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~サッカーを中心に日々の雑感など~

血も涙も

2014年03月31日 | 雑感

 時事通信によれば…1966年静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さん(78歳)の再審開始を認めた静岡地裁の決定を不服として、静岡地検は31日、東京高裁に即時抗告した。高裁で抗告が認められれば再審決定は取り消される…そうだ。

…地裁は27日、確定判決が犯行着衣と認定した5点の衣類を巡るDNA型鑑定結果などから「最重要証拠であった5点の衣類が捏造された疑いがある」などと判断し再審開始を認めた。…高裁決定までには最低でも数か月かかると見られる…という。

証拠捏造の疑いというところにまで踏み込んで、判決を下す側の覚悟と良心が示されたのに、48年ぶりに釈放された高齢の袴田さんに対して検察のこの対応、メンツだけにこだわって、彼らには血も涙もないのだろうか。

3月28日の新聞にはNPO法人・監獄人権センター事務局長の田鎖(たぐさり)麻衣子弁護士の話として…「袴田さんは死刑確定から30年以上も拘置され、人権侵害の象徴として海外からも注目されてきた。釈放は当然だ。米国ではこの40年ほどの間に、DNA型鑑定などで140人以上の死刑囚の無実が判明した。死刑執行の前か後かを問わず、確定した死刑判決に誤りがないか法務省は検証し、結果が出るまで執行を停止すべきだ」という言葉が載っていた。

アメリカではこういう先例があるのに、日本の検察にはこの何十年かの科学の進歩も無縁なのかと思えるほど、硬直した思考回路しかないらしい。これだもの、冤罪が一向に減らないわけだ。どれだけ無実の人々を有罪にしてきたのだろう。その上、判決を下した裁判官も検察も何の罪にも問われないという不公平さ。

袴田さんは人権も何もない中で自白させられ、死刑執行に怯えながらの日々でとうとう精神を病み、今は認知症の症状も見られるそうだ。袴田さんにとってはそのほうが魂の平穏を得られたのかもしれない。81歳になられるお姉さんの東奔西走の苦労があったればこそ、釈放されたことを弟の巌さんと喜ぶ姿、ああ、良かったなあと思えたのに…なんということだろう。



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