黒鉄重工

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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. その52 【2015/07/08~18】

2016-12-12 22:40:37 | 海外旅行記

ヘリテージパーク編6回目。
ハドソン湾会社の砦を出てまた園内を歩いていくと、建物が数軒並ぶ所に来ました。
ここら辺はどうでもいい建物群と見ていたのでさらっと流し見しただけです・・・。



ドリュー・サルーン Drew's saloon
じゃがいもくらいしか連想するもののない土地で有名なアイダホ州に住んでいた退役軍人ヘンリー・ドリューがアルバータ州に移住した1886年にこの建物を建てました。



I.G.ベーカー商店 I.G. Baker & Co. Store
正面は立派ですけど、横を見てみるとなんだかボロっちいという看板建築みたいな建物です。こっちにもこういうものがあったんだな。
段々解説も雑になってきてますね。



線路なう。
前回出てきたワイことデルタ線の終端ですね。長さ的には機関車と客車2両が入る長さなんですが、実用的には機関車の方向転換くらいが限界なのかも。



デルタ線の”辺”の部分から本線へ合流して少し先の部分にまたがって側線があります。本来は機回し線なのかもしれませんが、当時は貨車が留置されていました。
長物車が3両。身元は不明。
荷台には枕木や台車が載っていました。



蒸気機関車の炭水車と家畜車というナゾい組み合わせ。



ノーザンアルバータ鉄道NAR20006家畜車。1912年アメリカン・カー&ファウンドリー製。
NARは1929~1981年まで存在していた会社で、現在はカナディアンナショナルとカナディアンパシフィックの両方が所有しています。
家畜車というのは読んで字の如く、牛や豚など家畜を輸送するための貨車です。家畜以外にも色々運んでいたらしいです。
まだ冷蔵庫や冷凍庫がない時代、生産地と消費地は距離が離れている場合が多く、牧場で家畜をしてから消費地へ出荷していては鮮度を保てませんでした。そのため消費地の近くでしなければならず、生産地から消費地まで家畜を運ぶ必要があることからこの貨車が造られてきたわけです。
とはいえ生きた家畜を乗り降りさせるのは手間でありますから、冷凍・冷蔵技術が普及して精肉に加工してから出荷しても鮮度を保てるようになるとソッコーで姿を消してきました。当然現代では使われていない種類の貨車と思います。馬運車も今は自動車ばかりでしょうし。
見た目は有蓋車で、実際に設計は有蓋車の流用であることが多いそうですが、通気のため外板がすのこ張りになっているのが特徴です。
日本では1台も残っていない種類の貨車なので興味深いですね。まあ家畜同然の扱いを受けている乗客を運んでいる通勤電車は東京に行けばゴマンと走ってますが・・・。

鉄道が絡んでくると急に書く量が増えますね・・・。



カナディアンパシフィックCP415722炭水車、テンダーですね。1907年リッチモンド・ロコモーティブ&マシン・ワークス(ペンシルバニア州)製。
元々はCPのD10d形蒸気機関車(4-6-0)613号機の炭水車として製造。以降の経歴はよく分かりませんが、炭水車だけ残された模様。恐らくはウォーターテンダーとして使われていたのだと思われます。水だけを積んだ蒸気機関車用の給水車ですな。
停車駅の少ない特急列車なんかだと駅と駅の間で給水のためだけに停車しなければならないなんてことも出てきます。速さが売りの特急でんなことちんたらとやってられないので、給水停車しなくて済むように水槽車を連結して航続距離を伸ばしているのです。
日本の特急「燕」でも所要時間短縮のための東京~名古屋ノンストップ運転のために専用の水槽車を製造した(そしてソッコーで用途廃止された)事例がありますが、それと全く同じ思想です。
ちなみに石炭車というのは存在しないようです。石炭は水よりも容積に対して減りが少ないんでしょうな。例えば大井川鐵道のSLだと、石炭は補給無しで往復できますが、水は片道で半分以上消費してしまうので終点で給水する必要がある・・・といった話もあります。
ウォーターテンダーは専用の車両が製造された例もありますが、蒸気機関車で使われていた炭水車を流用した例もこの車両のようにあります。
ちなみに車番の下に書かれているService、これは保線・保守業務を行う部門です。操重車や除雪車を持っているのも確かここの部門です。



給水塔(左) Railway water towerと給砂塔(右) Railway sand house
給水塔は1902~1972年までCPがアルバータ州ドラムヘラーで使用していたもの。現役の給水塔で、毎朝蒸気機関車に給水しています。あのCP2023号機は水を3,000gal (=11,356L)搭載できるのですが、一日中走ると1,700gal (=6,435L)消費するんだそうな。
給砂塔は1920年代~1960年代ごろまでCPがカルガリーのヤードで使用していたものです。砂は何に使うかというと、レールの踏面に撒いて車輪の粘着力を上げるのに使います。急勾配とか雨や氷で滑りやすい時とかは摩擦が低くなって機関車の牽引力が落ちてしまいます。そういった時に砂を撒いて摩擦を上げて牽引力を取り戻すのです。
園内の線路は平坦線かつ客車も短いので砂を使う場面はまず無いはず。なのでこの建物も現役かというと微妙。動かそうと思えば動かせるんでしょうけど、きっと。



何がとは言わないがすげぇデカい!!!



牧歌的背景のお陰でクッソ画になっているフォード・モデルTT。
バカどころかアホとボケを付けてもいいくらいの量を造ったモデルTのトラック版。こういうのも平気で走っているということで。
モデルTは今でも30万台が残っているらしくて、新品の部品が今でも供給されているっていう環境の良さもあって、ビンテージカー入門にはちょうどいいのかもしれません。



馬車小屋。
よく分からない(やる気ない

今日はここまで。長かったヘリテージパークも次回で最後です。


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