昨晩は「開明の道を編む」の企画をして頂いている今井俊博氏主宰の「ゆうど」で催されている”茶の風流”に出かけた。題して”茶坊主集まれ!!”
車の往来の頻繁な目白通りを1本道を入ると、虫の音も聞こえてくる武蔵野の風情が残る庭のある一軒家がゆうどである。木造、漆喰の壁、タタキ床・・・など、同氏が常日頃仰られているモンスーンアジアの気候風土に合った家屋がそこにはある。今回は”ゆうどを庵に見立て、ふだんのお茶の遊具たちを提案。”福岡の若手の陶芸家石原稔久の土の香り豊かな作品が数多く出品されている。他にリチャード・フレイビンの手漉き和紙と古道具、伊吹美野里の布小物、ZAKKI、松藤洋の古材木工・・・。
日頃は静かな佇まいのゆうどであるが、昨晩は20歳代の若手アーティスト集団のコンサートが催された。庭を舞台に、縁側や座敷を客席にして、秋の夜長を楽しませて頂いた。ビデオは「蕾裸」であるが、素朴に心情風景を歌っていたのに好感が持てた。「古代野蛮ギャルド」は手づくりの竹笛で静かにそして激しく、五感で演奏している風であったが、最近の”オーガニック”、”スローライフ”、”ロハス”のような、ファッション的な世の中の柔な動きに警告を発しているように聞こえてきたのは私だけだろうか。ファッションやデザインではなく、自然と一体となった、泥臭く蛮な香りのするライフスタイルが求められ始めているような気がしてきた。
言葉を変えれば、世の中の何もかもが実体の希薄なバーチャル化の傾向にある中で、本物に接して感動する機会をもう一度取り戻したいという願望を世の中の人たちは抱き始めているように思えてきた。