─光る波の間─

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日比野克彦『人はなぜ絵を描くのか』展。→アーツ千代田3331

2010-11-14 19:20:52 | 音楽・映像・アート
日比野克彦個展『人はなぜ絵を描くのか』を観に行ってきた。[アーツ千代田3331]

カフェにてまずは腹ごしらえ。

(※クリックすると大きくなるよ!)

秋田フェア(?)中で、秋田の農産物を利用した特別ランチが提供されてた。
私がいただいたのは杜仲豚の挽肉入り米粉パスタ。

もちもちしていて歯ごたえがあるけど、ぷつぷつ切れやすいフシギな食感だった。

日比野さんの作品を生で観るのは実は初めて。
用事を済ませたらどこに行こうか、どの美術館に行こうかと
前日にネットであちこち探していたら、施設的にも一番興味が湧いて、
そういえば糸井さんとこでも告知があったなと思い出して、
入場料500円という価格にも惹かれてw行くこと決定!

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主に中南米、アフリカを巡りながら描かれたドローイング。
おなじみのダンボール作品。(協力にレンゴー株式会社が入ってるのがさすがw)
朝顔プロジェクトというのもあって、展示の中で朝顔の種を無料配布していた。

折り紙のボートの中に種。日比野さんのメッセージとともに…。

いつも感じることだけども、実際にこの目で観ることの素晴らしさよ。
どれほど言葉を尽くして語られても分らないことが、観れば腑に落ちてゆく。
そして、「考えるな感じろ」とよく言われるけど、感じるのも受身でできることじゃなくて、
自発的な積極的な、知りたい・感じたいという意欲みたいなものが要るよなぁと思う。
何も考えてない隙間に突然ガツンと入ってくる作品・表現もあるけれど、
それにしたって、たぶん、無意識下で何かが起こっていたはずだ。

少し前糸井重里さんが「書が分らなかったけどある人に、書は極端に言うとカタチも
書いてあることの意味もどうでもよくて、その筆致を辿っていって、
書いた人の思いを辿ってそれを感じればいいんだと言われて、そうかと思った」
と仰っていたけれど、ドローイングも同様なんじゃないかな。
印刷だとのっぺりしてしまってマチエールが分りにくいけど、実物は痕跡が分る。

実は今は大好きな奈良美智さんも、かつてはやっぱりどこがアートなんだか、
なぜ高い値段がつくのかよく理解できなかったんだ。
けど生で観たときの感動ったら無かった!何度も繰り返されただろう重ね塗り。
繊細なぼかし加減や色の深さに、制作過程が想像されて、
そこにある思いやエネルギー、作品の発する言葉が、ふわぁっと匂い立ってきた。

日比野さんの作品を前にしたとき、とにかく、「線が生きてる」ということを感じた。
ぐちゃあっと描かれているような簡単なスケッチでも、私など(比べるなw)と
圧倒的に違うのは、ラインに宿る生命力。

ふと会場を見渡すと、天井の蛍光灯のどこを点けてどこを消しておくかとか、
何本点けておくのかとか、うまいぐあいに調節してるなーなんてことにも気付く。
だから「フランス」のエリアの目が痛くなるほどの明るさは効果抜群だ。
壁と同じ真っ白なイスが背中合わせに置かれていて、外からさっと見たときはまるで
「明るい午後の日差しのオープンカフェ」がイメージされた。
(その裏側のエリアはライトダウンされていて、水中に浸れる)
けれど、内容はまったく異なるんだ。

ホテルの一室に閉じこもって、時間と切り離された日比野さんの制作活動が
順を追って展示されていた。
そして、そのときの感情・感覚が薄いグレーのカッティングシートの文字により
壁面に浮かんでいる。
描かれていたのは、部屋の中にあるものばかりだった。
ベッド、ライト、ゴミ箱、カーテン、コップ、たまたま侵入していた蜂・・・

  予感、創造のピークがやって来た瞬間、去っていくその瞬間への未練。

何かを見つめ続けていると、その映像に脳はぐにゃぐにゃと勝手に手を入れてくる。
歪んでうねる視覚。
日比野さんのドキュメンタリー(過去)と、私の現在が重なり合う。
白い壁面がぐにゃりと曲がり、ドローイングに補色の陰影が現れる様を観察していると
どっか違うところに飛んで行きそうだった。

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他にも新進作家や学生の無料展示、ショップ、レンタルオフィス、屋上菜園とか、いろいろ。
ワークショップも開催されてたり。

  
きれいにリフォームされたところとかつての学校のまんまのところと
コントラストがおもしろくて、靴箱もそのまま「職員用」とか表示が残されてたし、
たくさんのフライヤーが置かれているボックスも古い木造の棚のまま。
子供が走り回っていたり、美大生がたむろってたり、不動産情報が張られてたり、、、


“はんだづけカフェ”ってなんだかすごいネーミング。
はんだづけのワークショップ中だった。満員御礼だって。


これすごくかわいかった。

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湯島天満宮に行くついでに、やなか珈琲湯島店で豆購入。


湯島天神は七五三と菊花展で人がいっぱい。
おみくじは大吉だったんで財布に入れて持ち帰り。
さて時間。マイタワークラブに行くには足りないけど、新幹線まで微妙に空いている。
どうするか?ダッシュで西洋美術館に行ってデュ-ラー・版画素描展へ。
しかしじっくり観る時間が無いのに小さくてとにかく細かい作品ばかり。
そして、内容は新約聖書のことがほとんどでorz
落ち着いて考えればわかることだったのに・・失敗した。
どうせならルドンを見るべきだったわ。[19世紀フランス版画の闇と光]

まあ…、描かれた聖書のエピソードが『聖☆兄』に脳内変換されてしまって、
けっこう可笑しかったんだけどもねw

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