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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その10 【2015/07/08~18】

2016-06-12 13:52:40 | 海外旅行記

2015年7月10日(金)20時30分
ブリティッシュコロンビア州バンクーバー VIA鉄道カナディアン号車内

車内に戻りましたが、寝台車は個室でプライバシーは確保されていますがなんといっても窮屈なので、数両前方に連結されているスカイラインドームカー2階のドーム席に行きました。幸いにも席は空いていました。
偶然にも日本の旅行会社の団体ツアーの方たちと同席になりしばし談笑。やっぱり団塊世代ばかりでした。

そんなこんなで列車は定刻にバンクーバーを出発。車内をうろついている間に機関車と座席車の連結は済んでいたようです。
駅構内では留置線に止まっている客車を観察。これはシャトー形寝台車8205号車"Chateau Cllose"。マナー形寝台車とは部屋の配分が異なっていて、マナー形よりも個室を多めに設計されています。24系寝台車の改造車よろしく段違いの窓が配置されているのが識別ポイント。ちなみにManorもChateauも金持ちの屋敷みたいな意味で、居住性の高い客車だよ!ということをアピールしているわけですな。客車の寝台についてはまた追々説明します。
ところで前回見たマナー形寝台車といいガラスルーフ形展望車といい客車の種類を数字でなく名詞で区別するというのは、日本の鉄道を知るものとしてはちょっと首が痒くなる気分になります。
カナディアンパシフィックが発注した長距離型客車群はVIA鉄道では8000番台の番号を振られているので、一応8000系客車と呼ぶことも出来なくもないです。さらに細分化するとシャトー形は8200形、マナー形は8300形と区別することも出来ます。こっちのほうがしっくり来るんだよなぁ。



発車するとすぐにアテンダントがやって来てウェルカムシャンパンとつまみをくれました。やったぜ。カナディアンの夜に乾杯。
VIA印の紙ナプキンがいいですね。やろうと思えば汎用品のナプキンでコストダウンも出来るだろうに、乗客に見える部分ではコストカットはしないのかな?と思いました。ちなみにVIA印の紙袋ももらいました。いいお土産になります。
座席車と寝台車では運賃がかなり異なりますが(当然寝台車のほうが高い)、こういうサービスでも差別化されています。座席車にはたぶんこれ無いです。



通勤列車「ウェストコーストエクスプレス」の客車が留置されていました。
これは予備車か波動用でしょうけど、朝郊外から上ってきた列車は日中ここら辺で昼寝しているみたいです。



ディーゼル機関車のEMD F40PH-3D形VIA6415号機。カナディアンの牽引機も同型機です。ちなみに重連。
これ今気づいたけど、後ろ側の車体形状、更新時に改造されて変わってるんだな(デッキが無くなってその分車体が延長されてる)。VIAのF40PH-3Dは中々模型化に恵まれませんが、それは他社の機体と前面形状が異なるからというのが多分に含まれている(バリ展が利かない)と思ってはいたのですが、ここも違うのか・・・。新金型で設計しないときっとダメだな。
まあ機関車についても追々。



ドームカーなんで前面展望ができます。これが眺めよくていいんですな。
列車は駅を出ると東へ向かい、しばらくはスカイトレインのミレニアム線の高架下を並走します。この時の線路です。するとブレイド駅辺りのデルタ線を通過するんですがこの時南側に分岐、そのまま進むと西側へ進みます。



途中のサッパートン駅辺りでカナディアンパシフィックの貨物列車とすれ違います。機関士の目線ってだいたいドームカーと同じ高さなんですね。



牽いてる貨車ははカバードホッパ車でした。



その後すぐにフレーザー川の岸が見え、前の方を見ると先頭が鉄橋を渡ろうとしています。私は前に見たことあるので「おお、あの鉄橋を渡るのか!」と興奮していましたが他の人達は特に何もって感じでした。「ああ先頭が見えるねー」くらいでした。

先頭といえば、この写真を見て列車の先頭がかなり遠くにあるなとは思いませんでしたか?
今日のカナディアン何両編成だと思います?正解、25両編成。
なんじゃそりゃ新幹線より長いじゃん、貨物列車か!?って感じです。アムトラックでもここまで連結するというのは聞きませんし、どえらい列車ですわ。歩きまわるだけでも一苦労ですよこれ。
まあ繁忙期の夏場だけなんでしょうけど、そんだけ繋げるなら毎日運転すればいいのに(カナディアンは週3往復)と思ったところで車両はあっても乗務員が確保できないんだろうなと勝手に納得する。



というわけでフレーザー川を渡ります。
これ分かりにくいんですけど(航空写真片手に見たほうがいい)、この橋は川の上で左右から伸びてきた線路が合流する橋になっています(デルタ線ではない)。川の上で合流させる辺り無理くり感があっていいですね。
対岸側は地上で合流してますが、そっちはそっちで3本の線路が合流しているという驚嘆すべきもの。



ここは3つの橋が隣り合って架かるという一般人にも受ける序盤の見どころです(私は既に駅構内や貨物ヤードの連続に興奮が続いています)。
今渡っている鉄道橋がニューウェストミンスター橋(1904年竣工)、その隣が道路橋のパタロ橋(1937年竣工)、さらにその影にちらっと写っているのがスカイトレインのスカイブリッジ(1990年竣工)です。
交通・物流の要衝という感じです。



はえ~、すごい眺め。この橋を初めて渡ったのは2014年12月のアムトラック「カスケーズ」の時でしたがあの時は既に真っ暗で何も見えなかったので、マジマジと橋を見るのは今回が初めてです。
20世紀初頭に建設された橋なので水面からの高さが低いのが特徴。というかそこから30年ちょっとでパタロ橋を建設したカナダの土木技術も凄まじい。あれ戦後の橋だと思ってたもん。
船が通過するには高さが低いので、この時期の橋特有の装備として旋回橋になっています。支柱を軸にして橋桁が回転するやつですな。



川を渡った後も貨物ヤードが続きます。
日本にこれだけヤードが続く区間もないでしょうし、楽しいですねぇ。さすがに21時を回ると暗くなってきて撮影は難しくなってきましたが。



あ、スラッグいるじゃん!まさか見れるとは思わなかった。
日本にはないタイプの車両で、おそらく今後も出てくることはないと思うのでここで説明しておくと、機関車のブースターみたいな車両と思ってください。
北米のディーゼル機関車は電気式ディーゼルで、発電機で得た電力でモーターを回して走行します。ヤード内での入換時には本線走行時より発電機の供給電力に余裕が出るので余剰分をスラッグに振り分けることで機関車1機で複数機分の牽引力を得られるのです。機関車2機を使って入換するよりも費用面で有利なため普及しました。ディーゼル機関車から運転台とエンジンを取っ払った車両と見ていいでしょう。あるのは主に台車とモーターと粘着力確保のための死重ぐらいです。
スラッグにも新造車と改造車の2種類があって、このスラッグは元は普通のディーゼル機関車から運転台とエンジンを撤去された改造車です。なんだか去勢されたみたいでアレだ・・・。車体は低く詰められていて、これは入換時の視界確保のためでしょう。逆に新造車は普通の機関車とそっくりな姿をしているので見分けがつきにくいです。
上に書いたとおり拠点間の回送かヤード外への入換を兼ねた短距離運転の時でもないかぎりヤードでしか見られない車両なので、見かける機会は少ないです。逆に言えばヤードに行けば見られる可能性があるんですが、大抵の場合外から中を見るのが難しい立地だったりするんで、まあそういうことです。
このCN239はEMD GP9が種車です。初登場が1954年の古豪ですがまだまだ使う気らしいです。
ちなみにスラッグは英語だとSlugと書いて、怠け者という意味があります。母機が無いと動けないんで怠け者と呼ばれてるんでしょうか。他にナメクジという意味もありますがこれはあまり関係無さそう。



ここはカナディアンナショナルのヤードのようです。



BC鉄道塗装の機関車がいました。BC鉄道!?殺されたんじゃ?
シアトルの時もバーリントンノーザン塗装だけどBNSFロゴという機関車を見ましたが、こっちはロゴもそのままですね。
塗り替えないんですねぇ。検査時に塗り替えないもんなんですかね?ていうか日本の全般検査に相当する検査周期って何年なんですかね?日本だと8年だけど。



後ろに積み上がってる荷物は材木ですねぇ。山のように積上あってるけどどっから持ってきてどこへ運んでくんだかって量です。



ボックスカーの群れ。何度見てもデカいっつか高いって印象です。
ここら辺でほぼ真っ暗になってしまい撮影が困難になってきたので、景色も見えなくなったところで軽く車内探検に移ります。


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