及川輝治の政治日記 

及川輝治の政治への挑戦!

安倍総理よ「国難」解決の方途を国民に示せ

2017-10-15 | 日記
     母国語と母語を隔てる日本海 一度も越えず霞むふるさと
     拉致を怒りヘイトスピーチに耐えておる 我等の上を飛ぶなミサイル

 最近朝日歌壇に掲載された在日朝鮮の方の短歌である。72年前まで朝鮮は日本の植民地であった。このことを知らない日本人はまさかいないと思う。国を、職を、言葉を奪われ、姓氏まで強制的に変更させられた屈辱がどんなことなのか今更ここで繰り返さない。上記の短歌の作者が在日であることは、間違いなく植民地時代との関連からと思う。
 彼らの祖国、朝鮮半島では、この瞬間戦争が勃発してもおかしくない、そんな緊張した状況下にある。その深い憂いと悲しみがこの歌に込められている。しかもこの憂いは私たち日本人も当事者そのものである。交渉の当事者は言うまでもなく北朝鮮とアメリカである。しかし決裂すれば 韓国と日本も自動的に戦争に参加する。しかも、この戦争は中国・ロシア、更に第3次世界戦争に発展する可能性がある。だから欧州諸国もその懸念を隠さない。
 アメリカと北朝鮮は現在停戦中であるが、事実は戦争当事者の関係にある。従って戦争の終結・平和協定の締結が必要である。しかし対話が行われず武力強化によるチキンレースが激しさを増すばかりだ。その限界点に達している。
 かって日本も欧米の制裁に対抗して戦争に踏み切った経験を持つ。その反省から武力によらず外交交渉により問題解決を図ることを国家の基本方針に据えた。しかし今日の朝鮮半島危機をめぐる日本の対応は、いつか来た道へと逆行していることは明らかである。対話を否定し、圧力と戦争を想定した軍備増強に奔走しているからだ。
 かっての朝鮮戦争での戦争犠牲者は二百万とも三百万人とも言われた。被害状況はあまりにも大きく詳細は今なお明確になっていない。今回戦争が始まれば被害はそれ以上にのぼると云われている。どの国が戦争挑発の下手人と議論するも良いだろう。しかし戦争が始まれば日本も重大な被害が発生することだけは明らかである。いくらアメリカの地上イージスを購入しようとも飛び交うミサイルを撃ち落すことは出来ない。
 安倍総理は「国難」と選挙の中で叫んでいる。それも良いだろう。戦争は大国難となろう。その為にも平和的解決の道を国民に示してほしいと願うばかりだ。