私には7歳年上の兄と、3歳年下の妹がいる。つまり、私達は3人兄弟。
共働きの両親の元、ずっと3人それぞれがお互いをカバー、フォローしあって育ってきた。
と言うわけで、大人になったいまでも私達は仲が良い。
これも、兄弟だけでいろいろな危機を乗り越えるなどして培った絆の深さというものだろう。
特に、7歳上の兄は昔から頼りがいのある人だった。
ある雪の日。幼稚園の帰り道、隣に住むおばちゃんと幼馴じみのカズ君と、腰まである雪道をかき分け家路を急いでいると、200メートル先に兄の姿が見えた。
今考えると、当時中学生だった彼は、テスト週間で早く帰っていたんだと思う。
兄は私を見つけると「みゆきー!待ってろよー!」と叫び、大またでガシガシと道なき道を走って迎えに来てくれたのだ。
子どもながらにその姿は頼もしく、涙が出るほど嬉しかったのを覚えている。
また、こんなこともあった。
晩秋のある寒い日。どういう理由でかは忘れたが、母が私と兄を自宅において、再び車で出かけてしまった時があった。
しかし、家中の鍵は閉まっており、母を呼び戻そうにも、車は走り去ってしまったあとであり、さらに今のように携帯電話はなく、兄と私は見事に「閉め出され」てしまった状況に陥ってしまった。
途方にくれ泣き出しそうになっている私とは反対に、兄は笑いながら「参った」という表情をしながらも、冷静にもう一度家中の鍵をチェックしに動いた。
幸いにも、テラスの上にある小さい小窓(空気の入れ替えの為にあけてたようである)がひとつ開いてるのを兄は発見した。しかし、窓は横に細長く高い位置にある。
どうするのだろうと考えていると、石油タンクに足をかけヒョイッと登った彼は、それを足場にして細長い窓に入っていき、そして、中からテラスの戸をあけて私を家にいれて事なきを得たのだった。
そう。彼はいつもいつも私のヒーローだった。
現在、兄は39歳になり、ヒーローというにはかけはなれた、ビール太りしているただの中年男になった。
しかし、盆と正月には必ず帰ってきて、親達にさりげなく大金を置いていく兄。
仕事上、転勤族で日本各地を転々とせねばならず、親のことを私達に任せてしまっていることをいつも謝っていく兄。
定年を迎えたらこの田舎に帰って、実家で住むのが夢だと言っている兄。
離れていても、私達妹のことを気にかけてくれ、前向きな助言で背中を一気に押してくれる兄。
やっぱり彼はカッコイイ。
今でも私のヒーローは兄なのである。
※次回は妹の話をしたいと思います。
共働きの両親の元、ずっと3人それぞれがお互いをカバー、フォローしあって育ってきた。
と言うわけで、大人になったいまでも私達は仲が良い。
これも、兄弟だけでいろいろな危機を乗り越えるなどして培った絆の深さというものだろう。
特に、7歳上の兄は昔から頼りがいのある人だった。
ある雪の日。幼稚園の帰り道、隣に住むおばちゃんと幼馴じみのカズ君と、腰まである雪道をかき分け家路を急いでいると、200メートル先に兄の姿が見えた。
今考えると、当時中学生だった彼は、テスト週間で早く帰っていたんだと思う。
兄は私を見つけると「みゆきー!待ってろよー!」と叫び、大またでガシガシと道なき道を走って迎えに来てくれたのだ。
子どもながらにその姿は頼もしく、涙が出るほど嬉しかったのを覚えている。
また、こんなこともあった。
晩秋のある寒い日。どういう理由でかは忘れたが、母が私と兄を自宅において、再び車で出かけてしまった時があった。
しかし、家中の鍵は閉まっており、母を呼び戻そうにも、車は走り去ってしまったあとであり、さらに今のように携帯電話はなく、兄と私は見事に「閉め出され」てしまった状況に陥ってしまった。
途方にくれ泣き出しそうになっている私とは反対に、兄は笑いながら「参った」という表情をしながらも、冷静にもう一度家中の鍵をチェックしに動いた。
幸いにも、テラスの上にある小さい小窓(空気の入れ替えの為にあけてたようである)がひとつ開いてるのを兄は発見した。しかし、窓は横に細長く高い位置にある。
どうするのだろうと考えていると、石油タンクに足をかけヒョイッと登った彼は、それを足場にして細長い窓に入っていき、そして、中からテラスの戸をあけて私を家にいれて事なきを得たのだった。
そう。彼はいつもいつも私のヒーローだった。
現在、兄は39歳になり、ヒーローというにはかけはなれた、ビール太りしているただの中年男になった。
しかし、盆と正月には必ず帰ってきて、親達にさりげなく大金を置いていく兄。
仕事上、転勤族で日本各地を転々とせねばならず、親のことを私達に任せてしまっていることをいつも謝っていく兄。
定年を迎えたらこの田舎に帰って、実家で住むのが夢だと言っている兄。
離れていても、私達妹のことを気にかけてくれ、前向きな助言で背中を一気に押してくれる兄。
やっぱり彼はカッコイイ。
今でも私のヒーローは兄なのである。
※次回は妹の話をしたいと思います。