大阪から京都に電車で向かうにあたっては、大きく三つのルートがある。
JR線で大阪・新大阪から京都や山科に向かうルート、阪急線で大阪梅田から嵐山や烏丸に向かうルート、そしてもう一つは、京阪線で大阪京橋から三条や出町柳に向かうルートである。
わたしのお気に入りは京阪。JR線よりも安いし、特急(別料金不要)だとシートもゴージャス、また、ほぼ確実に座って行くことが可能だからである。
今日も京阪三条駅まで行き、それからバスに乗り込んで、銀閣寺道まで移動である。
朝八時二十分、開門前に並ぶ。
今日の訪問地は京都観光のメジャーどころにつき、団体客で立て込む前に拝観を済ませたい。
世界文化遺産、臨済宗東山・慈照寺、いわゆる銀閣寺である。
ここは室町幕府八代将軍、足利義政によって造営された山荘東山殿を起源とする寺であるが、義政といえば、自身の後継問題で優柔不断な態度をとって、応仁の乱を引き起こし、京都を焼け野原にした張本人。
応仁の乱の最中に隠居して、趣味的活動に没頭、乱後の疲弊に構わず庶民に課税・労役を課して、これを作りあげた。
死に際しては
「何事も 夢まぼろしと 思い知る 身には憂いも 喜びもなし」
という辞世を残したスゴイ「無責任男」である。
門を潜ると、通路はすぐに右に折れ、銀閣寺垣が姿を現す。観光スポットとはいえ、さすがに禅寺、凛とした空気が漂っている。開門直後で、人がまばらであるのもよい。
<銀閣寺垣>
そして、向月台(こうげつだい)と銀沙灘(ぎんしゃだん)。砂盛りである。
<向月台>
<銀沙灘>
向月台は、そこに座って月を鑑賞するためのもの、銀沙灘は月の光を反射させて本堂を照らすためのもの、とされるが、ここまで几帳面な砂の造形物は、なかなかお目にかかれない。
そして、やはり圧巻は観音殿(室町・国宝)。
金閣のような派手さは全くなく(銀箔を貼る予定だったともいわれるが)、しっとりと落ち着いたものである。
<観音殿>
<山道から観音殿を望む>
また、東求堂(とうぐどう)(室町・国宝)も庭園とマッチしていてたまらない。
外国からの観光客の方々が、ここに「日本の侘び寂び」を感じるのも十分うなずける。
<東求堂>
京都を滅茶苦茶にしてしまった人が、京都、あるいは日本を代表する遺構を残したということに「人の世の皮肉さ」を感じざるを得ない。
なんとも「せつない」気持ちではある。
御朱印は〔観音殿〕
ありがたく頂戴する。
銀閣をあとにし、哲学の道をゆっくりと徒歩にて南下、昼食に向かったのは、左京区南禅寺北ノ坊町、〔日の出うどん〕である。
超人気店のため、行列必至ではあるが、それでも食べたい店だ。
今日も待ち時間は約一時間、急いで数多くの観光スポットを回らなければならない人には酷な店であるが、その点、わたしは気楽なもの。
やっと順番が回ってきて、注文。ここの名物は「カレーうどん」である。
だしのまろやかさとカレーの風味が調和していてたまらない。辛さの調節もできるが、激辛だとカレーが「勝ちすぎる」キライがあるので、中辛か辛口くらいがおすすめだ。
また、かやくごはんをいっしょに頼むのもよい。「大・小・小小」の三サイズがあるが、まあ、うどんメインだから、小か小小くらいがベターか…。
少なくとも月に一回は食したくなる味、わたしの寺社巡りのモチベーションを高めてくれる逸店なのである。
<鳥入りカレーうどん>
では、いただきます!!
【冬】 京都・東山 「混沌の歴史に思いを馳せ」完
JR線で大阪・新大阪から京都や山科に向かうルート、阪急線で大阪梅田から嵐山や烏丸に向かうルート、そしてもう一つは、京阪線で大阪京橋から三条や出町柳に向かうルートである。
わたしのお気に入りは京阪。JR線よりも安いし、特急(別料金不要)だとシートもゴージャス、また、ほぼ確実に座って行くことが可能だからである。
今日も京阪三条駅まで行き、それからバスに乗り込んで、銀閣寺道まで移動である。
朝八時二十分、開門前に並ぶ。
今日の訪問地は京都観光のメジャーどころにつき、団体客で立て込む前に拝観を済ませたい。
世界文化遺産、臨済宗東山・慈照寺、いわゆる銀閣寺である。
ここは室町幕府八代将軍、足利義政によって造営された山荘東山殿を起源とする寺であるが、義政といえば、自身の後継問題で優柔不断な態度をとって、応仁の乱を引き起こし、京都を焼け野原にした張本人。
応仁の乱の最中に隠居して、趣味的活動に没頭、乱後の疲弊に構わず庶民に課税・労役を課して、これを作りあげた。
死に際しては
「何事も 夢まぼろしと 思い知る 身には憂いも 喜びもなし」
という辞世を残したスゴイ「無責任男」である。
門を潜ると、通路はすぐに右に折れ、銀閣寺垣が姿を現す。観光スポットとはいえ、さすがに禅寺、凛とした空気が漂っている。開門直後で、人がまばらであるのもよい。
<銀閣寺垣>
そして、向月台(こうげつだい)と銀沙灘(ぎんしゃだん)。砂盛りである。
<向月台>
<銀沙灘>
向月台は、そこに座って月を鑑賞するためのもの、銀沙灘は月の光を反射させて本堂を照らすためのもの、とされるが、ここまで几帳面な砂の造形物は、なかなかお目にかかれない。
そして、やはり圧巻は観音殿(室町・国宝)。
金閣のような派手さは全くなく(銀箔を貼る予定だったともいわれるが)、しっとりと落ち着いたものである。
<観音殿>
<山道から観音殿を望む>
また、東求堂(とうぐどう)(室町・国宝)も庭園とマッチしていてたまらない。
外国からの観光客の方々が、ここに「日本の侘び寂び」を感じるのも十分うなずける。
<東求堂>
京都を滅茶苦茶にしてしまった人が、京都、あるいは日本を代表する遺構を残したということに「人の世の皮肉さ」を感じざるを得ない。
なんとも「せつない」気持ちではある。
御朱印は〔観音殿〕
ありがたく頂戴する。
銀閣をあとにし、哲学の道をゆっくりと徒歩にて南下、昼食に向かったのは、左京区南禅寺北ノ坊町、〔日の出うどん〕である。
超人気店のため、行列必至ではあるが、それでも食べたい店だ。
今日も待ち時間は約一時間、急いで数多くの観光スポットを回らなければならない人には酷な店であるが、その点、わたしは気楽なもの。
やっと順番が回ってきて、注文。ここの名物は「カレーうどん」である。
だしのまろやかさとカレーの風味が調和していてたまらない。辛さの調節もできるが、激辛だとカレーが「勝ちすぎる」キライがあるので、中辛か辛口くらいがおすすめだ。
また、かやくごはんをいっしょに頼むのもよい。「大・小・小小」の三サイズがあるが、まあ、うどんメインだから、小か小小くらいがベターか…。
少なくとも月に一回は食したくなる味、わたしの寺社巡りのモチベーションを高めてくれる逸店なのである。
<鳥入りカレーうどん>
では、いただきます!!
【冬】 京都・東山 「混沌の歴史に思いを馳せ」完