54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

ピーターパン少年の成長

2007年01月09日 | クリエイティブな思考への挑戦
むか~しむかし、といってもほんの2,3年前の話。
日本の東京都にピーターパンという少年がいました。

ピーターパンは大学四年生でもうすぐ卒業というところでした。
でも”少年”なのです。心の弱い、弱い少年だったのです。
少年にも夢がありました。
サッカー選手になりたかった。しかし自分のあまりの体力のなさに挫折してしまいました。
ミュージシャンになりたかった。しかし自分のあまりの歌唱力のなさに挫折してしまいました。
物理学者になりたかった。しかし量子力学の高度な領域を理解できなくて挫折しました。
ピーターパンはたくさんの夢を見ましたが、たくさんの挫折を繰り返したのち、夢を亡くしてしまいました。
無気力になった少年は就職先も決まらず、この春からニート決定なのでした。

そんなある日、ピーターパンの身に異変が起こります。
いつものように無気力なピーターパンは、たまった食器を見て、皿洗いいやだな、今日はやめよう、と思いました。
するとピーターパンの上半身が膨らんで一回り大きくなったのです。少年はそのときはあまり気にも止めませんでした。
次にピーターパンはたまったレポートを見て、レポートなんて書けないよ、もういやだ、と思いました。
するとピーターパンの上半身は膨張してまた一回り大きくなったのです。少年は少し驚きましたが、気にしませんでした。
ピーターパンはその後も、卒業研究いやだな、授業に出るのいやだな、起きるのいやだな、生きてるのいやだな、と思いました。
すると、そのたびに上半身が膨れ上がっていくのでした。
そしてついに、大きく重くなりすぎた上半身を支えられなくなって、ピーターパンの足が崩れ落ちました。
そして少年は身動き取れなくなったのです。
ピーターパンは思いました。動けない、動けない、こんなのいやだ、こんなのいやだ!

するとそこへ妖精があらわれました。
「どうしたの、少年?」
「身動き取れなくなってしまったのです」
「でも、これはあなたが望んだことなのよ。あれもいやだ、これもいやだとあなたが思ったから、なにもできないようになってしまった。これはあなたが望んだことなの」
「そんな、いやだよ、動けないなんていやだよ!こんなこと、望んでなんかないよ。」
「助かる方法がひとつだけあるわ。あれがしたい、これがしたいと思うのよ。そうすれば、あなたの上半身はどんどん縮んでいくわ。そして元通りになる。」
ピーターパンはいろいろなことを思いました。
「おいしいものをたらふく食べたい!お金持ちになりたい!有名人になりたい!おもしろい話ができるようになりたい!スポーツ万能になりたい!頭がよくなりたい!たくさんの女の子と寝たい!」
少年の上半身はどんどん縮んでいって、すっかり元通りになりました。
「これであなたはもう大丈夫。いやだいやだとばかり言ってないで、これからはあれもこれもやりたいと思って、いろんなことをやりなさい、挑戦しなさい。世の中にはおもしろいことが山ほどあるんだから」
青年は言いました。
「妖精さん、早速ですが、今晩どうですか?」


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