄鳥庵という茶室を擁していることもあるが、茶道やっている人は鳥獣戯画に興味を持ちやすい、という背景もある。
何故ならば、もともと鳥獣戯画があったのは京都・栂尾の高山寺。
高山寺の開祖は明恵高弁。
その明恵さんは栄西さんが中国(当時は宋)から持ち帰ったお茶の種をもらい、それを寺内に植え、それが茶園となり、その栂尾茶の評価が高く、やがて日本でお茶が喫まれる風習が定着するに繋がるワケ(らしい)

3年前に茶道の研修で高山寺へ行き、茶畑を見た。
(もっとも、明恵さんが茶を植えた場所とは関連ないらしいけど)
同じグループにいた某氏は「鳥獣戯画の模様がついた汲み出しが買いたい」と言ってたなぁ。
残念ながら、すでに生産はしていなかったが、今回の展覧会で、グッズ売り場にまさにその汲み出しがあったなぁ。
汲み出しでなくても、鳥獣戯画が描かれた抹茶茶碗はよく見かける。
(私も1つ持っている)

だから、何?のレベルなんだけど。

要するに、鳥獣戯画には茶道愛好家を惹きつける魅力があるのである。
そして、サントリー美術館にも魅力があると思う。

なんだかんだと言いつつ、この春に移転オープンしてからというもの『日本を祝う』『水と生きる』『屏風』、そして今回と全て足を運んでいる。
こけら落としの2つの展覧会には若干だが、茶の湯と関係する展示もあった。
また、奇数週の木曜午後のみ別料金でやってる呈茶も行った。(茶室目当てで)

さて、鳥獣人物戯画そのものは茶の湯に結びつかないけれど、モノはユーモラスで素晴らしい。
絵のタッチがのびやかでユーモラス。
茶の湯が関係するといえば、鳥獣人物戯画の系譜というか後の桃山時代に描かれた『鼠草子絵巻』に少し登場。
鼠の権頭が人間のお姫様と結婚を果たすが、正体がバレて逃げられ、悲しみのあまり出家するという話なのだが、婚礼の場面の隣に茶の湯の鼠利休が台子の前身の風炉釜据えた棚の前にいる絵が描かれている。
(当時の茶道の位置取りを垣間見れる)

サントリー美術館もいい道具あるのだから、来年は茶の湯道具の企画展してほしいナ。
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