Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

秋季特別展『千宗旦』

2007年12月12日 13時48分26秒 | 美術館・博物館etc.
茶道資料館(京都) ※12/19まで

最近は京都に来る度に一応、立ち寄る。
呈茶席、珍しく(?)とゆうか初めて点前を拝見できた。
団体客がいるでなし、予約してお願いしたわけでもないのに。
で、お茶碗が田原陶兵衛さん。
つくづく今年はよく出会うなぁ。
後からいらしたお客様は辻晴明さんに細川護煕さん。
逸品揃いなのは、特別展ゆえか?

展覧会は表千家が手紙に終始したのとは対照的に掛け物、道具がずらり。
一階は宗旦ゆかりの道具。
長次郎茶碗に直筆の「邂逅比丘不期明日」「今日」、自作の花入に茶杓など。
二階は宗旦の息子たち、弟子(宗旦四天王?)ゆかりの道具。

「邂逅~」のエピソードは何度か聴いたことはあるが、
なんだかねぇ、宗旦さんって、屁理屈っぽいキャラだったんだなーと思う。
これまでは仕官を嫌い、悠々自適な自由人という印象があったが、
今回の表裏双方の展示を見て、
「実は周到に時代の波を泳ぎ、要領よく立ち回った“ソツのない人物”だな」
と印象が変わった。

ただ、唯一の泣きどころが長男・宗拙だったのかなと。
裏千家でも、肖像画や自作の花入など珍しい品々が出してあった。
宗拙さんは茶道を嫌っていたのではなく、たぶんとても好きだったのだろう。
ゆかりの品を観ていたら、そんな気がした。
激しい性格だったというが、長男だし後継ぎだという自覚や
プレッシャー、プライドの高さも当然あったのだろう。
だから、仕官などせずに一家の主として京都にずっといたかったのではないか。
仕官そのものに不満があったのかも。
また、宗旦は後継を決める判断として、
千家存続の為に権力に対して折れない性格の後継ぎでは困るし、
柔軟性のある性格が好ましいとして、それを理解しなかった長男に対して、
勘当という厳しい措置を取らざる得なかったのかなーという推測もできるような、展示内容だった。
(3人の弟たちも長兄に対して、何やら遠慮があるような。。。
と書いたら、大げさすぎるだろうか)

茶道資料館の展示、「家元」という強みはあるものの、道具のグレードに関しては少しパンチが弱い。
(大名物とか中興名物ないしね。いい道具は疲弊した時代に手放してしまったのかなぁ)
なおかつ、展示目録を出してないのも、つらい。
以前は企画展の度に図録を発行していたみたいだが、
3年ほど前からやめてしまったみたい。
ならばせめてリストぐらいはほしい!
そこら辺で手間暇をを惜しむなぁ~!
(流派の同門者だけでも、来館者数は多いんだし)
なんて、とても言えないわなぁ。
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