Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

新緑と祭りと、茶道具?

2010年05月08日 06時59分47秒 | 美術館・博物館etc.
『新緑祭釜』 北村美術館 ※6月13日(日)まで

北村美術館は毎回、季節の一瞬を切り取るテーマで茶道具を展示するのが特徴。
今回のテーマが「新緑」と知った時点で「見るならGWに」と決めていた。
(会期は3月~6月の丸3ヶ月間と長い。
季節が合ってないと、印象がしっくり来なくて違和感を感じながらの観賞になるので

5月の京都は祭りが多いのだとか。
ワタシが知っているのは京都三大祭の1つである葵祭くらい。
でも、実際には御霊祭、今宮祭、日吉祭、稲荷祭など10余あるらしい。
(さすが京都

そんな時期にかける茶席の取り合わせ。
掛け物がちょっと面白い
寄付は槍持奴の大津絵、小間の濃茶席は葵祭祭礼之文(消息? お手紙)
そして、広間席が源氏物語より車争の図。

平安時代、貴族の牛車同士が行き違う際、どちらが道を譲るかで喧嘩が起こった~
とは高校時代の古文の授業で習ったけど
あ、そうか。地方には「喧嘩祭り」ってあるもんねぇ
ちなみに、寄付の火入が古染付で御所車が描かれていて、繋がりがある?

寄付といえば、湯沸しと瓶掛が置かれてあった。
瓶掛は伊勢神宮の祭器らしく、これがミソ。
ではあるけど、「セルフ方式みたい~」と思ってしまった。

「いつもと違うなぁ」と思ったのは、「小間」には炉の設え、
「広間」には風炉に設えが展示してあったこと。
前々回までは釜は1つ、炉縁ないし風炉も1つで広間で初座と後座として見せていた。
前回から「小間」と「広間」に移動する見せ方に変わった?
(前回も茶釜が2つ出ていたので、「あれ?」とは思った)

新緑とは4月から5月にかけてだから、季節の変わり目を表現しただろうか。
たぶん、炉用の重餅釜(道仁作)を出したかったから、“苦肉の策”かなぁ。

ただ、いつもは実際の茶事の会記を再現したような取り合わせなだけに、
「祭り」に合う取り合わせを優先させたセレクトに違和感が残った。

もっとも、「祭り」を連想させるウィットを効かせた道具があちこちにあるので、
これからの季節は探しながら観賞すると楽めそう。

美術館の階段の踊り場から見えた北村邸にかかる青楓がとても清々しかったのも、
今回は印象に残った。

★参考 当ブログにおける過去の北村美術館
2009秋『秋興の茶』
2009春『牛歳余春』
2008秋『深秋のころ』
2008春『吉野懐古』
2007秋『暦年の茶』

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