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第5回水上機大撮影大会【2015/8/24】

2017-09-09 23:54:49 | バス・航空機撮影記

2015年8月24日。
いい風が吹いていたので水上機を撮影しに行きました。水上機の記事もご無沙汰なんで少しおさらいしておきましょうか。

ビクトリアはバンクーバー島に街で、バンクーバーとの間には海が広がっています。両者をつなぐ橋は無いので陸路で移動することは出来ず、何らかの交通手段を使わざるを得ません。ひとつはフェリー、もうひとつは普通の旅客機(陸上機)、最後のひとつが水上飛行機です。
三者三様の利点があるわけですが、水上機の利点はビクトリアとバンクーバーそれぞれのダウンタウンを直結する交通機関であることでしょう。
フェリー乗り場や空港はダウンタウンから離れた場所にあるのでそこまでの移動に時間を取られますが、水上機の飛行場はダウンタウンの目の前にあるので余計な移動時間が無いのです。飛行機なので速度も速いです。だいたい30分間。その代わり値段が高く、価格面ではフェリーには敵いません。
ついでに陸上機も見ておくと、両都市間の連絡では価格ではフェリーに、移動時間では水上機に敵いません。陸上機の場合、他の都市や国からの乗り継ぎで真価を発揮すると言えましょう。それと、水上機は日の出ている間しか飛行しないので、早朝夜間では陸上機が上位に繰り上がる形になります。

カナダでは飛行機の黎明期から水上機に親しんできた歴史があります。沿岸部はもちろん内陸にも湖が多かったので、北部の未開地の探検には水上機がよく用いられていました。今もレジャー目的なんかで個人機がよく飛んでいます。なので水上機の旅客便が飛ぶのもカナダでは特に物珍しいことではないのかもしれません。
水上機がこんなに飛んでいる街というのも珍しいものだと思いますので、ビクトリアやバンクーバーを訪れたらひと目見ておくといいと思います。



ビクトリアに就航している会社はハーバーエア Harbour Air ("harbour"はharborイギリス綴り)がほとんどです。自称世界最大、35機もの水上機を運用する航空会社です。実際そうでしょう。
ここの主力機材がこのデ・ハビランド・カナダDHC-3オッター (C-FRNO) でございます。カナダ製の機体を使用するのはさすがというところでしょうか。
ただこれ、初飛行が1951年と大変古い設計の飛行機で、現在は既に生産中止になっています。DHC-3の製造権は現在バイキングエアというメーカーが持っているんですが、今のところ再生産するという話は聞かないです。いずれ後継機問題が出てくるでしょうから、その時はセスナなど他国メーカーの機体になるんでしょうね。



広告が入った機材もいます(C-FHAA)。これはビクトリアにあるロイヤルローズ大学の広告。
なおハーバーエアのDHC-3は、エンジンをターボプロップに換装したDHC-3Tという機材です。レシプロエンジンの機体と違って鼻先が伸びているので見分けは簡単。



冒頭でいい風が吹いたから撮影に来たと書きましたが、その理由がこれ。
水上機は風向きによって離着水する向きや位置が変わります。常に風上に向かって離着水するからです。
で、強めの西風が吹くと目の前を通過しながら着水する迫力ある瞬間を見ることが出来ます。



旋回しながら着水するので機材の正面や側面を舐めるように見られます。
バンクーバーだとこれだけ間近では見られず、これができるのはビクトリアだけだと思います。経験上、西風は春・夏の季節だけ吹くようです。冬場の時は諦めてください・・・。



これもDHC-3Tですが、運航社はシアトルのケンモアエア Kenmore Air (N50KA)。つまりアメリカからやってきたので、こんな機材でも立派な国際線なのです。
ちなみにこれは広告機材。K5というシアトルの地元ニュース局のようです。



さらにハーバーエアのDHC-3T (C-GVNL)のフェアモントホテル広告。



この角度好きです。



離水箇所へ移動しているデ・ハビランド・カナダDHC-6ツインオッター。エンジン双発のオッターだからツインオッター。水上機としては大きめの機材で中々絵になります。私の好きな三大航空機のうちのひとつです。
運航社はウェストコーストエア Westcoast Air ですが、これはハーバーエアの下部会社みたいなものです。後にハーバーエアと一体化されたのか塗装がハーバーエアと同じものに塗り替えられます。いつか掲載しますんで、ええ。



DHC-3Tの正面。



ハーバーエアのC-FHAX。
尾部が紺色に塗られた新塗装です。黄帯の旧塗装から塗り替えられています。旧塗装の数が減ってきているのが実感できたので、執筆時点では旧塗装は絶滅したかもしれません。



私から見て左側へ向けて着水した機材は、反対の右側にある空港施設へ向かってタキシングします。
こう見えてもここはビクトリアインナーハーバー空港という正式な空港です。YWHというIATAコードも持っています。ボートやフェリーもよく通りますが。



N50KAもタキシング。ハデハデな塗装がアメリカらしくて良いです。



水上機が湾内を通り抜けると次はインナーハーバーに停泊していたフェリーが離岸しました。
このフェリーはブラックボールフェリー Black Ball Ferry のコーホー号 MV Coho。 ビクトリアとシアトル近郊のポートエンジェルス20海里を結ぶ、こう見えても国際航路フェリーです。

余談ですが、ビクトリアに来た留学生がワーキングホリデービザを取得する場合これを利用することが多いんだそうです。学生ビザやノンビザで来た留学生がワーキングホリデービザに切り替える時、一度カナダを出国して再入国する必要があります。
ビクトリアからの場合、ブラックボールフェリーが一番安くて手っ取り早いのでよく使われるんだそうです。ただし出国先のポートエンジェルスは田舎なので、特にすることもなくとんぼ返りする人が大半とかなんとか。
私もワーホリビザに切り替えるために米国へ渡ったんですが、どうせアメリカに行くのなら現地を楽しまないと・・・ということで敢行したのが北米P2なわけです。



横から見ると細身に見えるんですが、正面からだとお盆みたいな船体なんだなと。喫水線から車両甲板までの船体幅の広がり具合が凄まじい。



ボートとの並走。ボートはカナダ運輸省の巡回ボートです。



さよなら~。



ハーバーエアのC-FRNO旧塗装。



ハーバーエアのC-GHAGビクトリア・ロイヤルズ広告。ロイヤルズはプロのアイスホッケーチームです。

今日はこんなところ終わりです。


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