黒鉄重工

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ビクトリア・デイのパレードを見物する その6 【2015/05/18】

2016-01-18 23:11:40 | 旅行・イベント記

次は救急車軍団。救急車もバンを改造して出来た自動車を使っています。
カナダやアメリカにはカタウェイCutaway(キャタウェイやカッタウェイとも)というバンのシャーシにキャブだけ載ったものがあり、GMやフォードがこれを製造・供給しています。素体はどんなものなのかは"cutaway GM"か"cutaway Ford"あたりで検索すれば出てくると思いますが("cutaway"だけだと本来の意味である機械や乗り物の内部図解ばかりヒットします)、なかなか情けない姿をしています。
カタウェイだけではどうしようもないので、ボディビルダーの会社がこれに各種ボディを架装していくのです。用途は主にスクールバス、トラック、救急車、小型バス、キャンピングカー(こっちではモーターホームと呼ぶ)など多岐に渡ります。ビルダーは何社もありますしシャーシもいくつもあるので、その組み合わせやバリエーションは無数にものぼるのです。奥の深い世界です。正直、追いきれる気がしません。



今まさに行進しているこちらが救急車です。シャーシはシボレー・エクスプレス、ボディビルダーはよく分からんです。
ボンネットに書かれている"AMBULNCE"は鏡文字になっていますが、これは前を走る車がバックミラー越しに救急車を見た時に読めるようにあえて反転させています。救急車の塗装も特に規定があるわけではないようで、白だったり赤だったり青だったり自由でした。
ちなみに、カナダは救急車呼ぶと金取られます。病気や怪我をした時に急いで救急車を呼ぶか金を抑えるかを天秤にかけるわけですな。困ったときは躊躇わずに救急車を呼べる日本の制度はやはり良いなと思います。どうでもいいですが私は一回日本の救急車のお世話になったことがあります。



こっちはフォード・Eシリーズのシャーシだと思います。ボディもシボレーのものとは異なりますね。



せっかくなんでこのまま脱線して知られざるカタウェイの世界を少しだけ書いていきますねw
これがカタウェイの元になっているバンですね。これはシボレー・エクスプレスです。
元になっていると言っても出来上がったバンのボディを切り取るわけではなく、最初からカタウェイとして製造されています。なので、よく考えたら上記のバン改造車というのはあまり正確な表現ではないですね・・・。



カタウェイの使用用途の割合としては最も大きいのではないかと思うトラックです。荷台は概ね日本の2トントラック程度の大きさのものがほとんどです。これより大型になると普通のトラックになって、逆に小型になるとピックアップトラックになると思います。



こっからパレード自体からも脱線していきますw
これはスクールバス。シャーシはこれもシボレー。スクールバスなのでボディは堅牢に造られているはずです。
スクールバスは大きさによりA~D型に分類されますが、カタウェイベースのこれは最も小型のA型に区分されます。定員は20人程度です。
スクールバスについてもそのうち詳しく書いていきたいですね。



小型バス。シャーシはシボレーで、上記の救急車と同じカタウェイをベースにしていることが分かると思います。
バスの使い道は路線バス、リムジン、送迎バス、挙句は都市間高速バスなど色々です。



最後、キャンピングカーです。シャーシはフォード製。シャーシはおそらくストレッチされていて、カタウェイベースの車としては大きい方だと思います。ただし観光バスベースの車などを含めたキャンピングカー全体から見ると中型程度でしょう。
なおこのキャンピングカーは個人所有ではなくレンタルものでして、これを借りて大陸横断するのもいいよなぁと思います。レンタル代は妥当といえる程度らしいですが、燃費が極悪とのこと。まあ色々積んでいるから多少はね?借りるなら小型ですな・・・。

以上、思いつきで脱線したカタウェイ特集でした。明日からはこれらの車を注意深く観察してみよう。毎日が少しは楽しくなるかもしれないぞ?



はい、パレードに戻りますよw
またしても軍用車軍団が来ました。うーん、昔の軍用車が走行状態で維持されているというのは本当羨ましいぞ。日本だといったい何台あるんだろう?ゼロなんじゃないかなとも思ってしまいます。



先頭はカナダ海軍の警ら用ジープ。海軍らしい青い塗装が特徴です。
これは第二次大戦後に生産されたウィリス・M38型で、カナダ海軍の塗装ということを鑑みるとフォード・カナダにより生産されたライセンス生産版のM38-CDN型の可能性もあります。
ただ、両者の違いは恐らく全く無いため見分けがつかず、また、その個体の経歴と全く無関係の塗装に塗られるというのは保存車や保存機ではままあることなので、これがM38-CDNという確証はありません。



CMPトラック。第1回でも別団体が所有している個体を見ましたが、あれとは別の型式でこちらの方が若干ホイールベースが長いです。
メーカーはシボレーで、No.12キャブを付けています。ちなみに前に見たやつはNo.13キャブです。ホイールベース、駆動輪数、積載量によって細かく型式が分けられているのですがそこまでは分からず。
なお、車体側面の横断幕からこれらを所有しているのが西部コマンド軍用車歴史協会Western Commando Military Vehicle Historical Societyと分かりホームページも見つけたのですが、2014年から更新しておらず所有車両の紹介もなしとなんともひどいページでした・・・。



バイク(偵察バイク?)もいます。パレードを行進する車両はどれも徐行レベルの速度でバイクだとまともに走れないですから、道路をあちこち走り回っていました。このように時々逆走することも。それにしてもこのおじいさんかっこよすぎでしょう。



再びジープですが、これは第二次大戦中に大量生産されたタイプ。この時期のジープはウィリス・MBとフォード・GPWの2種が生産されていて、これらをまとめてジープと呼んでいました。試作車が登場した1940年から終戦までの間に65万台弱というおびただしい数が造られました。なお、本格的に量産が始まったのは1942年からなので、およそ4年間の間にこれだけの数が造られたわけです。恐るべきアメリカの大量生産システム・・・。誰だこんな国と戦争しようって言ったやつ。
ちょっと話が逸れました・・・。ジープはこの2社によりバカスカ造られたわけなんですが、2社間での互換性もバッチリなくらい両者の違いはほぼ無く外装に至っては(素人目には)全く見分けがつきません。昔のエルガとブルーリボンIIくらいに違いがありません。
なんで、これがどっち製なのかはさっぱりわけわかめです。勘弁してね。



次はダッジ・WC54野戦救急車。第二次大戦時に開発されたダッジ・WC型軍用トラックのバリエーションのひとつで、3万台弱が生産されました。
カナダには配備されてないはずだけどなあと思ったら普通にアメリカ陸軍の塗装がされていました。



プリマス・デラックスPlymouth Deluxe1937年式。プリマスはクライスラーのブランドのひとつで、GMのシボレーと同じ立ち位置、つまり最下層のエントリーブランドということになります。パレードを行進するビッグスリーの車の中でどうも影の薄かったクライスラーでしたが、ようやく出てきたという感じです。ダッジやジープも来ましたし。ちなみに特定するのにかなり時間がかかったぞ。今のところ最長記録だ。記録取ってないけど。
見ての通り元々は民間用の乗用車として開発された車両ですが、第二次世界大戦開戦により軍に徴用されたんでしょう。デラックスの名の通り元々はなかなか高級そうな出で立ちなのですが、オリーブドラブ一色に塗りたくられてクソ地味になってしまいました。
徴用後は将校の移動や連絡のためのスタッフカーとして使われていたと思います。スタッフカーってなんだか訳しづらいんですけど、陸上自衛隊だと業務車という言葉が使われています。ただこれ、どうも当たり障りない言葉を選んでいるようにも見えてあまり的を得ているとも言えないような・・・?
余談ですが、この車なぜか売りに出されていたようです・・・。維持できなくなったのかしら?


バイクじいさん再登場。ほんとかっこいいな。



一気に装備が近代的になりましたな。AMゼネラル・ハンヴィーAM General Humveeです。1985年より量産が始まった汎用軍用車両です。28万台以上が生産され、未だ生産は続いている状態です。採用国はとても多い。日本では採用されていませんが、とてもそっくりな同コンセプトの高機動車が陸上自衛隊にあります。
ハンヴィーは派生型式がやたら多いのですが、これはたぶんM1113だと思いまする。例によって自信はない。ハンヴィーは本来非装甲車両だったのですが、後に後方用車両にも装甲が必要となり、それに対応したのが装甲付きのM1113なのです。



これはM1117かな?全く自信がない。
カナダ軍はM1113とM1117を運用していたようなのですが(カナダ軍のハンヴィーはすでに退役しているのでこれらも保存団体所有の個体だろう)、M1117型のハンヴィーはどうも無いらしく訳がわからんという状態です。
なお"M1117"という番号は米軍のM1117装甲警備車という全く異なる車両に割り振られていて、しかもカナダはこれを採用していないので殊更分からん。
M1117はM1113をカナダが独自に改修した車両なのかも知れないんですが、M1113が装甲付きなのに対してこのM1117(仮称)は非装甲とまるで別物。まるで分からん。
案外、米軍から退役した車両を持ってきただけかもしれません(ヤケ

もやもやしたまま今日はここで終了。


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