アイヌ民族関連報道クリップ

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◆アイヌ民族を先住民族と記述せず 国際人権規約政府報告 背景に土地返還や補償問題

2006-12-30 07:11:00 | アイヌ民族関連
北海道新聞 2006/12/30 07:11
 国連人権理事会が六月に「先住民族の権利(先住権)に関する国連宣言」を採択し、先住権を認める世界の潮流が強まる中、日本政府は今月二十日に提出した国際人権(自由権)規約に関する報告でも、アイヌ民族については、なお先住民族との記述を避けた。国際的には「アイヌ民族は先住民族」との見方が定着しているが、政府は、認知すれば、アイヌ民族の土地の扱いなど、先住権の問題が生じるため、姿勢を変えようとしていない。(編集委員 村山健)

 「実際に行った施策を書くもので、取り組んでいないことは書かない」

 外務省人権人道課の担当者は規約に関する報告について、そう話した。

 報告の中身は結局、アイヌ文化振興法(一九九七年制定)に基づく施策と、道の生活向上関連施策を紹介しただけ。前回の九八年の報告と同様、国連の規約人権委員会が、アイヌ民族について、言語、高等教育の差別や、先住地に関する権利が認められていないことへの懸念を明らかにした所見には、全く触れていない。

 「先祖伝来の土地に暮らし、言語、文化、宗教などで他の民族とは違う独自性をもつ一方、近代国家の成立にあたって、国家から従属されたり、侵略されたりした民族集団」。国連宣言によると、先住民族はそう規定される。

 北欧のサーミやオーストラリアのアボリジニなどのほか、道内に先住しながら言語、土地などを奪われ同化を強いられたアイヌ民族も該当する。

 国連宣言は自治権、土地・資源の所有・管理権、民族の言葉を学び教える権利など、先住権を初めて総括的に定めた。先住民族の人権を目に見える形で回復させたいとの意志を示したもので、道ウタリ協会も「世界的な流れは変わらない」とみる。

 同協会は先住権を根拠に、自立化基金の創設やアイヌ民族代表を加えた国レベルの審議機関の設置などを求めてきた。だが、政府はアイヌ民族の先住性と独自性を認めながら、先住権が政治的な分離・独立や土地の返還、補償の要求といった権利も含むため先住民族とみなしていない。誰をアイヌ民族とするかという敏感な問題にも踏み込まざるを得なくなるからだ。

 これに対し、道ウタリ協会の阿部ユポ副理事長(札幌)は「政府は早くアイヌ民族を先住民族と認め、権利を侵害してきた『負の歴史』を清算すべきだ」と話している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061230&j=0023&k=200612296132


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