36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

『わかりやすい』という罠(その1)

2018-01-06 10:26:56 | 国際情勢


 アメリカの大統領に就任した
トランプ大統領が就任直後から
さまざまな大統領令に署名しています。
(この記事は2017年1月31日に配信した
メルマガのメインコラムを再録したものです)


 中には米国内ですら、大きな波紋、批判が
巻き起こっている施策もあり、
一体全体今後どんなことが起こるのか、
想像しづらい状況です。



 極端な例では難民や「テロ懸念国」とされた
国からはアメリカへ入国を認めない、
米国へのフライトに乗せない、
といった措置を講じました。



 「アメリカ国内でのテロを防ぐ」

という極めて明快かつ万人が望む目的は
多くの方が支持するはずです。
身近にテロや重大犯罪が発生しないに
越したことはないですよね。
極めてわかりやすいテーゼです。



 しかしながら、掲げた目的を実現するために、
具体的にどうしたらいいのか、は
一筋縄ではありません。

 
 今回はテロを防ぐ目的で難民や
(実態として一方的に決めつけた)
「テロ懸念国」からの訪米者の一部入国を
ストップしました。
その中には20年間アメリカ人として
国内に居住していたイラン出身の方や
イラク戦争の際に通訳等として
米軍に忠実に貢献していた方も含まれていた
ように報じられています。



 他方、直近アメリカで発生している
テロの多くはルーツは様々でも
アメリカで生まれ育ち、
アメリカ社会の中で生きている人が
引き起こしているという事実があります。



 「テロを防ぐ、国民の安全を確保するため」
 
と言われれば誰も反対はできませんが、
アメリカ国内のテロ原因を鑑みると、
今回の措置にどこまで実効性があるか、
はっきりしません。



 具体的にどのような措置を取れば
テロが防げるのかわかりにくいがゆえに
分かりやすいキーワードである

 「難民」
 「テロ懸念国」

といった言葉が前面に出てきている、
とも読み取れるかもしれません。



 トランプ大統領に関わらず、
最近

 「わかりやすい」

ものに飛びつく傾向が強まっている、
そんな気がしています。



 YESかNOか
 敵か味方か
 儲かるか、儲からないか(それも短期的に)

世界を単純に二分割して、
自分が受け入れられるものは
盲信的に信じることが多いように思います。

 同時に受け入れたくないものは

 ウソだと決めつける、
 存在を認めない、
 異なる意見を主張する人の誹謗中傷をする、

といった行為も多々見られます。



 世界各国が複雑に結びつき、
ヒト・モノ・カネ・情報が
信じられないくらいのスピードで
飛び交うようになってから、
世の中が分かりにくくなったのかもしれません。



 分かりにくい世の中であるが故に、

 理解しやすいフレーズ、
 分かりやすいスローガン
 単純な二元論

 が流行しているのではないか、
とOzakiは感じています。 
アメリカ大統領の話に限らず、
我々の生活の中にも
こういった流行は
気づきにくいですが、
入り込んでいますよね。



(次回に続けます)