BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

こざわ

2011年11月29日 | その他
 ふと、小沢駅。きっとこんな駅は、深々と降る雪が似合うだろう。
 函館本線 小沢(こざわ)駅。むかしこの駅から岩内線が出ていた。
 しかし、1985年7月1日 小沢・岩内間は廃線となった。今から26年前だ。
 アタシの古くからの何人かの知り合いは、海の町からこの岩内線に乗って東京へ
 でた。函館から青函連絡船に乗って、だ。 

Code

2011年11月27日 | 古本
 店には開店5分前に着いた。店舗入り口にはもう数人の男女が並んでいる。どう
やら時間丁度のオープンドアらしい。アタシは寒い外で待つのは御免なので、車の
なかで待機し様子を窺っていた。車内の2分遅れているデジタル時計が9時58分
になった。待っていた人たちは早足で入店したようだ。アタシが狙っていた本がそ
の人たちに先を越される心配はないだろう。もう書架のあり位置も把握しているし。
 待っていた人たちは右手にケータイ、左手には買い物カゴという、均一セール
お馴染みの光景だ。不思議なのは単行本というよりは同じ通路の背にあるビジネス
系を主に、ケータイのなにかと照らし合わせている。彼らはどこかのプロの古本屋
さんからの仕入れ要員なのだろうか(バイト?)。しかし1冊500円で仕入れて
いくらで売れるのだろうか心配だ。(笑)
 アタシの狙いはある1冊だったが、この際という気合いも十分にあった。
 502ページ+654ページ+493ページ 合計1649ページ。期せずして
今回の収穫は倍の6冊以上のアツミがある。そのアツミにほくそ笑んだ。(笑)

 ①「獄 中 記」 著者 佐藤 優   岩波書店  定価1900円+税
  ( 2006年12月6日 第1刷発行 )
 政治家、官僚の不作為体質を批判するが、現行の司法制度には理解を示す。流石
に洗礼を受けた宗教社会学者だが「国策捜査は冤罪事件とは異なる」という意見は
どうか。司法検察はいかようにも事件を捏造し、証拠を改ざんし、無実の人間を貶
めるではないか。

 ②「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」著者 佐野 眞一 定価1995円
  集英社インターナショナル ( 2008年9月30日 第1刷発行 )
 沖縄その戦後の負の歴史を、佐野 眞一という腕力で逆照射した。多くのメディア
論調というテーブルをひっくり返えした。足と気で書く人には誰も敵わないのだ。

 ③「暗号解読」 著者 サイモン・シン  新潮社 定価2600+税
   訳者 青木 薫 ( 2003年11月30日 13刷 )
 古代の世紀から現代までの戦争は、物理学から化科学の戦争へ、そして今は暗号
数学の戦争だという。きっと今は、地球上も宇宙も無数の秘密暗号が飛び交ってい
る社会。

 薪

2011年11月24日 | その他
 この秋から薪ストーブを焚いていた。庭の木を大幅に剪定して天日にさらしていた
ものや、「さっぽろ薪プロジェクト」による不要木材の配布で拾ってきた薪だ。
 その薪ももう燃え尽きたので石油ストーブに替えたが、薪ストーブは味わいがあ
った。あっという間に部屋が暖まることや、ある程度ストーブにかまってないと燃
え方が一定にならない。手がかかって面倒なのだが、そこが面白い。
 安いブリキのストーブ(3580円)と、短い煙筒を買うことで十分に「薪」を
楽しめた。今月の灯油代は例年より半分で、元はとれたことになる。
 薪ストーブとテレビのない暮らし。(7月24日でTV画面は砂あらしになった
ままだ)これって昭和30年代の暮らしに戻ったといえる。(笑)

支 持

2011年11月19日 | 古本
 ①「超能力株式会社の未来―新発作的座談会」 椎名 誠 沢野ひとし 木村晋介
  目黒孝二 本の雑誌社 定価1600円+税
  ( 2000年6月15日 初版第1刷発行 )
 もう買うまいと思っていたのだが、咄嗟に手が出た。なんだか気の抜けたサイダー
的になってる。いくらんんでももう止めた方がいいのでは。台所事情?
 ②「私広告」 椎名 誠 沢野 ひとし  本の雑誌社 定価1500円
  ( 1993年4月20日 初版第1刷発行 )
 シーナさんと誰かとの対談や共書は、1/2+1/2的で1+1=2にならなくな
っている。
 ③「もう少しむこうの空の下へ」 椎名 誠  講談社文庫 定価495円+税
  ( 2003年8月15日 第1刷発行 )
 しかしやっぱり未読があると手が伸びてしまうのは、しょうがない。
 ④「私たちが好きだったこと」 宮本 輝  新潮社 定価1500円
  ( 1995年11月25日 発行 )
 結局作家さんがそれぞれに書く小説とは、永遠に終わらない続編を書き続けている
ようなものか。
 ⑤「草すべりーその他の短篇」 南木 佳士  文春文庫 定価571円+税
  ( 2011年9月10日 第1刷 )
 解説で重松 清さんが<オレたちには南木 佳士さんがいるじゃないかー!>という
のは頷ける話しだ。
 ⑥「渋 谷」 藤原 新也  東京書籍 定価1500円+税
  ( 平成18年6月26日 第3刷発行 )
 ⑦「チベット放浪」 藤原 新也  朝日選書 定価900円
  ( 1984年12月20日 第5刷発行 )
 ⑧「私のマルクス」 佐藤 優  文藝春秋 定価1619円+税
  ( 2007年12月10日 第1刷 )
 我田引水、自画自賛的傾向はあるが、カリスマ・天才振りをさらっと言えるのも
佐藤さんらしい。
 ⑨「放送禁止歌」 森 達也  知恵の森文庫  定価648円+税
  ( 2003年7月15日  3刷発行 )
 ⑩ 「職業はエスパー」 森 達也  角川文庫 定価781円+税
  ( 平成14年9月25日 初版発行 )
 対極にあるものごとを根本から問い直す書業。アタシは森さんを支持する。

無 人 駅

2011年11月16日 | 新 刊
 無人駅の旅から戻ると、朝刊の新聞広告が目についた。渡辺 一史さんが8年振り
の新刊を出している。しかも「北の無人駅から」というタイトルだ。どんな内容な
のか気が逸った。次はどんなテーマに取り組んで書くのか、期待もしていた。
 以前のタイトル「こんな夜更けにバナナかよ」は、講談社と大宅壮一ノンフィク
ション賞をダブル受賞していた。アタシは読んだあとにもう1冊買った。誰かに差
し上げようとして。アタシの生涯、泣けた3冊の内の1冊になったからだ。

 初版発売日は10月31日となっていたが、30日に念のため書店で探すとすで
に置いてあった。そうか、単行本も発売日付けの何日か前には店頭にならぶんだ。
それを買ったのは初めてだ。なんしろいつもは帯のないホコリある古本ばかり読ん
でいると、そいつは知らなかった。

 既に撮った駅と、これから撮る予定の駅にまつわる話しが791ページに渡って
書いてあり、読み応え2冊分の濃さだ。面白くて夢中で読んだ。鉄道駅にまつわる
話しはその地域の歴史そのものだ。

 以前から読みたかった「北海道の鉄道廃線跡」もダブルで買った。「北海道鉄道
駅大図鑑」と同じ本久 公洋さんの著作だ。大図鑑はアタシの無人駅の旅のお供本。
いつも図書館で借りているので、そのお礼も兼ねて。2500円+2400円+税
の出費は、この寒さのなか車中泊で済ませた自身へのご褒美じゃ。(笑)

 「北の無人駅から」 著者 渡辺 一史 北海道新聞社 定価2500円+税
  ( 2011年10月31日 初版発行  写真 並木 博夫)
 「北海道の鉄道廃線跡」 著者 本久 公洋 北海道新聞社 定価2400円+税
  ( 2011年9月10日 第1版1刷発行 )

 ※カテゴリーに『新 刊』を追加した。いままで「古本」の中に入れていたが、
  「時にはアタシだって新刊を買うのだ宣言」みたいな。

土偶ちゃん

2011年11月11日 | その他
 この10月にオープンしたばかりの道の駅「縄文ロマン南かやべ」に寄った。
そこに併設されている「函館市縄文文化交流センター」で、国宝の〔中空土偶〕を
見たかったからだ。
 まだ出来たばかりのバイパス沿い(旧 南茅部町の海岸沿いを迂回する山側の新
たな国道)にあって、そこが工事半ばの行き止まりだった。ほかの道の駅では散々
みる案内標識はまだ不備だったが、とりあえず無事ついた。当分は臨時駐車場も設
けられていて、話を聞いた係員さんはオープン時にはそこが一杯になったと張り切
っている。
 「中空土偶」は別格として部屋が与えられ、特別に遇されている。よくこれほど
までに無事な姿で土中に何千年(約3500年前)も眠っていたのかと感心するが、
展示の土偶そのものは暗くてよく見えない。アタシは目を更にして上下左右裏表を
凝らした。見張り番のおばさんに聞くと、月明かりでみるイメージらしく、目の感
度が落ちているアタシには少々つらい。となりで見ていたおじさんたちも同意見だ
ったが、どうやら土偶さんは暗いほうが好きで、恥かしがり屋なのだろう。とも角
とてもカワイイのは確かだが。
 しかしどこでもお役所のつくる施設はネーミングが堅くて長い。
 「道の駅 縄文ロマン南かやべ」と「函館市縄文文化交流センター」は同じ敷地
内の同じ施設内なのだから、つなげて「道の駅 土偶ちゃん」くらいに、シャレた
名前は付けられなかったものか。(笑)

北 豊 津

2011年11月09日 | その他
 地の高低ではなく、草木だけがこの駅舎の見通しを悪くしていた。
 駅に至る道幅を広くしたり、舗装にする必要はなさそうだ。
 北豊津駅にも、1台のマウンテンバイクが停まっていた。
 無防備にも錠前チェーンなどは施錠されていなかったが、ここではそんな必要も
 なさそうだ。そこに立ち寄るのは本人と、秘境駅ファンの人たちだけだろうから。
 駅ノートにも、間違いなく全国からここに訪れていることが記されていた。
 周りは自然回帰していて、駅から僅かな距離に一軒だけ民家があった。
 もし大都会なら最強の立地だと思うのは、俗人に過ぎるだろう。
 そんなことにお構いなく、家主はひっそりと静かに生活しているようだ。

東 山

2011年11月07日 | その他
 確かに細い幅の防風林に挟まれて踏み切りと線路が在った。木々の葉も緑が抜け、
落ち、少しは見通しがいい。100mに設定したカーナビには、駅が在ることを表示
し、踏み切りも警告した。渡ってすぐ農地にトラクターで踏み固められた通路があり
そこを入った。カーナビの駅はすぐ隣だと表示したが、いく道がない。来た通路を
引き返し踏み切をゆっくり渡って目をこらすと、僅かにホームの柵らしきものが見え
た。車を停めてよく見ると、そのホームにつながっているだろう幅1m弱の道があ
り、小さなコブシ大の断面の尖った剣石が敷かれている。そこでようやく、それが
駅ホームへの通路であることが分かった。100mほど歩くと、まさしく駅だ。
 駅舎はなかったが、枕木を再利用したごついホームーがあった。黒く、所々ヒビ割
れした木は、大きな鉄の釘状のものできついタガをはめられている。この先何十年だ
って持ち堪えられそうだ。
 ホーム下にはマウンテン自転車が一台停めてあった。多分通学に使っている高校生
のものだろうか。近くに民家などは見あたらないが、利用者がいることの証明だ。
 考えてみると、タイヤが細い自転車ならこの通路の剣石でもたないのだろう。
 辺境の小さな駅に、自転車など停まってとるとアタシはホッとする。

狭 窄

2011年11月03日 | その他
 普通道の駅での車中泊は、夜9時といえば消灯(消灯しなくても暗いが)・就寝
の時間だ。ただその前には洗面やトイレを済ませておく必要がある。
 寝るに近い時間でレストラン階下にあるお手洗いに行った。するとレストランの
営業終わりでシャッターが下り閉まっている。アチャー、これはどうしたものか。
トイレが使えないのは大いに困る。たしか〔道の駅〕を名乗れる要件には〔お手洗
いの24時間使用可能〕が原則になっているはずだが。うむー、これはいずれ森町
に苦情を入れなければ、人の為にならない、とアタシはフン慨した。辺りは暗いし
ほかに誰もいない、こうなったら建物裏にある草むらにでも小便を解放しなければ
ならない。(笑)
 ヨク朝、出発しょうとして反対側にある別駐車場を横切ると、小さなラーメン店
棟を挟んで別棟にトイレがあるではないか。どうやらこちらは当然24時間解放し
ていたようだ。
 あのレストランシャッターに、トイレは別棟にもあるくらいな説明は必要では。
しかしアタシも視野狭窄であったということか。森町からは遠景の〔駒ヶ岳〕が
しっかり見えていたのにね。

山 あ い

2011年11月01日 | その他
 事故にも熊にも遭わず、無事に戻れた。次は冬のオホーツク、はたして流氷は来る
のだろうか。
 
 江差線は一般道道5号線と互いにもつれ合うように沿って走っていた。山あいの
ためにいっときとして直線がない路線だ。その曲がりようは何処までも真直ぐな線
路が続く宗谷本線とは少し様子をかえている。平野が少なく田畑もほとんどない。
 宮越駅もまた昔の木造駅の趣を大きく残している。近くにはまばらに民家が在っ
たが、どんな辺境地にも人の営為はある。そこに暮す人にとって、そこが一番住み
やすいのだ。

 ※宮越駅の写真は撮り忘れていた。ただ勿論ビデオはたっぷりと撮った。
  寄り道してみた駒ケ岳小学校の校庭には,百葉箱やこの鐘が在った。時間の
  変わり目に今も鳴らすのだろうか。だったら楽しい。(笑)