Akatsuki庵

日々と向き合って

茶の湯釜

2008年11月01日 05時58分48秒 | 美術画廊・ギャラリー
長野垤志一門展
京王百貨店新宿店
※11月5日(水)まで ☆お茶席あり

 二代目長野垤志さん、息子の長野新さん、江田さんによる展覧会。
 江田さんは人間国宝だった初代・垤志さんのお弟子さん。
 先祖は天明鋳物師で、後の代は宮城へ移り伊達藩御用鋳物師となった。
 現在も天明釜のふるさと・佐野市在住。

 茶釜は合わせて30点ちょっと。
 ほかは五徳、花入、蓋置、蝋燭立てが少し。

 垤志さんの作品は毎年春の同舟展で拝見しているし、昨年の日本伝統工芸展でお三方の作品を観た。 

 なんといっても、茶の湯釜がいい。
 釜肌がスキッとしているし、霰も丁寧、絵柄も上品。

 個人的には、長野新さんの作品がいいなぁと思う。
 小ぶりの釜もいい形だし、茶飯釜も面白い。
 最近の若手茶人さんの茶会でも、新さんの茶釜が出ていることが多いかも。
 
 また、垤志さんの色紙に描かれた点前をする河童の絵が可愛かった。
 茶席の寄付にも河童が描かれた短冊があった。

 八畳間のお茶室にて一服いただく。
 流派が連日交替で担当されていて、昨日は表千家のお席だった。
 ひと足お先(?)に炉。
 (急に寒くなったから、ちょうどよかった)

 デパートの中なので、当然のことながら電熱炉。
 そして、電熱炉ゆえに深さが充分とれないのがデメリット。
 でも、それに合わせて、高さが半分くらいの茶の湯釜が懸けられていた。
 (もちろん、垤志さん作)
 そう云われれば、この前に読んだばかりの本でも、似たことが書かれていた。
 「マンションで炉が深く切れない。なので、透木釜をさらに平釜にしたものを特注云々」
 
 なるほど。
 この茶釜は透木釜でもなく、遠目に見ている分には普通の炉釜。
 近くで拝見して、高さ半分に気がつく。
 (それでも、柄杓に20杯以上の湯が入るそうだ)

 現代の釜師さんも時代の住まいに合わせて、工夫されているんだなぁ。
 と、そこも感心した。 
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