54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

活毛剤

2006年03月11日 | クリエイティブな思考への挑戦
男性にとっての最大の悩みは「抜け毛」である。私はまだ20代だが、起きたときの枕元や髪を洗ったあとの排水溝の抜け毛を見ると、心底不安になる。抜けてからでは遅いのだ!そんなわけで私は育毛剤のコーナーをのぞいてみた。

育毛剤、発毛剤が並ぶ中に、「活毛剤」というものがあった。「髪の毛に活力を!~生き生きとした黒い髪に」と宣伝文句が書いてあった。今ある髪を強くして抜けにくくする。抜け毛がまだ始まっていない私にはぴったりだと思い買ってみた。

その日、髪を洗ったあと早速「活毛剤」を使ってみた。額から頭頂部にかけてマッサージをするようにすり込んでゆく。なんだか頭がスースーして気持ちいい感じ。血行がよくなっているのがわかるようだ。鏡で見ると、髪が本当に生き生きして見える!
、、、そんなに早く効くわけがない。気のせいだ。寝よう。

その真夜中、私はふと目が覚めた。頭がかゆい。あまりのかゆさに頭を思いっきりかいた。
すると、、、
大量の髪の毛の束が「とれた」。私はおどろいてしまった。髪の毛がとれるなんて!
電気をつけた。髪の毛の束が確かにそこにあった。しかしよく見ると、とれた髪の毛がうじゃうじゃ動いているではないか!まるで釣りえさ用の小さな箱に入った大量のミミズのような。
頭でも髪の毛がうじゃうじゃ動いているのを感じて、気持ち悪くなって振り落とした。落ちた髪の毛はやはりうじゃうじゃ動いた。
鏡を見ると私の頭はつるつる坊主だった。愕然とした。まだ21なのに、、

それでも私は考えた。一体なぜ?まあ活毛剤が原因だろう。髪を生き生きさせる活毛剤。「生き生き」させる?あの活毛剤が髪の毛に生命を与えたのか!?

そんな馬鹿なと思いながら見てみると、やはり髪の毛はうじゃうじゃ動いている。
そんなことよりも私はつるつる坊主になってしまった。スキンヘッドでは就活もできない。ああどうしよう、、
すると髪の毛はマスゲームのように一斉に動き出した。そして文字を作り出した。
「ぼくたちにまかせて」??
すると今度は髪の毛が一斉に私の足から這い上がってきた。私は気持ち悪くて髪の毛を振り落とした。
するとまた一斉に動いて文字を作り出した。
「ぼくたちをしんじて」??
するとまた這い上がってきた。私は今度は我慢した。
髪の毛は頭の上に集まり元に戻った。鏡を見てみるとちゃんと元通り、つるつる坊主じゃない。かゆみもなかった。な~んだ、ちゃんと元に戻るんだ。
すると前髪が落ちて、文字を作った。
「すきなかみがたに」??
そんなこともできるのか。私は「じゃあモヒカンにして」と頼んだ。
すると頭の上の髪の毛が動き出した。鏡を見ると髪の毛はみるみるモヒカンになっていった。すごい!

「活毛剤」。髪の毛に生命を与える。しかもその髪の毛は人間の言うことを理解し思い通りに動いてくれる。これはすごいことだ。
次の日、私は雑誌を買ってきて木村拓哉や坂口憲二などの髪型をいろいろ試してみた。意外と長髪も似合うということがわかった。
最初は気持ち悪いと思ったが、とても便利である。

活毛剤を使って以来私は床屋に行っていない。行く必要などない。私は毎日自由にヘアスタイルを変えられる。ファッションにも興味を持つようになった。人に見られるのが楽しみになった。毎日が生き生きとしている。

活毛剤は髪の毛だけでなく、その人の生活をも生き生きとさせてくれる。。

>>「うんち」



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