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(48)中邑がIWGPベルトから棚橋色を消し去った!?

2009-09-29 10:19:56 | ヤスカクの風まかせ日記~安田拡了
 翌日、記者会見で中邑は「猪木!旧IWGP王座は俺が取り返す!」発言について説明した。解説席ではいまいち中邑のマイクが聞き取れなかったが、前述のような言葉を吐いたとは思いもよらなかった。

 いったい、中邑の言葉はどういうことなのだろう。会見では「自分としてはIWGPがどっちがオリジナルということじゃない。IWGPは1本。そう主張するとすれば、ベルトを巻く自分が取り返す。旧ベルトがアントニオ猪木のもとにあるのであればってこと。アントニオ猪木に売った喧嘩だと思っている。(状況的に難しいかもしれないが)思っているだけじゃはじまらない。時間がない。まあ、いま、はじまったばかり。これは会社と自分の真剣勝負になると思います」

 そして最後にこういった。
 「アントニオ猪木は世間と闘ってきた人。それを超えなきゃいけない。壁なのか山なのかわからないけど」

 中邑の心情を察すると、自分がIWGPの頂点として認められるためには、どうしても猪木を超えなきゃならない。それは世間一般的には時代錯誤で馬鹿げたことと思われるかもしれないが、自分の中で完結させなければならないという強い気持があるのだろう。
 中邑がリング上で前述の言葉を吐いた時、解説席にいた棚橋は「中邑はIWGPの呪いにかけられていますね」と当意即妙に批判した。うまいことを言うものだと感心した。
 しかし、中邑が挙げたのは「猪木」の名前。なんと棚橋の名前を一言も言っていないのだ。通常なら中邑は目の前の解説席にいる棚橋に向かって「おい、おれが獲ったぞ! いつでも挑戦を受けてやる!」と言うところだろう。つまり前王者である棚橋を完全無視したのだ。棚橋のはらわたも煮えくり返ったには違いなかった。

 中邑は棚橋を意識しているがゆえに、棚橋を完全無視し、棚橋とは違うIWGPの道をあえて歩もうとしているのである。
それにしても、たいへんな発言をしたものだ。なぜか。

 中邑は「会社と自分との真剣勝負」と言った。これはどういうことか。
 現在の新日本は、猪木から株を引き取ったユークスが子会社として経営している。そのユークスにはひとつの不文律がある。
それはややこしいことを避けたいために「何があっても猪木と交えず。猪木の名前を出して挑発をしてはいけない」というものだ。
 つまり中邑は会社から厳重注意を申し渡されるのを覚悟で不文律を破ったということなのだ。

 この中邑発言で、今後、猪木はことあるごとに新日本を挑発してくるに違いない。ユークスにしてみれば「中邑はとんでもないことをしてくれたよ」というところだろう。
 中邑発言は今後どんな波紋となって広がっていくのだろう。かなり刺激的な展開になっていくことが予想される。
 いずれにしても中邑はこうしてIWGPベルトから棚橋色を見事に消してしまった。凄いことをやるもんだよなあ。


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