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文具館コバヤシ ブログ

文房具やの独り言。こだわりの文具、万年筆のご紹介や、イベントのご案内。

宮沢賢治と万年筆の意外な関係

2009-11-20 | 万年筆

  
  
(ここらのまつくろな蛇紋岩にはイリドスミンがはいってゐる)
  ところがどうして空いちめんがイリドスミンの鉱染だ

   「鉱石とネクタイ」より   宮沢賢治


少し前に小6の次男が、国語の授業で宮沢賢治のことを
習っていました。
次男はしきりにその世界観を感心していました。
私も気になって、万年筆という側面から賢治のことを
調べてみました。
ご存知の通り賢治は、童話作家であり、詩人であり、
農業のために一生をささげた人でもあります。
また、幼いころから鉱石に興味を持ち、小6のころには
「石こ賢さん」と呼ばれていました。
そんな賢治が22歳になったころ(1918年)、地元岩手県で
イリドスミンが採掘できることを間接的に発見しました。
(それまでは、北海道が主な産地)
賢治はいくつかの詩のなかに、イリドスミンを登場させ
殊のほか、思い入れがあったようです。
ところがその後、賢治が病気がちになり、実際に採掘や事業化することは
ならなかったそうです。
ただ直後に海外の安価なイリドスミンが輸入されたため
賢治が事業化していたら、大損していたことになります。

万年筆好きの方は、そろそろお気づきですね。
イリドスミンの主成分はイリジウム。そう、ペン先の
ポイントに使われている物です。

  
  ↑「セロ弾きのゴーシュ」の原稿

1907年に並木製作所(後のパイロット万年筆)、1919年に
中屋万年筆(後のプラチナ万年筆)が万年筆の販売をはじめた
ことで、イリジウムの需要が増えたという時代背景と
宮沢賢治が関係しているという、意外性のある話に
なりました。

最後に宮沢賢治「山地の稜」から

  
まづすばやく手帳と万年筆をはふり出すことだ。それからあとは
  もう考へなくてもいいぞ。

   
   ↑「雨ニモマケズ」が書かれた手帳


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       ↑ほめられると伸びる子です

    



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